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第200話 人選

「お主に代表を務めてもらうのが一番妥当なのだ。補佐を2名付けさせよう、行ってくれるな?」


王宮。


王族の公務とプライベート・スペースに挟まれた応接スペースに俺はいる。

以前と同様に王様はシャツにスラックスという軽めの服装で表情は柔らかい。

話は東の帝国が行なう合同研究のカンファレンス参加について。ゴルサットが手を回してくれた話だ。


「もちろんでございます。他国のメンバーとも知己がありますし、ご納得いただける成果を出して御覧入れましょう」


最近いろいろな立場がついて軽い返事はできなくなった。

『御覧入れましょう』は少々フカシているけど、いざとなればゴルサットから東の研究結果を『横流し』てパクらせてもらう程度には算段がついている。


「言うようになったな?だがそこはソレナリでよい、お主が深淵の森で得たものは違うであろう?」


「恐れ多いことでございます。ワタシなぞ研究では露ほどの役にも立てずに恐縮しております」


上っ面の会話を続けながらユーリはボンヤリと考えていた。

俺も口が勝手にしゃべるようになったな。


気持ちがこもってないわけではない。

だが会話の流れで『ああ言われればこう言う』定説に従えば言葉は自然と決まって来る。

余った脳内リソースで今後の仕事を算段する方が効率がいい。


「なんじゃ?いろいろな役割を押し付けられてスネておるのか?」


はて?


公式な場面ではフォーマットに則ってもらわなければ困る。

仕事がかぶりすぎのココ最近だ、言いたいことがヤマほどある。

でも国王に向かって出せるはずなんてないのだから、ソコを突いてくるのはやめてほしい。

そういう応用みたいな戯言は口のうまいキルリスとかとしてよ。


「そんなことはございません」


気のきかない言葉だけどしょうがない、臣下として否定するのが定説だ。

ところで俺はいつ臣下になったんだ?

なんだか面倒くさい、なんて思いつく前に飲み込むのは言葉にすると顔に出るからだ。


「お主やはり危ういの、ならば」


国王がチラリと近衛兵に目をやった。何かの合図を送ったはずだ。

衛兵はピシリと敬礼して奥の部屋へ入っていく。


「2名の補佐を呼んだから顔合わせしていくがよい。後のことはお主が直接進めるがよいぞ?」


入ってきたのはザハトルテさんだ。

研究者としてはキャサリンに次ぐ実力者だから、キャサリンが動けない状況で研究者の代表ならこの人を選ぶ他はない。

補佐と言わず発表のメインをはってもらう。後のことは俺が決めていいらしいし。

研究発表なんてできないからね俺は。

キャサリン先生から教わってたから学生に教えるくらい平気だけど。専門家たちの専門用語なんてわからん。


「王命とあらば任につきますが、研究所としてはよろしいのですか?ザハトルテ副所長と私では立場が逆転することになりますが」


上司を補佐に使うわけにもいかないですよね、と。

もちろん想定済で織り込み済の問答だ。


「それについては問題ない、本日付でお主は魔法師団の副師団長に任命してあるからの。すでに副所長はお主の部下よ」


ニンマリ笑う王さま。

ザハトルテさんが嬉しそうに俺にお辞儀をしてくる。


「よろしくユーリ副師団長!これで胸をはっていろいろと厄介ごとをお願いできますよ、なんならワタシは副所長も降ろしてただの研究員にしてくれて問題ないからね?」


さんざっぱら厄介ごとをもってきたどの口が言ってんだ!

あれで手加減してたつもり?ふざけるなっての。

そもそも俺だって出世したいなんて言ってないのに勝手にやりやがる!


魔法師団は統括する師団長と副師団長の下で各部隊が横並びの構成になっている。

戦闘、治癒、防御といった戦闘関係の部署、土木や建築といった公共工事の手伝いをする部署、一般市民向けに生活魔法を布教していく民生部署、魔法の開発を行う研究所。


「王国を代表するお主がなんだかわからん職位では恰好がつかぬ。お主はキルリス師団長直下で研究所の全部署を統括する立場で問題あるまい?」


いつのまにかキャサリンが俺の部下になっちまった。

戻ったら俺と立場変わってもらうか?いやいやキャサリンが研究所を離れるわけがない。


「さてもう一人の補佐だが。悩んでおったがお主と話して腹が決まったわ」


「??」


今日の会話で決まったらしいけど、ぶっそうなこと言わないで欲しい。

俺と王様がナニ話したってんだ。スネてるって話じゃないよな?


「おいでシャルロット」


現れて淑女の礼をしたのは第二王女のシャルロット。


「シャルロット!王女さま!?」


口元だけで微笑むアルカイック・スマイルでご挨拶いただいた王女様。よく見ると目が興味ランランに輝きまくりで王女スマイルがデキテネーゾ。


「不慣れなのでよろしくお願いしますね?ユーリ副師団長?」



第200話お届けしますキリ番です

掲載開始からちょうど8か月あっという間でした

始まったのが春なのにもう年が暮れますもの

みなさんのおかげです(^_^)


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