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第72話 プロポーズ

いつの間に眠っちまったのか。

俺達はノックの音で目が覚めた。


もうカーテンの隙間からは、朝の木漏れ日が差し込んでいる。


「あんたたち朝食ができたわよ?慌てなくていいからちゃんと身なりを整えてからくるのよぉ」

マーサさんの声。


!!!!!!!!!!!!


二人して顔を合わせて、思わず声がでそうになる口をお互いの手で遮って。


一呼吸おいてから、キャサリンは普通を演じた声で返事した。


「はーい」


でも声はかすれて上ずってた。



「もう結婚しちゃえば二人とも?ねえあなた」


食事の間に降りていったキャサリンは顔が真っ赤。自分じゃ見えないけど俺も違いない。


「そうだね。いろんな事情は確かにあるけど、婚約もしていないこんな二人の姿を見ていないフリは父親として耐えられそうもない」


「いや、すまん・・・でもよお」

「でもよお、じゃない!おまえはどう考えてるんだユーリ!」

「俺は今すぐでも今日これからでも一緒になりたいしもう俺達離れられないから。ねぇキャサリン?」


キャサリンは真っ赤になってうつむいて静かに立ちあがった。


俺の方へきて俺の頭をギュッと抱きしめて、マーサのところにいって首元に抱き着いた。そしてキルリスのところへ行って・・・

キルリスは完全に娘を送り出す父の顔で両手を広げて娘を待っている。

そんな父親の方に近づいていくと。


「ボ、ボ、ボクだってちゃんとプロポーズの言葉を聞きたいんだよぉーーーーーー!!!!!!!」


振りかぶって笑顔の父親の顔面に拳をぶち込んだ。

吹き飛ぶ血潮、壁にめり込むキルリス。


俺はマーサさんに目くばせしてキャサリンの手を引いて庭に抜け出した。


「もう、もう、もう、ほんとにもう!!!」


プンスカ怒ってついてくるキャサリンは俺の手をギュウっと掴んで足をとめた。


「さっきは嬉しかった」


「うん本当だから」


「ボクでいいの?モテるくせに」


「キャサリンがいい。何回言わせるの?」


「ずっと。いつか二人が離れる時が来るまでずっと言っててほしいな。ボクはワガママなんだよ?」


何回でも言うから。

そんな悲しくなる話はしないで?


「バカだな。俺達は死んでも一緒なんだろ?」


「うん」


俺は膝をついてキャサリンの手をとった。

見上げたキャサリンの目が潤んでる。


「俺は死んでもずっとキャサリンと一緒にいる。神の国に召されても、次の生へと生まれ変わっても、俺はずっと永遠におまえと一緒にいたい。俺と結婚してほしい」


ポロポロポロ。

キャサリンの瞳からきれいな涙がこぼれて。


咲き乱れる花々と日の光を受けた朝露がキラキラと輝いて祝福してくれる。

そんな、まるで神様が祝福してくれているような輝きの中。


「はいっ喜んで!」


俺達は永遠の愛を誓い合った。


2話連続で短いお話しになりました。その分込めました。



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