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第1話 自然の証

第1話です。楽しんでってください


一年のうちで最も寒い時期が過ぎ、暖かくなってくる頃、MEAは独り言を言いながら歩いていた。


「今日の気温は17度ですか。今日は少し暖かいですね。よかったです、あまり寒いと関節部が動きづらくなってしまいますから」


MEAはロボットであるためあまり寒さには強くない。そして雨にも。雨で濡れた関節部が錆びてしまったら新しくパーツを作り直さなければいけない。しかし、この季節はその心配がないのでMEAにとってはお気に入りの季節である。


「しばらく住んだ、この『家』ともおさらばですね」


MEAが『家』と言ったそれはすでに崩壊しきったビルであり、一階から上はすでに無く、角に少しだけ残った天井が屋根の代わりであった。


「それでは。お世話になりました。私を守ってくれてありがとうございました」


そう言ってMEAは『家』に向かってお辞儀してから、背を向けて歩き出した。新たなMEAの旅の始まりである。


「しかし、次はどこへ行きましょう?行き先を決めずに旅するのはいいのですが、危険な目にあったら旅は強制終了されてしまうので、できれば慎重に行きたいところです」


と言うのも、この世界にはもうヒトという脅威はいないものの、いなくなったからこそ生じた問題があった。それは動物の野生化による旅の危険性の増加である。もし凶暴なライオンや、トラに襲われようものならバラバラにされてしまう。


「・・・決めました。何も決めずに行きましょう。ですが危険そうな場所は通らないように全力を注ぎましょう」


結局、MEAは今回の旅も何も決めずに進んでいくようだ。この決断が今後MEAにどのような影響を及ぼすかは、まだ分からない。


・・・数時間後


「かなり歩きましたね。ここがどこなのかは全く分かりませんが、綺麗な場所だということは分かります」


そう言ったMEAの目線の先には、大きな湖があり、その周りにはたくさんの針葉樹が生えていた。その光景はまさに自然の美しさを描いた綺麗な絵画のようであった。


「・・・なんでしょうか?先程から何やら視線が・・・わっ」


MEAは盛大に倒れた。つまづいた訳でもなく、自分から倒れようとした訳でもない。MEAが倒れた理由はMEAのすぐ目の前にあった。


「あなたですか?私を倒したのは?」


そう言葉を放った先にはオオカミの姿があった。そのオオカミの毛は上部の方から下にかけて黒から白になっていく、王道なものであった。しかし、他のオオカミと決定的に違う箇所がいくつかあった。


「あなたのその瞳、オッドアイですか?とても綺麗ですね。しかし、オオカミにしては少し体格が小さいようで」


このオオカミはオッドアイであった。右目は水色の薄いガラスのような色であり、左目はレモンのように黄色かった。それでいて通常のオオカミよりも一回り小さい体格を持っていた。


「それで、何故私を倒したんですか?あ、怒っている訳ではありませんよ?」


『・・・・・』


「答える気は無いようですね。用がないのなら私はここで少し休憩します。何かあればまた・・・」


そう言いかけたMEAに、またオオカミが突進してくる。今度はMEAはタイミング良くジャンプしてオオカミを躱し、オオカミの方へ振り向いて言った。


「そういう遊びですか?オオカミの仲ではこういうものが流行っているんですね。嫌いではないです。いつでも来てください。いくらでも躱してみせます」


『・・・・』


少しの間の沈黙。それを破ったのは、地を蹴るオオカミの足音であった。先程よりも早い速度でMEAに突進してくる。それでもMEAは躱す。また突進し、躱す。さらにまた突進し、躱す。このやりとりが終わる頃にはもう既に太陽が地へ隠れる時間になっていた。


「すべて躱しきりましたね。やはりオオカミ、すごい体力です。満足しましたか?」


それを聞いたオオカミは、今度は速度を出さず、ゆっくりとMEAに近づいてきた。MEAも倒したい訳ではないと理解し、膝をつきオオカミと同じ目線の位置でオオカミが来るのを待った。


『・・・グル・・』


少し唸ったオオカミは、MEAの体に頭を擦りつけ、まるで家族のように寄り添った。そしてMEAもそれに応え、オオカミを抱きしめて、こう言った。


「これからよろしくお願いします」


これが、MEAに及ぼされた影響であった。そして、それは最高の出会いであり、永遠の絆を始まらせるものであった。



第1話どうでしたでしょうか。楽しんで読んでいただけたなら幸いです。

久しぶりに書いてみて、やはり物語を書くのは楽しいなと思いつつ、物語の構想を考えるのはやはり大変だなとも

思いました。今回で初めて動物を文字で表現したのですが、自分のイメージ通りに動くはずがないと思いながら書いています。自分は動物のことに関してはあまり詳しくないので、これを機に多くのことを学びたいと思いましたね。

ちなみに、異世界転生のやつと、牛僕のやつで、どうもちるぜろです。と書いておりますが、あれは自分の旧名です笑。あれ?と思った方いたでしょう。修正を忘れてました。読んだことがない人は是非読んでみてください。

それでは。

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