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アメイズ  作者: D-magician
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第18話 それぞれの部屋

「おう。どうだった?その部屋の中は。」


 僕たちが部屋から出たとき、みんなはパズルの台のまわりに集まっていた。僕とメイちゃんもその輪に加わる。


「じゃあ、テレパスの説明するね。」


 僕とメイちゃんで部屋の中の様子や制限時間、クリアするための課題などをみんなに説明した。メイちゃんのノートにはテレパスのことが細かく書かれていてわかりやすい。


「そうか。じゃあ途中からは難易度上がるんだ。方法を考えないと。」


 ケンちゃんは腕をくんで考えている。


「キュウ、メイ。他の部屋の説明するぞ。まずは俺とユウが入った部屋からな。」


 コウちゃんが僕たちに説明を始めた。


「俺たちが最初に入った部屋は『メイズ』って名前の部屋だ。名前の通りの大迷路だった。ドアを開けると廊下があって、それを進んだら広い部屋に出たんだ。で、目の前には大迷路が広がってた。」


「広がってたってことは迷路の全体が見えたってこと?」


「ああ。迷路は階段の下にあって、廊下から出た場所から全体を眺めることができたよ。ゴール地点っぽいのも見えたし。あと階段って言ったけど2階から1階に下りるみたいな階段じゃなくて、学校とかの舞台の上から下に下りるくらいの階段だった。」


 僕の中でイメージができてきた。


「迷路の壁の高さとか通路の幅は?」


「壁は2メートル以上はあるな。迷路の中で俺が手をあげてみたけど、上にいたユウには見えなかったみたいだし。あと網みたいなのが上に張ってあるから壁を乗り越えるのは無理。幅は1メートルくらいかな。けっこう狭く感じたよ。」


「そっか。上からは無理なんだ。」


 僕がそう呟くとユウちゃんが笑った。


「あはは。キュウちゃん、ケンちゃんと同じこと言んだね~。迷路を上からクリアしようって発想はどこから出てくるの~?ずる賢い~。」


「ずる賢いは失礼だよ。ユウちゃん。ゲームを攻略するためには必要な発想だよ。なあ?そうだろ?キュウ。」


「うん。そうだね。たぶん一番手っ取り早い方法だよね?」


「ああ。それがダメだったとき、初めて別の方法を考えるんだよ。」


 ケンちゃんと僕の意見が見事に一致した。すでにケンちゃんは次の攻略方法を考えているみたいだ。


「それは失礼いたしました~。で、キュウちゃんは他に質問は~?」


「う~ん。じゃあ例えば上から全体をカメラで撮ったりは?」


「それはやってみないとわかんないけど~。網がけっこう細かくてしかも色が緑っぽいから~。たぶんカメラで撮ったら全部が緑の絨毯みたいになっちゃう気がする~。」


「そうだな。俺も近くの迷路は見えたけど、遠くは文字通り緑の絨毯に見えたよ。」


「そうなんだ…。うん。わかった。次の部屋の話を聞かせて。あ、メイちゃんはある?質問。」


 メイちゃんは首を横に振った。それを見て、セイちゃんが笑った。


「キュウ。ずいぶんメイと仲良くなったな。メイはなかなか人になつかないネコみたいな正確なのに。何かあったか?」


 ドキッとした。さすがにさっきのことは、テレパスの中でのことは言えない。秘密って約束したし…。


「何もないよ。たぶんメイちゃんと一緒にいる時間が長いからじゃないかな。昨日も今日もお世話になってるから。」


 そう言って隣を見ると、メイちゃんが笑顔でうなずいた。


「そっか~?何かあやしいな。メイの笑顔も含めて…。まあいっか。」


 セイちゃんは鋭いのか鈍いのかわからない。でも細かいことを気にしないという意味でセイちゃんでよかった。


「あたしたちの入った部屋の説明をするよ。」


 セイちゃんが僕たちの前にきた。そして、


「あたしたちの入った部屋は………、え~っと………。ケン、あの部屋の名前何だっけ?」


 セイちゃんの言葉を聞いたら力が抜けた…。メイちゃんは口を押さえて笑っている。


「ふぅ。何であの部屋の名前を忘れられるんだよ…。まったく。少しでもセイが説明できると期待したのが間違いだったか。」


 セイちゃんの言葉にため息をついてケンちゃんが僕たちの前に来た。


「じゃあ説明するよ。僕たちが入ったのは『ミラー』って部屋だよ。このタイトルで何となくはわかるだろ?」


 何となくわかる…、というより他のイメージがわかない。


「ミラーってことは鏡だらけの部屋?」


「うん。名前のまま。ある意味気持ち悪くなるよ。どこが壁だかわからなくなるから。」


「鏡の中に鏡が見えて…ってことでしょ?酔いそうだね。じゃあ部屋の広さとかは…?」


「さっぱりだよ。あたしは3歩進んでぶつかったから。」


 セイちゃんが話に入ってきた。


「何も考えずに突進してぶつかれるのは才能だよ…。まったく。」


 ケンちゃんがあきれている。確かに鏡だらけの部屋で突進するのは才能だと思う…。


「部屋の高さは?あと制限時間は?」


「部屋の高さは普通。制限時間は10分。」


 僕の質問に間髪入れずにケンちゃんが答えた。だから僕もすぐに次の質問をした。


「そっか。あと気づいたことは?鏡は触ってみた?」


「それはぶつかった人に聞いてくれ。」


 ケンちゃんがセイちゃんを見た。


「あたしがぶつかったとき頭が濡れたよ。何でかはわからないけど。」


「そっか。わかった。メイちゃん。質問は?」


 メイちゃんは笑顔で首を振った。


「よし。じゃあ次の部屋な。」


 そう言ったのはコウちゃんだ。次はコウちゃんとユウちゃんが入った部屋だ。僕とメイちゃんが入ってない部屋はここが最後。


「その部屋は『ドア&キー』って名前だ。面白い部屋だよ。部屋に入ってすぐ目の前にはドアがあった。そのドアを開けると次のドアがあった。それがあの部屋の仕掛けだよ。」


「ドアがいくつもあるってことだよね。部屋の説明は書いてあった?」


「おう。入り口を入ってすぐにあったよ。内容はユウがメモしたよ。」


 コウちゃんがユウちゃんを見た。ユウちゃんが笑顔でうなずく。


「は~い。じゃあメモを読みま~す。」


 ユウちゃんが明るい声で説明を始めた。


「制限時間は10分。部屋の数は全部で15部屋だよ~。各部屋の時間制限はないみたい~。」


「じゃあ回数を重ねればいつかクリアできるパターンだね。クリアした部屋は次にやるときはすぐに通過できるから。」


「うん。そうだね~。クリアできなかった部屋は次の回で悩む時間を多く取れるからね~。」


「うん。だいたいわかったよ。ありがとう。」


「メイちゃんは質問ありますか~?」


 僕が聞く前にユウちゃんが聞いてくれた。メイちゃんは首を振る。


「よし、みんな。全員が全部の部屋の内容を知ったところで…。」


 ユウちゃんの説明が終わったのを見て、コウちゃんがそう切り出した。みんながコウちゃんの方を見る。


「どこの部屋がクリアしやすいと思う?聞かせてくれ。」


 それを聞いて真っ先に答えたのはケンちゃんだった。


「一番クリアしやすいのはたぶんメイズ。その次はさっきキュウが言ったようにドア&キー。あとの二つは難しい気がする。」


「そうなのか?ドア&キーはキュウの説明でわかったけど。メイズはクリアしやすいのか?」


 セイちゃんが聞いた。ケンちゃんがうなずいてから答えた。


「メイズはゴール地点みたいなのが見えているからやりやすい。あと迷路には攻略法があるから。まずはそれを試してみたい。」


 さすがはケンちゃん。たぶん僕と同じあの方法を思い付いたんだ。


「僕もケンちゃんの意見と同じ。ミラーは難しそうだし…。僕たちがやったテレパスも方法はいくつか考えたけど、うまくいくかわからないし。テレパスは他にも何かありそうだから。仕掛けみたいなのが。」


「おー。キュウも同じ意見か。頼もしいな。この二人は。」


 セイちゃんが感心したように言った。


「私はわからないから、ケンちゃんとキュウちゃんに従いま~す。」


 ユウちゃんが手をあげてから言った。


「私もそれでいいと思います。」


 メイちゃんがノートにそう書いてみんなに見せた。


「そうか。じゃあ、ケンとキュウの意見を採用しよう。まずはメイズのクリアを目指す。」


 コウちゃんはみんなを見ながらそう言った。みんなはうなずく。コウちゃんのリーダーシップを感じた。


 みんなの気持ちが一つになった気がした。



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