アイリス姉妹との出会いと、これまでの振り返り
僕の名前はサンギ。
冒険者サンギ。前世での名前は、柏倉参議。
僕はわけあって、異世界に来ていた。そしてその世界で、アイリス姉妹という、僕の小学校時代、中学校時代と同級生だった美少女姉妹、星名姉妹とうり二つの姉妹と出会ったのだった。
顔もそっくり、うり二つ。そして名前も、ユキとアキといった。
いったいなぜこんなことになったのかというと、話せば長くなる。
僕と星名姉妹との出会いは、遠く小学校時代にまでさかのぼる。
小学校5年生か6年生の時だったかな、その時、同じクラスにすごくかわいい子がいると知った。
それが双子の姉、星名由希だった。実は最初に出会った時は、双子だとは知らなかった。
「ねえ、あの柏倉君って、由希のことばかり見ているよ。」
他の女子たちからもそう言われる始末。
そしてもう一人の双子の妹、星名亜希とも出会い、こうしてあらためて星名姉妹が双子の姉妹だということを知ることになる。
「柏倉君ね。私、星名亜希です。よろしくね。」
最初は姉の由希に恋をしていたのだが、気安く声をかけてきたのは、むしろ妹の亜希の方だった。
しかしこの2人は、とにかく見分けがつかない。
本当に、一卵性双生児というのは、この星名姉妹のような双子のことをいうのだろう。とにかくもう、そのくらい見分けがつかない。
顔のあるところに、ホクロがついているのが由希、ホクロがついていないのが亜希、
という話を誰かから聞いてはいたのだが、
実際には、由希だと思って話しかけたら亜希だった、逆に亜希だと思って話しかけたら由希だった、
そんなことが、しょっちゅうあったなと。
僕、柏倉が小学校を卒業し、中学校に入ると、中学校は星名姉妹とは別々になる。
そこで僕はいじめをうけた。まさにそのいじめグループのせいで、
僕の中学校生活は、伏魔殿と化した。
あいつらさえいなければ、僕の中学校生活はもっと楽しいものになったはずなのに、と、例のいじめグループに対しては、憎しみ、復讐心をいだいていた。
それからまもなく、その中学校の教師も学校も、手ぬるい対応しかしてくれなかったことに激昂し、僕ら柏倉家はその地から引っ越すということを強行した。
そして引っ越した先は、例の星名姉妹が通っている中学校だった。
僕、柏倉は、星名姉妹と再会した。星名姉妹は、以前にも増して、かわいくなっていた。
かわいい…、かわいい!かわいいよ!かわいい…!
僕、柏倉は、完全に星名姉妹に惚れていた。
これで僕の中学校生活は、星名姉妹がいるから、光輝く、天使の住む花園、楽園となったのだった。
理由もなくいじめられていた伏魔殿から、
双子の美少女姉妹、星名姉妹といっしょに過ごす、天使の楽園へと、僕の中学校生活は変貌を遂げたのだった。
「柏倉君、柏倉君も、こっちに来たんだね。
私、由希だよ。これからもよろしくね。
だって、また3人ですごせるんだもんね。」
「柏倉君だ!柏倉君!私、亜希だよ!
また柏倉君といっしょに過ごせて、亜希はとってもうれしいよ!」
由希は思いのほか喜んでいたようだったが、亜希の方は、喜びのあまり、僕、柏倉に抱きついてきて、離れなかった。
「柏倉君大好き。これからもずっとずっと一緒にいようね。
柏倉君…。くすっ、きゃは、柏倉君大好き。」
その後、その中学校を卒業すると、またまた僕と星名姉妹とは、別々の高校になった。
そして、高校も出て、大学に入るが、大学生活は次第に平凡で退屈なものとなっていた。