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掌編小説  作者: 唯野
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三題噺 レモン 目をそらす 高層マンション

次の日曜日に俺とプールに行かないか?」


「えっ!?」


突然の誘いに驚くレモンは、食べかけの唐揚げを床にとした。


誘って気たのは幼馴染のアルトだ、親同士の仲が良いというだけだが、なんだかんだと長い付き合いだが、女として見られたのは今回が初めてで戸惑ったレモン。


好物を落とす以上の驚きに固まっていると、アルトは落ちた唐揚げを拾いつつ「大丈夫?」と聞く。


「え…………えぇ、わかったわ次の日曜日ね」


「そっか、よろしくね」


その日の授業は右から左に流れていったレモンであった、家についても落ち着かなかった。お風呂もゆっかりと浸かれないままに脱衣所に出ると、視界端に体重計が目に入った。


「体重、……増えてるかな?」


そろりと、足を延ばしてその板に乗る。普段から目をそらしてきた現実が無残にも表示される。


「……やっぱり」


レモンは幼いころから食べることが好きだ、だがせいで誰かと付き合う事や、異性を好きになることはなかった。が今回の誘いはそんなレモンの中にあった女を刺激してしまった。


「ヨシッ!やるかっ!!」


気合を入れたレモンは次の日から、エレベーターを使わずに階段を使う様になり、食事も徐々に落としていく、その甲斐あって体重はみるみる落ちていき。


プールデート当日、見違える程に痩せたレモンの姿があった。新しくした水着に見惚れるアルトは落ち付かない様子で可愛かった。


「楽しかったよ、アルトまた行こうね」


「あぁ、こっちこそありがと、今日は可愛かった」


自分から言ったくせに照れるアルトはレモンから目をそらした、その瞬間にレモンはアルトに近づきそっと唇を奪った。


しかし、甘酸っぱいレモンの唇からアルトは目が離せなくなっていた。


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