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洗い流したマイナス

作者: 藤乃花

深夜のゲームテストプレイの仕事を始めて約半年になるだろうか。


シンは心も体もすっかり疲れきっていた。


ゲームテストプレイとは、プレイ中にバグが起きないかを確かめる仕事だ。


(深夜の方が時給が高いから飛び付いたはいいが、コレは結構……キツいな)


確かに振り込まれる給料は文句なしに高収入だが、その分ストレスが溜まる。


一勤務のプレイ時間は七時間、それが週に六日でまわされているわけだ。


この日の勤務は終了して、帰宅時間は午前六時を過ぎている。


(目が疲れた……コンビニ寄って、早く帰るか)


「お疲れさまです」


「お疲れさまでした!

次回の出勤は、明後日ですね!

また宜しくお願いしますね!」


「はい、宜しくお願いします」


(オーナーはいつもテンション高いな。

双子シャッフル疑惑、湧いてくるな……)


オーナーの常にハイなテンションに対して、スタッフ達の間では彼に替え玉用の双子がいるのかと噂になるくらいだ。


(俺に双子がいたら、入れ替わりでプレイ出来るのにな……ま、犯罪になるからしないけど)


てな事を考え、コンビニで買ったおにぎり、ハムサンド、チョコレート、飲料水を自室に置いて、シンの足は浴室へと向かう。


(朝からシャワーなんて、贅沢がられるだろうな。

他の奴らは、今が出勤時間だからな……)


ゲームをプレイするのが好きで面接を受けたが、実際仕事を始めれば辛い事が日常茶飯事だ。


(プレイ中に寝落ちなんて、もうマジでヤバい……。

でもこの不景気、しかもコロナの影響があって他に仕事なんて無い……)


嫌な出来事を熱いシャワーで洗い流して、深い深呼吸を落とした。


その日のマイナスな汚れを洗い流した後、浴槽へと一気に体を沈めた。

(次の勤務まで、好きに過ごそう……)


浴室を出たら朝食を食べて、レトロゲームをプレイするつもりだ。






勤務用のゲームと、遊び用のゲームでは、気持ちの立ち上げ方が違います。

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