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2.ガイヤベルト王国

「我らが魔帝王におかれましてはご機嫌麗しいブヒ! 我らオークは、魔帝王様に命を捧げるブヒー! 痛い痛い痛いブヒ!」


 ブヒブヒ語尾がうざいので、軽く電撃を与えているところだ。

 この世界のオークは豚型なんだな。


 オークキングが服従を誓っている最中なんだが、別の事を考えていた。

 ガイヤベルト王国軍が、ドラフェン王国国境に集結した。その対応策の細かいところを考えていた。


 ガイヤベルトは、我がシュタイン魔帝国の北に位置する。地政学的に、北の海への蓋をしている国だ。北の海。その先には別の大陸がある。北の大陸との交易を独占しているのがガイアベルトなのだ。


「オークキングよ、明日、全軍で出撃せよ。敵はガイヤベルト軍。数は3万」

「ブヒッ! 我等は先ほどまで長旅を続けて疲れておりますブヒ。さらに我等オークは1万。数で大きく劣っておりますブヒ!」


「乱取り自由!」

「喜んで拝命いたしますブヒ!」


 だから馬鹿は大好きさ。

 乱暴狼藉の自由を与えたら、ぱくりと食いついた。


 言質を取ってから指揮官を知らせる

「総司令はエリザーベトだ」

「ブヒ! 我が軍を他人に任せるわけにはいかないブヒ!」

「そこの女騎士だ」


 オークキングの視線の先には、ビキニアーマーの女騎士が居た。


「喜んで拝命いたしますブヒ!」

 絵に描いたように好色そうな目。喜んでもらって何よりだ。


「エリザーベト、お前にはガイヤベルト遠征軍1万を預ける」

「くっ! オーク共と一緒に行軍しろと?」


 くっ! とか言ってるが、オマタから雌の匂いが漏れてるぞ。何を期待している?


「だがしかしっ! わたしには、無理強いされた悪魔の契約という逆らえぬ悲劇の枷が! 王妃と王女様のお命が!」

 一人嗜虐に盛り上がるエリザーベト。

 いいな。楽しそうだな。


「エリザーベトの補佐として、ミノタウロ君を付ける。良いな? ミノタウロ君?」

「ブモーッ!」 


 やる気満々で上半身の筋肉をはち切らせるミノタウロ君。

「チッ」

あれ? エリザベート、今チッとか言ったね?


 オークキングとエリザーベトを下がらせた後――、

「ビンネブルグよ」

「はっ!これに!」


「ドラフェンのソルトレイクを手に入れたであろう? 豚共のエサとして、大量発生していた大ミミズをソルトレイクの塩と一緒にミンチにしたのを手ごねでハンバーグ風にして渡しておけ。荷駄部隊にはドラフェンの生き残り部隊を手配してある」


 お恐れながらと、ベルシェが跪いた。

「魔帝王陛下、せめてエリザーベトには、まともな食料を渡して頂きたいのですが」


 ベルシェ、おまえ、エリザーベトに気があるのか? あいつあんなかっこうしてるけど、30手前だぞ。


 


 翌日、エリザーベト率いるオーク1万が出発した。

 オークの視線に燃えるエリザーベト。女騎士に萌えるオーク。


 謀らずともウインウインの関係。


 戦場予定地まで3日。

 それまでエリザーベトの体が保つか? 

 今後の展開は、ミノタウロ君の双肩に掛かっている!






 3日後。会議のテーブル席にて。


「そろそろ会戦する頃だな?」


 偵察衛星扱いのゴーストを1匹選び、高度を下げさせた。


「上質な武器を装備した正規軍3万に対し、質の悪い武器しか持たぬオーク1万が敵いましょうか?」


 心配そうな顔をするベレシュ。改めて見渡すと魔族六部衆の面々も心配そうな顔をしている。

 おまえら、いつの間に仲良くなったんだ?


 そうそう、心配はほぐしてやらんとな。

「ガイヤベルト正規軍3万に、オーク1万匹程度じゃひとたまりもなかろう」


 魔族六部衆が一斉に席を立った。顔が青いぞ、お前達。

 ま、エリザーベトは女騎士である事以外、なんの長所もない。いつ捨ててもいい駒だからね。

 ミノタウロ君、無事に帰ってこれればステーキでも奢ってやろう。


「さて、次の議題だが……おや?」


 北の方角より発する電磁波を関知した。魔法によるものじゃない。自然の波長だ。それも岩盤の軋轢によって発生する波長に似ている。いや、岩盤から発生する電磁波そのものだ。


「あれ?」

 ビンネブルクも気づいたか? 等と思った矢先!

 低く重い音が北の方から聞こえてきた。


「むっ!」

 音を立てて城が揺れた!


 地震だ! でかいぞ!

 震度で表すと5弱。


「魔帝王陛下!」

 ベルシェが私を気遣ってくれている。お前よりは頑丈な体をしてるのだが。


「狼狽えるな! この城は耐震設計になっておる!」

 声を大きめに出し、魔族共を叱責する。私は、腕などを組みどっしりと構えておく。


 ワンワン達を率いていた時に学習した。群れを率いる者は、部下共と一緒に狼狽えてはいけない。狼狽えるのは心の中だけにせねばならない。

 その態度に安心したのか、魔族六部集は、すぐ落ち着きを取り戻した。


 それにしても揺れが長い。もう5分は続いている


「む?」


 偵察用ゴーストが、所定の高度に到達したのだろう、報告が入った。

 その報告は――大変じゃないの!





「エリザーベト達の戦場全域が、陥没して消えたようだ」

「「「「「「「え?」」」」」

 魔族六部集が揃って間抜けな声を出した。



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