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シナリオ  作者: bacteria2012
3/3

1-1

 車内アナウンスによると、目的地はすぐそこらしい。網棚の上に置いたカバンに手を掛けた。社内冷房に冷やされたリュックはひんやりとしている。

 電車にゆすられて1時間。列車は少し寂れた町に滑り込んでいた。とはいえ、田舎というわけでもない。小さな雑居ビルと、ローカルなスーパーが並んでいる程度である。言ってしまえば、地方の都市であった。

『―――――次はー、鹿野ー、鹿野ー。お降りの方は―――』

 駅は見えてきた。


 2年ぶりに立った町は少しだけ風貌を変えていた。それでもその景色の中で懐かしいものも見つける。


「おーい!コウタかーーー?」

 駅の改札を抜けると、誰かが威勢のいい声で呼びかけてきた。

「榊?榊か?」

あまり混雑していない改札で、榊ユウマは簡単に見つけられた。派手な黄色のTシャツで、気持ち悪い蛇イラストが描かれている。

「お?オマエもこのイラストが気になるのか?」

様子をうかがったのか、榊が話題を振ってきた。いや、別にほとんど興味はないのだが。

「このイラストはなー、………」

長ったらしい説明を始めやがったので、適当に無視をしておく。語りだすと止まらない、これが榊の唯一の欠点である。

「ところでコウタ、他の人はどこにいるか知ってるか?」

ふと気づいたように榊が尋ねてくる。そうだ、僕はそのために来たんだ。

 周りを見渡しても、それらしき姿は見えない。

「どこ集合って言ってたっけ?コウタ覚えてない?」

「さぁな。とりあえずどこかその辺を探してみるか?」

止まっていた足をだそうとしたとき、ポケットの中の携帯端末が着信音を鳴らす。

「メールか?」

「メールだな」


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