表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/131

48話 秘めた想い


【レベルアップしました】

【称号:ドラゴンキラーを獲得しました】

【ドラゴンキラー:ドラゴン系モンスターとの戦闘の際ステータスが30%アップ】


【功績:志大才華(フロラシオン)を達成しました】

志大才華(フロラシオン):レベルアップ毎に自由に振り分けられるステータスポイントを1獲得】


フラクタスを撃破した事によりレベルが5上がり、更に功績や称号まで手に入れた。

ドラゴンキラーは活用場面がかなり狭いが、その時になれば大きな力になるだろう。


志大才華(フロラシオン)は即効性こそ低いものの、将来性を考えれば響とは抜群に相性がいい内容である。

それに、自由に振り分けられるとなると理想のステータスバランスにすることも出来るという事だ。


しかし今の響にとってレベルアップ含めそれらの事は心底どうでもよかった。

表示された文字を見ようとすらしていない。


ただ、今は少しでも早くミアの元へと行きたかった。

安心し、安心させたいと心から思っていたのだ。


ゆっくりと立ち上がり一歩、また一歩とよろめきながらも歩いていく。


「ミア……終わったよ。全部終わった」

「ん……信じてた……でも、本当に……良かった。おかえり」


ミアはボロボロになった響の手を取り、両手で優しく包み込み微笑んだ。


「うん、ただいま」


響はこの小さな女の子を守れた事が、たまらなく嬉しかった。

この温もりが愛おしい。


少し甘ったるい匂いが好きだ。


出会って間もない二人だが、連結ダンジョンという地獄を乗り越え、確かな絆が生まれた。

そしてどうやら、響には別の感情も生まれているみたいだ。


「帰ろうか、ミア」


そう言って背を向け、しゃがみ込んだ。

ミアは何も言わず響に身体を預け、首に手を回した。


少し顔が赤くなっているのはきっと気の所為ではないだろう。


ボスであるフラクタスを倒した事により、少し離れた地点にゲートが現れた。

響はミアをおんぶしながらゆっくりとゲートへと向かっていく。

その途中、寂しそうに転がる白光を発見し回収した。


ふと、ミアがぎゅぅっと首に回す手に力を入れ、照れくさそうに、


「……守って、くれて……ありがとう……」

「俺の方こそ、いっぱい助けて貰ったよ。ミアが居なかったら勝てなかった。だから、ありがとうミア」

「ん……響、ミア……提案が、ある……」

「奇遇だな。俺もミアに提案があったんだ」

「……なに……?」

「ええ、順番的にミアからじゃ……痛い痛い、叩くなよ。あー……その、なんだ」

「……早く、言って……」

「こ、これからも一緒にダンジョンに行こう。俺達ならどんな相手だって大丈夫だと思うんだ」

──ダメだ。恥ずかしすぎて好きだなんて言えない!!!


「……」

「……あれ? 聞いてる?」

「……響の……ばか……」

「うわっ! ちょ、暴れるな!ポカポカするなって!」

「……知らない……ばか響」


ミアは満面の笑みでポカポカと響の頭を叩き続けた。





これにて第一章本編は終了です。 次話の幕間にて1章は完結です。


沢山のブックマークや評価など大変励みになっております。


誤字脱字など至らぬ点も多いですが、これからもお付き合いしてくださると嬉しいです。

一言でも感想やレビューなど頂けると今後の参考になるので「しゃーなし」と思って頂いた方は是非!


ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 単独踏破さん割とすぐ要らない子になっちゃって……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ