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掌編小説  作者: 唯野
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三題噺 ジャケット 雨上がりの水溜  トランプ

その落とし物を拾ったのは土砂降りの雨が降った後の午後夕方ごろだった。

「なぁ、あそこの水溜になんか落ちてないか?」


最初に気づいたのは健太だった。


「うん?あぁ、ホントだ健太お前見て来いよ」


「ええ?まぁ良いけどさ」


友人に促され、近づき見てみるとソレは何とも趣味の悪いトランプ柄のジャケットだった。


「うえぇ、悪趣みぃ、派手過ぎんだろ、これ」


「まぁ人それぞれ趣味は違うだろ。ほれ交番行くぞ」


「マジ?あっ、ちょっと」


有無を言わさず歩き出した健太は真っ直ぐ交番を目指した。道中で奇異な目線を感じながらも目的地にたどり着く。




「「ちわーっす」」


二人そろって挨拶しながら入ると、そこには恰幅の良い糸目の警官がいた。


「どうしたんだ、学生君たち?今は下校時間だろ?」


「まぁそうなんですが、これをその途中で拾いまして、届けにきたんです」


そう言ってジャケットを見せると、警官は驚いたのか細かった目を少し開いて衣服を眺めた後、奥からハンガーを取り出して近くに掛けた。


「ふむ、まぁ人にはいろんな趣味があるからね。これはこちらで預かるってことで良いのかな?良いのなら、身分証として、学生証を見せてくれる?」


素直に学生証見せた後二人は家に帰宅した。


翌日学校に行くと、クラスで一番可愛い女の子──サクラが健太に話しかけてきた。


「健太君、昨日はありがとうね」


「……サクラさん?僕何かしましたっけ?」


「うん!昨日大急ぎで帰っていた時に大切なジャケットを落としちゃったんだ。それで探しに行ったんだけど中々なくて、ダメもとで交番に行ってみたんだけど」


そこまで言って止まった彼女は更に近づいてきて。


「あの、ありがとう。でも、あの柄の事は内緒にしてね?」


その笑顔を見れただけで健太は嬉しかった。が、人の趣味に口出しはしないとこの笑顔に誓う健太であった。

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