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アメイズ  作者: D-magician
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第9話 入り口のゲーム

 カタカタカタ……。


 ケンちゃんのキーボードをたたく音が響く。真ん中のパズルの部屋は僕が解いたから、残りは左右の2つ。どちらの部屋のドアが開くかは、パソコンに座っているケンちゃんしかわからないらしい。

 ケンちゃんは真剣な顔でパソコン画面を見ている。ときどき指で空中に何かを書くような動きをしている。パソコン画面には、


34黒、33白、43黒……。


 よくわからないけど二桁の数字と白、黒の文字。


「これ、何してるの?」


「ケンに聞いてくれ!って言いたいところだけど、今話しかけたらまずそうだから。あとで聞いてくれ。俺にはわからないから。」


 コウちゃんは僕の質問に静かに答えた。すると、


「いや、もう大丈夫。ここから負けることはないから。」


 ケンちゃんがふう~っと息を吐き、笑いながら答えた。さっきまでの真剣な顔が嘘のようだ。


「負けない?これは勝負だったの?」


「うん。あと三回僕が数字を打ち込むだけ。」


 ケンちゃんはキーボードをたたく。画面には、「21黒」と表示された。


「ケンちゃんが黒ってこと?」


「うん。相手は白。さあこれは何でしょう?」


 僕は考える。白と黒、数字は全て二桁…?二桁じゃなくて位置とか?


「あ!もしかして?」


「お~。早いな。みんなはかなりの時間悩んだのに。」


「リバーシ!相手の色を自分ので挟むやつ!」


「正解!」


「じゃあ、ケンちゃんは頭の中でやってたの?全部?」


「うん。」


 ケンちゃんはまた数字を入力した。


「このパソコンを起動させて画面の上に表示される文字を画面下のファイル名に打ち込む。そしてファイルを開くとゲームとかクイズとかが何個か入っている。その中の一つをクリアすればドアが一つ開くってわけ。ただなぜかゲームは画面が表示されないから頭でやるしかないんだ。少し前までは紙に書いたりしてたんだけど、ゲーム難易度はそんなに高くないから。」


「頭の中だけでリバーシやれるだけでもすごいよ。僕は普通にやっても誰にも勝ったことないのに。」


 ケンちゃんが画面をチラッと見てから笑った。


「キュウ、君はさっきのパズルを解くとき何か考えてた?解き方の手順とか。僕には君が何も考えずに手を動かしていたように見えたよ?」


「え、う~ん。考えたには考えたけど…。ただ、形を見て前に解いたことがあるパズルなら考えなくても解き方がなんとなくわかるから。考えてないように見えたのはそのせいかも…。」


「じゃあ僕と同じだよ。僕はリバーシも含め、いろんなゲームを何度も何度もクリアしてる。だから相手がどこに置いたかだけわかれば、次にやるべき手がわかるんだよ。」


「何かすごい会話してるんだけど…。何?相手がしたことでこっちのすることがわかるって?あんたらすごいな!あたしはそんなこと考えたことないよ。」


「だろうね…。」


 セイちゃんが言った言葉に対して、僕とケンちゃんの相づちが重なった。


「おい!あたしが単細胞とでも言いたいのか?あんたら!」


「セイは本能で動いてる。それでなんとかなってるからすごいって言ってるだけだよ。」


「うん。スポーツできる人って半分はセイちゃんみたいに本能でやってるよね。」


「そうそう。あ、クリアだ!」


 ケンちゃんがキーボードをカタッと押す。すると僕たちから見て左側の部屋の電気がついた。


「さあ、開いたよ。セイの得意分野。いってらっしゃい。」


「お!本当だ。じゃあ行くか。誰が行く?あたしとコウと?」


「せっかくだからキュウも連れていきなよ。僕たちはみんな一度は全部の部屋を体験してるから。キュウも一度はやっておくべきだよ。」


「確かにそうだな。じゃあコウとキュウ。行くぞ!」


「おう!」


「うん。わかった。」


 コウちゃんとセイちゃん、そして僕の3人が階段を下りていく。


「いってらっしゃ~い。頑張ってね~。」


 ユウちゃんが手を振っている。


「頑張ってね!!!」


 隣にいるメイちゃんのノートにはビックリマークが3つもある。


「おうよ。任せとけ~!」


 セイちゃんのセリフを聞いて僕とコウちゃんが吹き出した。


「セイちゃんかっこよすぎだよ~。」


 僕が口にした言葉と、僕たちを見送ってたユウちゃんの言葉がかぶった。たぶん、またみんな同じことを考えたんだと思う。


「はいはい。さっさと行くぞ!」


 笑っている僕とコウちゃんをセイちゃんが急かす。


「セイが余計なこと言わなければこんなに笑わずに済んだんだよ。まったく。」


 コウちゃんが笑いながらドアの前に立った。セイちゃんと僕も後ろに並んだ。


「さてと、セイが先行くか。で、俺が次でキュウが最後にしよう。」


「順番決めるの?何で?」


「入ればわかるよ。セイはどんどん進んでくれ。俺はキュウのペースを見て間に合うように進むから。」


「了解!じゃあ行くよ!二人ともあたしに続け~!」


「おう!」


「う、うん。わかった。」


 僕は返事をしてはみたがコウちゃんのような返事はできなかった。


 何が待っているんだろう?この部屋の中で…。


 バーーン!


 セイちゃんがドアを勢いよく開けた。セイちゃんが入っていく。コウちゃんと僕も続く。


 二つ目の部屋の探検の幕が上がった。

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