悪役令嬢のアイリーンに転生したみたいです……(2話)
☆2人の聖女が繋ぐ物語☆
〜第2話〜
(この話は、悪役令嬢のアイリーン·アダン、または、杉並桜の視点です)
私は、昔から虐められていました。
それに習い事もしても人の出来る事が出来なくて良く無能と呼ばれていました。
両親からも愛された記憶もありませんでした。
「お、おはようございます……」
私は、教室に入るとクラスメート達に朝の挨拶をしました。
「「「「…………」」」」
クラスメート達は、私の挨拶を聞いて軽蔑する様な表情で私を見つめました。
私は、やっぱりって思いました。
無能でブスな嫌われている者の私には、仕方がないって思いました。
授業を準備をする為に机から教科書とノートと筆記具の筆箱を出そうとしました。
でもノートがありませんでした。
私は、良く物を取られます。
それが悲しくなりました。
それから筆箱を開けるとお気に入りの消しゴムが無くなっていました。
宝物だったのに無くなっているが悲しくて泣きたくなりました。
家に帰ると家庭教師の先生の授業を受ける事になりました。
「まったく桜様は、こんな問題に時間を掛けすぎです。
従姉妹の花様でしたらこんな問題は、直ぐに解けますよ」
家庭教師の先生は、軽蔑した様に深くため息を吐きました。
「うぅ……
す、すいません……」
私は、家庭教師の先生の期待に答えられなくて辛そうに俯きました。
私は、次の日、花さんに会う為に花さんの通っている学校に行きました。
「花さんは、何処でしょうか……?」
私は、校門から花さんを探しました。
しばらくするとこの世の者と思えないほどの可愛らしい天使みたいな女の子を見掛けました。
直ぐにその女の子が花さんだと解りました。
「なんて可愛らしい天使みたいな女の子でしょうか……
ブサイクの私とは、大違いです……
それにあんなに可愛らしい女の子と恋人になれる人は、幸せだと思います……
ブサイクの私が花さんの恋人になりたいだなんて厚かましいですよね……」
私は、恋する乙女の様に顔を赤らめてうっとりと花さんを見つめました。
花さんが見えなくなってから自分の屋敷に向かいました。
「家庭教師の先生が花さんを特別にする気持ちが解ります……
あんなに可愛らしくて私よりも優秀な生徒が可愛らしくない訳がありませんよね……
私なんか生きている意味があるのでしょうか……?」
私は、屋敷に戻りながら花さんと比べて無能な自分に落ち込みました。
「わーー……
可愛らしい仔犬です……
はっ!?
危ないです!?」
私は、屋敷に戻る途中で仔犬を見掛けました。
仔犬が可愛らしくてうっとりと見つめました。
でも暴走車が仔犬に向かって行くのに気が付きました。
だから仔犬を抱き締めて庇いました。
そのまま車にふっ飛ばされました。
地面に倒れました。
私が抱き締めていた仔犬が私の顔を舐めました。
私は、最後に仔犬を助ける事が出来て良かったって思いました。
そのまま意識を失いました。
「う、う……ん……
あれ、何故私は、生きているのですか……?
確か車にふっ飛ばされて死んだはずですよね……?」
私は、気が付くと知らないベッドの上でした。
だから状況を確かめる為に手で頭を触りました。
「アイリーン様、気が付かれたのですね!?
良かったです!?
高熱で1週間寝込まれていたのですよ!?」
近くにいたメイドさんは、私に気が付いて慌てて私に近づきました。
「あ、あの、アイリーンって私の事ですか……?」
私は、私の事をアイリーンって呼ばれて戸惑いながらメイドさんを見つめました。
「あ、あの、アイリーン様がアイリーン·アダン様でないと誰なのですか……?
まさかアイリーン様の専属メイドのマルタ·アンドレの私の事も忘れたのですか!?」
マルタさんは、涙目で私の肩を触りました。
「ご、ごめんなさい、少しだけ記憶が混乱しているみたいです……
少しだけ休めば思い出すと思います……」
私は、頭を下げてマルタさんに謝りました。
「そ、そうですか……
解りました。
今は、ゆっくりと休んでください」
マルタさんは、頭を軽く下げて部屋から出ていきました。
「でもアイリーン·アダンって何処かで聞いたことがあります……
それにメイドのマルタ·アンドレも何処かで聞いた事があります……
これが今の私の姿なのですね……
…………
……
…
この黒髪のロングヘアー……
アイリーン·アダン……
メイドのマルタ·アンドレ……
ってもしかして乙女ゲームのジェノサイドラブフォーエバーの悪役令嬢のアイリーン·アダンに転生したのですか!?
確か悪役令嬢のアイリーン·アダンは、死亡フラグが満載の破滅フラグばかりでしたよね!?
ていうかこの乙女ゲームのキャラクターって死亡フラグが満載でしたよね!?
で、でも無能の私にピッタリかも知れませんね……
今度こそ誰にも迷惑をかけない様にひっそり過ごしましょう……」
私は、軽く両手を前で握り締めてひっそりと過ごす意気込みを表しました。
〜つづく〜