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アメイズ  作者: D-magician
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第58話 トラブル発生

「よし。やっと終わった。10分もかかった。ケンなら3分かからないのにな。」


 コウちゃんがイスにダラーッとのけぞる。どうやらリバーシの決着がついたらしい。


「お疲れさま~。クリアしたんだからじゅ~ぶんだよ~。」


 ユウちゃんがコウちゃんの肩をもみながら言った。


「あと一手で終わるけど、さてさてどこが開くのかな?ケンにはそれを教わらなかったから。今のうちにどこに誰が行くか決めとくか。」


 コウちゃんがそう言うと、ユウちゃんがぐるーっとイスを回して僕たちの方へ向けた。


「そうだな。まあ、あたしはムーヴしかできないんだが…。」


「そうだね~。みんなが怯えて逃げちゃうもんね~。かわいそ~。」


「おい!そのかわいそうは誰のことだ!」


 セイちゃんとユウちゃんが漫才のように意見を交わす。


「今の時点でパズルを解けるのはキュウだけだからな。キュウはパズル。そうするとユウとメイでテクニックをクリアしてもらって、俺とセイでムーヴだな。」


「うん。それが一番だね。」


 僕はうなずく。隣を見るとメイちゃんもうなずく。


「は~い。でも、もし先にムーヴが開いたら誰が次のゲームをクリアするの~?」


 ユウちゃんがコウちゃんに聞いた。


「そっか。ゲームをクリアできるのは俺とキュウか。でもキーボードは俺だけ。じゃあムーヴが開いたら…。」


「そんなのあたし一人でムーヴを片付ければ済むことだろ?」


 セイちゃんが腕を組んで当然とばかりに言った。みんながセイちゃんを見る。


「え~?一人で大丈夫なの~?」


「いけるのか?セイ。」


 ユウちゃんとコウちゃんが聞いた。


「そもそもムーヴがクリアできなかった理由は最後のストラックアウトが原因だ。そしてそれはキュウが発見した攻略法で誰でもクリアできるようになった。だとしたら、あたし一人でも問題ない。」


「おー!」


 パチパチパチ。


 自然と拍手が起きた。セイちゃんがかっこよく見える。輝いて見える。


「よし。セイ、もしムーヴが最初に開いたら任せるぞ!」


「おう。ドーンとこい!」


 コウちゃんとセイちゃんのかっこいい姿を僕は憧れの目で見ていた。するとメイちゃんが僕をつついた。


「キュウちゃんもあんな感じだよ。私から見たら。自信持って。」


「僕はあんなにかっこよくないよ。」


「あんなかんじなの!」


 メイちゃんは僕の小さな反論に大きく口を動かして反論した。


「おい。お二人さん。ドア、開けていいでしょうか?」


 コウちゃんの方を見るとみんなが僕たちを見ていた。なんかニヤニヤしてるようにも見える。


「うん。開けてください。」


 僕はそう小さな声で言った。なんか少し恥ずかしい…。


「よし。じゃあ、クリア!さあ、どこが開く?」


 コウちゃんがカチッとキーボードを押す。ドアの上から光が漏れる。そのドアは…、


「テクニックか。よし!ユウ、メイ。クリアしてくれ!」


「は~い。」


 ユウちゃんが手をあげて笑顔で返事をした。メイちゃんもうなずく。


「いくよ~。メイちゃ~ん。いざ!テ~クニック~!」


 ユウちゃんが大きな声を出してから階段を下りていく。メイちゃんもついていく。階段の真ん中くらいで一度立ち止まってこっちを見た。


「二人とも頑張ってね。」


 僕は大きな声でそう言って、そのあとメイちゃんに「頑張ってね。あと気を付けてね。」と口を動かして伝えた。


「は~い。いってくるね~。」


 ユウちゃんが叫んで手を振った。メイちゃんは僕を見て口を動かす。


「気を付けて頑張るね。キュウちゃんも頑張ってね。いってきます。」


 僕はうなずいて「いってらっしゃい。」と口を動かした。そしてユウちゃんとメイちゃんはテクニックの部屋に入っていった。


「さて、キュウの解いた問題で開ける前に他の問題を見ておかないと。」


 コウちゃんはそう言って他の問題を見て解けそうなものを探す。


「何でだ?早く開ければいいだろ?」


 セイちゃんが僕に聞いた。


「もし僕の解いた問題以外でコウちゃんがケンちゃんのノートを見ても解ける問題がなかったら、僕が戻るまで進めなくなっちゃうかもしれないでしょ。」


「あー、なるほどな。キュウがいるうちに解ける問題を探すんだな?」


 セイちゃんはコウちゃんを見た。コウちゃんはうなずく。


「キュウの解いた問題でどっちの部屋が開いてもキュウは入るしかない。でもキュウがいないと解けない問題しかなかったら時間を無駄にするだけだからな…。あっ、でもケンのノートで解ける問題があったから大丈夫だ。」


 コウちゃんはふぅーっと息を吐いた。


「キュウ、さっきの問題の画面にするから答えを入れてくれ。」


 コウちゃんはそう言ってキーボードを叩いた。画面にさっきの問題が表示される。僕はさっき出した答えをそこに入力してキーボードを押す。真ん中の部屋の電気がついた。


「真ん中ってことはパズルか。キュウ!頼んだ!」


「うん。いってきます。」


 僕は階段を下りていく。


「頑張れよー。」


 セイちゃんが手を振っている。僕も手を振る。そしてパズルの部屋のドアを開け、中に入った。最初に入ったときは隣にコウちゃんとユウちゃんがいた。次に入ったときはみんながいた。今日は初めて一人。そのせいか部屋が広く感じた。


 よし。急いでクリアしよう。


 僕はそう心の中で言ってから行動を開始した。まずはスプリングに繋がったリングをつかんでねじってはずす。そこについた鍵で真ん中の台の上にあるケースの鍵を開けて鍵はもとのスプリングに戻す。


 よし。ここまでは順調。次は…。


 ケースからパズルを取り出す。パズルはバラバラの状態。つまりつなげてくぼみにはめればいい。僕はその作業に取りかかった。まずはダイヤとスペードを位置を合わせてつなげる。次にハートとスペードをつなげる。そして…。


「あれ?なんで?」


 僕の手が止まる。


 ない!からくり箱の中にしまうはずの金属がない!どこにもない!


 僕は箱やケースの中を探し、さらに下に落ちてないか床を端から端まで調べた。やっぱりない。念のため箱やケースを見て、床をもう一度探すがない。壁の鍵や奥にある鎧も調べてみた。どう探してもない。落ち着こうと思いタイマーを見た。タイマーは正確に動き続けている。時間が刻々と過ぎていくのがわかる。


 ダメだ。このまま一人で悩んでも、一人で探しても。誰かを呼ぼう。


 僕はパズルを念のためケースにしまい、急いでドアに向かった。ドアノブをつかみ回そうとしたそのとき、


「あんたは一体何考えてるんだ!ふざけんな!」


「うるさいな!もういいだろ!ほっといてくれよ!」


 ドアの向こうから恐ろしいほどの怒鳴り声が聞こえた。一人はたぶんセイちゃん。もう一人はわからない。わからないけど何かとんでもないことが起こっていることだけはわかる。


 どうしたんだろう?


 僕は急いでドアを開けて階段の上を見た。


「うわぁー!」


 僕の目に入ってきたのは驚きの瞬間だった。

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