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戦う者たち、それぞれ



 七剣が一人、山茶花の剣舞后(けんぶこう)ルメイア・テイルは金狐族の獣人だ。

 生来的に人間をはるかに凌駕する身体能力を持つ獣人の身でありながら、ヒトの使う武具を得物として戦い、獣人の中では風変わりな部類に入る人物でもある。

 獣が戦いで持ちいるならば、肉体一つ、爪や牙や角などといったものを使えばいいのだから当たり前と言えば当たり前だ。彼らの持つ武器は下手ななまくらよりも鋭く、鉄の剣など(ずく)で拵えたかと言わんばかりに軽々打ち壊すのだから、人の作った武器に手を出す必要もない。

 それでも彼女が剣にこだわったのは、ただ『興味』の一言に尽きるだろう。

 剣などただの棒振り、頭の良さしか取り柄のない人間の悪あがき、などと彼女の仲間は笑ったが、岩を断ち、鋼を切り裂き、舞うように美しさを持つ剣士の姿が、彼女には何よりも美しい銀の華に見えたのだ。



 だから生まれ落ちて四十余年、このかた剣一筋に生きてきた。なによりも美しい金銀の華になるべく。



「――華がないねぇ」



 空を飛び、地を駆けてくる魔族共を見据えながら、ルメイアは地面に剣を突き立てる。数は二つしかない両の手には余る分で、金毛の尾と同じ数計七本。まるで花開いた花弁のように、自分を中心に無造作に刺して手放している。

 両脇の剣には指が触れるか触れないか程度腕を軽く広げ、静かに佇み待ちに入る。

 彼女の周囲に味方はいない。いてはいけない。少しでも近づけば、その剣技に巻き込まれるからだ。周囲には敵以外近付いてはいけないのが、彼女と戦場を供にする者の暗黙の了解である。

 やがて彼女に狙いを付けた魔族が、飛行のままに流星の如く突っ込んでくる。



「やれやれ、動物でもまだ頭が働くだろうに。風流がわからないやつはどうしてこうすぐ殺されに来たがるのやら」



 うんざりとしたため息を吐いて、ときを待ち構える。交差のあと、魔族はルメイアの後ろへ八つと砕けて墜落した。いつの間にやらルメイアは、腕を交差させている。それはまるで全ての剣を抜き切ったあとの余韻のよう。



 追って迫る魔族の群れ。十か、もしくは二十はいる。しかしそのことごとくも、血と銀と金の花びらとなって周囲に飛沫いた。



 ――華飾斬界(ソードカメリア)。間合いに入ったもの全てを瞬きの間に切り裂き、周囲をあたかも花開いた山茶花のように変えることから、付いた呼び名である。

 山茶花が花咲く冬の始まりめいたその様を、後ろで見ていたレフィールが感心した様子で賛辞を送る。



「さすがはルメイア殿。見事な剣捌きです」


「世辞はいいよ。そう言うのは聞き飽きてるからね」


「世辞などとはとんでもない」


「何言ってるんだい? 知っての通りこれをやり出すとあたしは動けないんだよ? ま、だから七王剣武で人間に負けたんだが」



 参ったことだと言うように口にするルメイアに、やはり頭を振るレフィール。



「それでも、剣技が美しいのは変わりありません」


「そりゃ当然だ」



 それを目指して、この方生きてきたのだから。そう言って退けるルメイアを近くで見ていたヴァイツァーが、畏まって言う。



山茶花殿(マスターカメリア)がいれば、百人力です」


「王子様、あんたも世辞かい? 勘弁しておくれよ」


「いえ。山茶花殿がいるおかげで戦線を保てているのは事実ですので」



 ほとんど最低限だ。それでも魔族が抜けないのは、ルメイアの力と言うのがヴァイツァーの見解だった。

 しかし、それはヴァイツァーが抱いたものに過ぎず、



「いやぁ? それはあらかたさっきので吹っ飛んじまったからなんじゃないのかねぇ?」


「そ、それは……」



 ヴァイツァーは口ごもる。だが、何か思うところがあるのか、あの力を見ていたにもかかわらず、素直には認めなかった。



 先ほどルメイアたちと一緒にここに来た水明は、いまはいない。

 厚みを増しつつあった北東側の魔族の布陣を前に、静かに言葉を呟いたあと、巨大な魔力を解き放って、彼は魔術を撃ち込んだ。

 群青色の遠大な魔法陣。巨大な女のような胸像。発光の中にあって、それらは皆の目に断片的にしか捉えらえなかったが、荒野を稲妻の嵐の直下に叩き落とし、そのあまねく広がる(いかづち)の全てを指先に綰ねて合わせ、この世界の人間の理解を超える力を地上に顕現させた。

 青白い雷の光を以ってして右翼の魔族の大半を消し飛ばし、一人稲妻の残滓が残る道を駆け抜けて行ったのだ。



「お陰様でこっちは楽させてもらってるけどね。それはそっちだってそうだろ?」


「…………」



 ルメイアは見返るが、しかしヴァイツァーは渋い顔をして視線を逸らした。

 それに、ルメイアは何やら察したらしく、



「おやおや、そういうことかい。なるほどそれじゃあ素直に評価できないわけだ……っと、それはいいとして。それであんたはいつまで座り込んでるんだい? ラルシームの」


「オレはここに来るまで兵の面倒を見てたからくたびれたんだ。別に構いやしないだろうが。あんたがいりゃあどーにだってなる」



 座ったまま両手を投げ出すガイアス。投げやりである。だが、実力を正確に把握しているゆえ言える言葉なのだろう。



「……にしても、相ッ変わらず恐ろしい技だぜ。手は当然のように見えねぇし、尻尾が邪魔してるせいかは知らないが動きの起こりさえ読めねぇ。さすがは七剣二位の剣士様だ」



 そう言って、ガイアスはヴァイツァーの方を向く。



「……で、そこんとこ七剣五位の剣士様はどう思う?」


「嫌みかそれは」


「いんや」



 睨みに軽薄な調子で返すガイアスに、ヴァイツァーはやはり嫌み交じりに返す。



「もう立つ気力もないなら黙っていろ。露払いぐらいはしてやる」


「オレ様もヤキが回ったもんだ。ガキに言われちゃおしまいだ」



 二人が言い合いをしている一方で、ルメイアたちはと言うと、



「で、次はお前だよレフィ。あんたの技前、久しぶりにあたしに魅せておくれよ」


「先ほどの技を見せられたあとでは、私の剣など武骨に過ぎますので」



 そう遜るような言葉を口にしつつも、レフィールは前に歩み出る。ルメイアがひとしきり斬り付くし、後続が怯んだため彼我の距離は空いている。だが、いまも多く魔族の群れがいることには変わりない。

 ヴァイツァーがルメイアに訊ねる。



山茶花殿(マスターカメリア)。彼女は?」


「ん? レフィかい? あの子は昔あたしが憧れた剣士の娘さ」



 その懐かしむような言葉に、ヴァイツァーは疑問を呈する。



「腕を信頼しているのはやり取りでわかりますが、それでも見ている場合ではないのでは?」


「なに言ってるんだい紫雲の。戦場は剣士の花舞台だよ? 満開の花が咲く見せ場を邪魔する無粋なんてしてどうする――って、おいおいおいおい! あの子ったら恨みつらみがとんでもないねぇ……」



 そんなルメイアの言葉に遅ればせて、途轍もない殺気が辺りの空間を席巻する。



「これは……」



 それは紛れもなく、レフィールが解放した殺気だった。剣呑、それ以上に肌を切り裂くような鋭い錯覚を覚え、息を呑むヴァイツァー。その後ろでガイアスは「……オレたちの立つ瀬がまるでねぇな」と、呆れ交じりにこぼしていた。



 やがて、レフィールが魔族を前に口を開く。



「魔族共よ!! 我が精霊が鍛えし剣の前に血風となって消えるがいい!!」



 それは大喝だった。渦巻く赤い風にしびれを伴うような雄叫びが乗り、動き出そうとした魔族たちをその場に釘付けにする。

 そしてたちまち剣撃を呉れようというのだから、まったく虐殺と言えるだろう。逃げることも戦うことも動くこともできなくなった相手に対し、一方的に過剰な暴力を振るおうと言うのだから、その言葉で差し支えはない。



 ――そう、なにせレフィールは一気に、あの黒山を消し飛ばそうと言うのだから。



波山(ガラ・ヴァルナー)……」



 声は静かに。しかし、次いでの挙動は爆発にも等しくあった。巨大な剣に赤い風をまとわせたあと、彼女が思い切り振り抜くと、赤い風が衝撃波となって魔族を呑み込む。

 無論のこと、魔族はなす術もない。射線上にあった魔族は吹き飛ぶことすらできぬまま、まるで灼熱に呑まれたかのように全てその場で身体の端から塵に還った。



 そしてレフィールは、穴の開いた魔族の戦線に突っ込み剣撃の限りを尽くしていく。舞い上がる魔族。砕ける魔族。刻まれる魔族。そればかりか剛撃を打たんとす目を瞠るほど巨躯の魔族も、彼女にかかれば与し易い相手の範疇にあるのか、レフィールは真っ向からの一撃を剣の腹で受け止め、その返礼に横薙ぎを見舞った。



 結果剣の礼を受けた真っ二つになって豪快に吹っ飛び、他の魔族を巻き込んで団子状に転がっていく。

 ……赤い風の中にあって、レフィールの表情はわからない。だが彼女の蒼い瞳が稲妻のような残像を閃かせている限り、義憤が同居する瞋恚は決してやむことがないだろう。



「あんな剣士が、まだ北方にいたのか……」



 ヴァイツァーはそう言ったきり、絶句している。フェルメニア、水明、ルメイアと次いで最後に回った剣士は、千軍の将、叙事詩に出てくる英雄、それらを掛け合わせたような万夫不当の力量を発揮していたからだ。



「さすがは山茶花の剣舞后の知己ってところか? 安心して見ていられるな」


「……いいや危ういよあれは」


「は?」


「どういうことです?」



 突然苦虫を噛み潰したような表情を見せたルメイアに、ガイアスとヴァイツァーは怪訝そうに訊ねる。



「あんたたちには強いように見えるんだろうけど、あたしから言わせればどうもやけっぱちの剣にしか見えないんだよあれは」



 ルメイアの呻きに、ガイアスはもう一度戦っているレフィールを見遣る。だが、それでも彼女の言ったような危殆を孕むような動きには見えず、



「危なげはねぇぜ? 連中の攻撃はかわしてるし、受けてるじゃねぇか」


「確かにそうだね」


「では?」


「いいんだよ別に。防御は捨ててもね。そういう剣もあるから。だけどね、途切れることなく余裕のない戦いっぷりを見せられちゃそう言いたくもなるもんさ。体力分はあの子だって弁えてるだろうけど、人間の集中が薄氷のように危ういものってことをあの子は失念してる」



 そして「まあただの人間じゃないにしても、一応は人の子だしねぇ……」と続けるルメイア。その匂わせるような言い様で、ガイアスはやっと思い至った。



「そうか。言われてみりゃあそうだ」



 気付きの声を上げるガイアスに、ヴァイツァーが訊ねる。



「わかったのか? どういうことだ?」


「いいか? 一見あの嬢ちゃんは危なげなく戦っているように見える。確かに魔族共なんて物の数じゃないようだが、自分に気遣いがかけられなきゃただの暴走と変わらねぇ。そんな自分を顧みない戦い方なんてして見ろ。気付かない内に精神に軋みが生まれ、意識の中に余念が入り込む余地ができて、長く続けていればなおのことその隙間は多くなるしそれに気付けねぇ。だから大概は集中を途切れさせないために、あえて余裕っつー緩衝地帯を作って戦わなきゃならねぇものだが……いまあの嬢ちゃんにはそれがねぇんだ」


「やだねぇあたしが見抜いてやれなかったとは。これもあの坊やがレフィの近くにいるせいかねぇ……」



 憂慮を瞳に宿してルメイアは誰に聞かせるわけでもなく独りごちる。



「では」


「あたしはレフィの援護に回るよ。ギルドの連中は用兵の知識があるやつに任せてるし、殿下は好きに指揮を取っといてくれ」



 そう言ってルメイアはレフィールのもとへ駆けていく。

 一方彼女たちから離れた場所では、そんな話をしていることなど知る由もなく、フェルメニアたちは別の方向から来る魔族の動きを窺っていた。



「そろそろ、こちらも大きく動きましょうか。リリィは近くの魔族を頼みますよ」


「わかりました」



 フェルメニアはリリアナとそうやり取りを交わし、正面で戦う連合の兵隊を避けて、魔法を放つ。

 レフィールたちがいる右翼は圧倒的だが、彼女たちがいない左翼に関しては魔族に押され気味。左外側から崩れてきている。ゆえに、狙いは側方から突出し、左翼正面を押さえている兵に横撃を掛けようとしている魔族。

 紡いだ魔術は無論、白炎薙。先ほど魔族を焼き払ったときと同じように、白い炎をまとう閃光が魔族を包んだ。

 兵士たちが後ろからの強力な援護に驚いている。それを尻目に、フェルメニアはセルフィの方を向いた。



「フィッティニー殿でしたね?」


「は、はい」



 セルフィは白炎薙を見て、やはり目を白黒させている。見たこともない術だったからだろう。まだ驚きと興奮とが入り混じる彼女に、フェルメニアは言う。



「次に魔法を使うときに、普段の詠唱のあといまから言う言葉を続けて下さい。Eva……いえ、オルゴ、ルキュラ、ラグア、セクント、ラビエラル、ベイバロン、と」


「オルゴ、ルキュラ……?」



 よくわからないと言ったように怪訝な表情を見せるセルフィ。すると、リリアナがフェルメニアに訊ねた。



「フェルメニア、教えてしまって、いいのですか?」


「問題ないでしょう。それよりもいまは、目の前の魔族を倒すことが肝要です。なら、セルフィ殿の力を遊ばせておくのは惜しい」



 魔族に押されている現状、魔法使いの力一つで、兵の生死が左右される。なら、高い力量を持つ魔術師に活躍してもらうのは当然ということだ。

 セルフィが、戸惑いつつも控えめな様子で二人の間に入る。



「あの、先ほどの言葉は一体……」


「蛮名と呼ばれる、魔法の効果を高める装飾呪文です。通常の詠唱ののち付け足すと、魔法の火力は大幅に上がります」


「なっ!? そんな便利な呪文が存在するのですか!?」


「ええ。いまの私の魔術を見ていた通りです」



 そしてフェルメニアの顔、そしてまだ前方で魔族を焼く白い炎を交互に見遣る。そんな彼女のローブを、リリアナが軽く引っ張った。



「オルゴ、ルキュラ、ラグア、セクント、ラビエラル、ベイバロン、です。他の人に教えては、ダメですよ」



 水明やフェルメニアが扱う方の蛮名ではないのは、この世界の人間には練習しないと発音が難しいからである。

 だがたったそれだけで魔法の威力が上がるのかと、セルフィは息を呑む。まだその緊張の面持ちには多少半信半疑さが宿っているが、彼女は風雪の魔法に蛮名を付け足して唱える。



「――風よ。汝、凍てつく氷河の祝福を受けし魔風。風巻き、風巻いて、我が敵を絶佳の檻へと追い落とさん。舞い降りし氷牢は何人たりとも這い出ることを許されない、風雪の洗礼! オルゴ、ルキュラ、ラグア、セクント、ラビエラル、ベイバロン! ――フェミュールエルイレイズド!」



 鍵言ののち、彼女の魔法は問題なく発動した。

 しかし持っていかれる魔力と、発生する威力が予想を大幅に上回っていたためか、一時制御が甘くなり暴走めいた状態に陥る。しかしさすがは名の通った魔法使いらしく、すぐに魔法の制御を取り戻し、全ての威力が魔族へと向かっていく。

 蛮名を唱えないときとは比べ物にならない規模の風と氷の渦が魔族をその懐へと包み込み、そして凍らせた。



「す、すごい……」



 フェルメニアの魔術の威力には届いてはいないが、それでも一般的な魔法使いの一撃をはるかに上回る威力を出した。上出来だった。

 強力な援護が後ろから来ると知った前方の兵士たちは、側面を気にすることなく余裕を持って戦えている。

 魔法の威力の明確な向上に、しばしの間呆然としているセルフィ。そんな彼女に対し、フェルメニアが苦笑いを浮かべる。



「すごいのですがね……」


「すいめーはこの威力を、蛮名を用いず、片手間で叩き出します。さっきのを見ていれば、わかると思いますが」


「あの雷の魔法ですか……」



 そう言って、どうしてセルフィは俯いた。



「やはり、いまは彼に任せるのが一番なのですね……」



 その俯きは消沈は、力及ばずがゆえなのか。それとも、と。フェルメニアが訊ねる。



「勇者殿のことが心配なのですか?」


「ええ。勝手ながら、ハツミのことは妹のように思っていましたので」


「そうなのですか……」



 フェルメニアたちは知らぬことだが、セルフィが言う通り、二人の仲は良好だった。この世界に呼ばれてから、右も左も、そして自分のことさえわからない初美に、セルフィはよく世話を焼き、身近に接していたし、そしてセルフィにとって初美も、偏見がなく接しやすい相手であった。



「それに、私の不首尾のせいで、ハツミは記憶を……」



 彼女が気にかけていたのはそれが理由と言うこともあった。初美が呼ばれた際、記憶を失ったのは、召喚者である自分に不手際があったためと、彼女は常に責任を感じていた。

 そんなセルフィに、フェルメニアは共感する部分があったか。



「フィッティニー殿。お気持ちはわかります。私も英傑召喚の儀で、スイメイ殿やミズキ殿……英傑召喚とは関係のない方々を呼び出してしまったので」


「では、アステルの召喚事故とは」


「はい」



 フェルメニアはそう言って目を伏せる。だが、すぐに顔をあげ、決意の孕んだ眼差しを見せた。



「勇者殿のことが心配でしょうが、スイメイ殿なら間違いありません」


「大丈夫です。すいめーなら、すぐに勇者を連れ帰ってきますよ」



 消沈したセルフィにフェルメニアとリリアナが励ましの声を掛ける。それで多少気が楽になったか彼女は。再び杖を持つ手に力を込め、前方の兵士たちの援護を再開する。

 その姿を見たフェルメニアは、誰に言うわけでもなく言葉を漏らす。



「頑張りますよ」


「フェルメニア?」


「いえ、少し己の力不足を感じただけです。気にせず倒していきますよ」



 そう言って、フェルメニアは再度呪文の詠唱を開始した。





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