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第13話 サーニャの直感

第2章の始まりです!!


本当はもう少し日を空けてから投稿しようと思っていましたが、すごく嬉しいことに私が思っているよりたくさんの方に読んでいただいているので、これは頑張らねばと思い投稿させていただきました!!


本当にありがとうございます。

レイたちがアルヴェリア領を出てから数日。

レイたちは街道を進み、獣人の国ガルドリア王国へと向かっていた。


道は次第に険しくなり、周囲の森も深くなっている。

王国の領域が近いことを感じさせる景色だった。


その道中、レイはサーニャに尋ねた。


「この前も聞いたが、ガルドリア王国ってどんな国なんだ。イマイチよくわからなくて」


サーニャは振り返らずに答えた。


「一言で言うなら……弱肉強食」


エリシアが少し眉をひそめる。


「弱肉強食?」


サーニャは軽く笑う。


「あの国ではね、強ければ優遇される。弱ければ淘汰される。そして強さはそのまま地位に直結するんだよ」


少しだけ声を落とす。


「つまり、強さこそが正義の国さ」


レイは小さく頷いた。


「なるほどな」


そして腕を組む。


「そんな奴らがうじゃうじゃいるなら、一矢報いるのも簡単じゃなさそうだな」


サーニャは肩をすくめる。


「そうだね。まあ、だからこそ私はあそこを追い出されたわけだけど」


その言葉を聞き、レイは一瞬だけサーニャの方を見た。


怪我。

彼女が話していた過去の傷のことを詳しく聞こうと思えば聞けた。

だが、レイはなぜか今はやめておこうと思った。


いずれサーニャ自身が語る時が来るだろう。

そう感じたからだ。


するとサーニャが突然振り向いた。

「そういえばさ、君たちには私に感謝してほしいことがあるんだよね」


エリシアがすぐに反応した。


「その節は本当にありがとうございました」


サーニャは吹き出した。


「いやいや違う違う。宿と食事のことじゃないよ」


レイとエリシアは顔を見合わせた。


「……?」


二人とも本当に思い当たらない。

その様子を見てサーニャは楽しそうに笑った。


「あれ〜? 本当に気づいてないんだ」


サーニャがニヤニヤしながら言う。


「あの日、君たち二人が馬を引いて王都に向かってた夜、獣に襲われなかった」


レイとエリシアは同時に顔を上げた。


「ああ」


確かにあった。森の中で、獣の群れに遭遇した。

だが、その獣たちは突然現れた何者かに倒されたのだ。


レイが眉をひそめる。


「なんでそれを知ってる。それに——」


そこでエリシアが声を上げた。


「まさか……」


サーニャは満面の笑みを浮かべる。


「せいか〜い!その獣の群れを倒したのは私でした〜」


レイは思わず目を丸くした。

「はぁ?あれお前だったのか?お前はあの時はレグナード側だっただろ」


サーニャは少しだけ空を見上げる。


「確かに私はあの時レグナードの奴隷だったよ。でも同時に…君たちのことを気に入ってたんだよね」


エリシアが首をかしげるが、サーニャは続けた。


「初めてエリシアを運んできた君を見た時、思ったんだ」


レイを見る。


「直感だけどね。この二人は、きっとこの国を——いや、この世界を変える存在になるんじゃないかって」


エリシアが慌てて言った。


「世界を変える……?レイ様はともかく私はそんな大それたものではありませんわ」


エリシアはそう言うが、レイは何も言えなかった。

神に言われた言葉。


「この世界を再建してほしい」


その言葉が、頭の奥でよみがえる。

胸の鼓動がわずかに速くなった。


サーニャは肩をすくめる。


「まあ、ただの勘だけどね」


レイは頭をかいた。


「……とにかく、助かったのは事実だ。ありがとな」


エリシアも深く頭を下げるとサーニャは少し照れたように笑った。

そのとき、レイはふと空を見上げた。


「……もうこんな時間か」


いつの間にか太陽が傾き始めていた。

森の影が長く伸びている。


「今日はこの辺で野営だな」


するとミレアがすぐに手を上げた。


「では、周囲を確認してきます。獣や人の気配がないか調べてきます」


レイは感心した。


「さすが諜報員。偵察まで得意なのか」


ミレアは小さく頷いた。


「習慣です」


そう言って森の中へ消える。

レイはサーニャを見る。


「ミレアがいると安心だな」


サーニャは笑った。

しばらくしてミレアが戻ってきた。


「周囲に異常なし。安全です」


その夜、一行は何事もなく野営をすることができた。


夕食はサーニャが仕留めてきた猪のような野獣だった。

焚き火で焼いた肉は驚くほど美味かった。


レイが感心する。


「これはうまいな」


サーニャは得意げに笑った。


「狩りは得意なんだ」


エリシアも嬉しそうだった。


食事を終えると、皆は明日に備えて早めに眠りについた。

明日にはガルドリア王国へ到着する。


やがて焚き火も小さくなり、夜は静かになった。

レイもエリシアも、ミレアも眠っている。


だが、サーニャだけは起きていた。

焚き火の前で膝を抱えて座っている。


その肩は、わずかに震えていた。

不安なのか。それとも武者震いなのか。

彼女自身にも、まだ分からなかった。


遠くで夜の風が鳴いている。

そしてその先に。

ガルドリア王国が待っていた。


――第2章 開始。

本作品が面白いと感じて頂けましたら、★やブクマ、感想など頂けましたら幸いです。

私自身、作品を書く原動力になります。ぜひよろしくお願いします!


さらに……

なんと本日より同時に第二作品目となる小説を一挙3話投稿していますのでそちらもよろしければお読みいただけると嬉しいです!

こちらもあまり皆様が読んだことがないようなジャンルになります。

ズバリ【異世界×福祉】です‼️


なんだそれはと気になって頂けたら、ぜひお読みいただければと思います!

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