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87話 おもちゃのチャチャチャ②


──そういえば目目連はちゃんと機能するのか?


ブサカワモンスターと言えどモンスターだ。

どんな手を使うのかも分からないし、見た目イコール強さではない。


情報や弱点がわかるのらばそれに越したことはない。


確認の意も込めて、目目連を念じてみると、


【ランタンLv58】

・弱点 魔法全般

・特性 かなり臆病で隠れたり逃げたりもするが、敵に見つかると無鉄砲に突っ込んでくる。魔法耐性が低く、HPも低いので魔法で対処すると楽に切り抜けられる。手斧には麻痺毒が塗られてあるので注意。稀にかぼちゃに擬態している個体もいる。

・スキル 斬撃強化Lv5 速度上昇Lv5


どうやら現実世界同様に目目連は機能したようだ。

一体この特殊なスキルをどう再現しているのか気になる所ではあるが、考えた所で答えは出ないのでやめた。


「キィ!キィ!」


ランタンは初撃が躱された事が気に食わないのか、奇声を上げてぴょんぴょん跳ねている。

二三回跳ねると、やたらめったらと手斧を振り回しながら突進してきた。


・主人公コイツを生かしてやってくれよ……!

・観賞用で飼いたいwww


「一応モンスターだから倒しますよ……」


手斧を振り回しながら跳躍し突っ込んでくるランタンを軽く躱すと、着地に失敗しズザァッと頭から地面にダイブした。


「キィィィ!」


その場でジタバタと暴れ、怒っているのか奇声をあげている。


・ばかすぎてかわいいwww

・ゆるキャラやんこんなん……


視聴者の言うこともわかるが、倒さなければ予選落ちしてしまう。


「迅雷」


響は無防備なランタンに手をかざし、雷撃を放った。


「キィ……」


その刹那、直撃したランタンはプスプスと黒焦げになりバタバタと暴れたかと思うとやがて動かなくなった。


その様子を見ていた視聴者は、


・鬼畜の所業や……あんさん、これはあかんでぇ

・ああ!!可哀想なかぼちゃ君……頭はシチューにして食べてあげるからね……

・血も涙もない主人公だなwwwwww

・頑張れ主人公! コメ欄に惑わされちゃいけない!

・てか魔法強くねww一撃かよ


などなど相も変わらず好き放題にコメントをしている。

中にはまともな意見もあるが、どの道気にしていたら時間がいくらあっても足りない。


「とりあえず進みますね」


響は面倒臭そうにそう言うと、改めて当たりを見回した。


しかし、先程の部屋と特に大きな変化はなくおもちゃが散らばっているだけだ。


「んー、次行ってみるか」


こんな所で時間を無駄にする訳にもいかず、さっさと向かいの扉を開けようと手をかけるが、


「何だこの窪み。って開かないし……ここになんかはめ込まないと開かない仕組みなのかな?」


扉はロックされていて、押しても引いても開く気配はない。

その代わりと言ってはなんだが、扉の中央には丸い窪みが三つ。


どうやらアイテムを集めてはめ込まないと次に進めないらしい。


・北はボスへの道とみた

・東、西、南でそれぞれ何か集めるみたいだね


視聴者の意見も響と同じようで、やはりアイテム説が濃厚だ。


「そうみたいです。とりあえず西か東に行ってみますね」


それから最初の部屋に戻り、東の扉を開くと──


「キィィィ!」

「キィ!」

「キキィ!」


部屋自体の作りは変わらないが、おもちゃの数よりも多くのランタンが奇声を上げながら走り回っていた。


「おわっ!? 何だこの部屋!?」


二十以上はいるであろうかぼちゃ頭は、響を見つけるなりものすごい速度でおもちゃに隠れ始めた。


すると一体のランタンが隠れる場所が足りずに、積み木の裏に行こうとして他のランタンに押し出され尻もちをついた。


「キィ!キィィィ!」


それが気に食わなかったのか、その場でクルクルと回り怒っているようにも見える。


「あれ……アイツの頭の上になんか乗ってるぞ」


よく見ると、尻もちをついたランタンのかぼちゃの上には、赤く光る玉のようなものが付いている。


その玉は先程の扉のくぼみと同じようなサイズであり、誰がどう見ても扉を開くためのアイテムである事がわかる。


・さあ主人公、ひと狩りいこうぜ!!!!!!

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