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太陽の雲が人類をアレに進化させる、そう遠くない未来。  作者: 城谷創懐(シロタニクラフト)
第五話 「人類の変転」
13/23

魂の争奪戦 前編

光と闇の双方で世界をとらえることができる不思議な視覚。

魂を目視できる珍妙な視覚。

通称「エイリアン・アイ」

飛と同じ視覚を手に入れた人間が、ほかにも数えきれないほどいた。

人類の変転。

人類の更なる進化。

それは「エイリアン」だ。


エイリアンは影に身を隠している。

闇に潜んで、通りすがった人間を影へ引きずり込むのだ。

このようにして、人間の行方をくらませる。

エイリアンの目的は「魂」を喰らうことだ。

「魂」は非常に強い光のエネルギーである。

それゆえに、エイリアンの体内に秘める深い闇を浄化する力を持つ。

エイリアンの闇を完全に浄化した者は、「永遠の自由」を得ることができるという伝説があった。

人間の営みに潜む「闇」

「暗闇」「病」「痛み」「怒り」「死」

それらから永遠に開放されるのだ。

この言い伝えは、中国の考えが由来だ。

「魂」は気をつかさどる陽のエネルギー。

「魄」は形体をつかさどり、陰に属する。

という言い伝えだ。

つまりは、「魂」は光。「肉体」は闇。

その双方を持つのが、人間だと考えることもできる。


我々が見ている、存在している世界は

実際に光と闇で構成された世界だ。

人間が「光」を見ているときに色を感じる。

逆に人間は「闇」に色を感じない。

いうなれば、世界が有彩色と無彩色で構成されているのは、世界が光と闇で構成されている証拠なのだ。

(ちなみに透明は「光」でも「闇」でもない。

見えるはずのない「無」だ。

虫が窓ガラスにぶつかってくることがあるが、それは人間にしか「透明」が見えないからであり、虫の視覚だと透明は「無」なのだ。

人間が無理やり、光に色を見出してきたから、その代償で透明が見えるようになったのだ。)


「エイリアン」へと進化した人間は、進化の最果て「永遠の自由」を求めて、体内の闇を完全に浄化しようとする。

これは本能であり、生き残るための知恵なのだ。

エイリアンが「永遠の自由」を掌握するために、魂を奪い合うのだ。

これが「魂の争奪戦」である。


この時、世界には三種類の種族がいた。

「人間の目」を持つ人間。

「エイリアンの目」を持つ人間。

そして、「エイリアンの目」を持つエイリアンだ。

エイリアンの魂は光におおわれている強力な闇だ。

それを喰らったものは永遠に化け物になる。

俗に言うUMAだ。

「エイリアン・アイ」ではこの三種族の見分けがつかない。

「人間の目」だと人間かエイリアンかの見分けがつく。

そしてエイリアンしか「魂の争奪戦」に参加できない。

つまり、魂を喰らえないし、永遠の自由も獲得できない。

人間はエイリアンになるのをただ待ち続けるしかない。


三種族の目的は皆同じ。「生き残ること」だ。


創我飛は「エイリアンの目」を持つ人間。

その彼女、亜空幻は「人間の目」を持つ人間である。

だから、まだ幻は「魂の争奪戦」に参加できない。

ただ、安心は決してゆるされない。

エイリアンに魂を狙われる運命にあるからだ。

幻の目はエイリアンと人間の区別がつく。

だが、飛の目は「エイリアン・アイ」なので、エイリアンと人間の区別が全くつかないのだ。

飛は幻にこの「魂の争奪戦」のルールを伝えた。

エイリアンの本能がこのルールを伝えてきた。

飛にエイリアンの本能が目覚めたということは、もう間もなく、飛はエイリアンに進化してしまうことを意味していた。

幻は寝たかった。

だけど、無防備になることを知り、眠気を気合いで吹き飛ばした。

飛の目は覚醒していて、寝る気はさらさらない。

「武士の世の中のようだわ」

幻はそう言った。

飛は幻の平面な顔をぼんやり見ていた。

顔全体が闇で塗りつぶされている。

もう、幻の可愛い顔を見ることができないのか。

飛は打ちひしがれた。

幻には残念そうな飛の顔が見えていた。

急に、飛の身体がこわばり始めた。

身体が固まっていく。

飛の肉体から臓器が消えた。

魂だけが肉体に宿っていた。

その魂は光を帯びた強力な「闇」の塊だった。

邪気が飛をのっとってきた。

「キャーーーーーーーーー!!!」

幻が口が張り裂けそうな大声で悲鳴を甲高く上げた。

幻には飛がエイリアンにしか見えなかったのだ・・・。







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