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39話 カモン経験値!①


吸血蜘蛛を倒してから少し経つが未だ他のモンスターは見当たらない。

その代わりと言っては何だが、モンスターの骨がそこかしこに落ちていた。


もしかすると吸血蜘蛛に捕食されたモンスター達なのかもしれない。


──まだ敵の気配はないな。今のうちに……ステータス。


【ステータス】

F級覚醒者 佐藤響 Lv87

HP:765MP:180


功績:ジャイアントキリング 単独踏破


力59

防御力51

知能56

速度59

精神力70


スキル

・不屈の精神Lv5

・目目連Lv3

・臨界点Lv8

・弱点特攻Lv4

・ライトニングボルトLv2


レベルも随分あがり100まであと少しだ。

到達した時に何かあるのかは謎だが、当面の目標に近付いていることはいい事だ。


──あと少しか。高望みかもしれないけど、魔法の使えない俺からしたらもう少し攻撃スキルが欲しいな。単純に身体強化とかでもあればかなり違うんだけど……


歩きながらうんうんと考える響をミアは不思議そうに覗き込んだ。


「……なに、考えてるの……? むずかしい、顔……してる」

「ん? ああ、ちょっと考えごとしてた」

「ふーん……?」


そんなやり取りをしながら更に進んでいくと、地面からぴちゃぴちゃと音がした。

水がはっているのだ。水があるということは、モンスターが近くにいてもおかしくはない。


二人は武器を構え、慎重に歩を進めた。


そのうち歩いていくと少し拓けた空間に出た。

壁にはヒカリゴケがビッシリと生えており、視界も良好だ。


空間の奥には更に通路があり、ダンジョンはまだまだ続くようだ。

そしてよく見ると隅っこのほうで何やらモゾモゾと動く青色のモンスター。こちらには全く気付いていない。


「……リザードマン……そんなに、強く……ない……」

「そうなのか? それならラッキーだな」


【リザードマンLv25】

・弱点 火属性 雷属性 斬撃

・特性 打撃耐性有り。水を刃のように飛ばしてくる事がある。また、水場では速度が上昇する。

・スキル 水刃Lv2 水上歩法Lv3 槍術Lv2


リザードマンはDランクダンジョンによく出現するモンスターだ。勿論それよりレベルは高いが、吸血蜘蛛やミノタウロスと比べれば危険度は格段に下がる。


「こっちには気付いてないみたいだし……サンダーボルト」


少しリザードマンに悪い気もしたが、そんな事を言っている場合ではない。

気が付かないリザードマンが悪いのだ。



サンダーボルトが背中に直撃すると、リザードマンは痙攣しながらその場に倒れた。

この期を逃すまいと追撃すべく距離を詰め、心臓の位置を白光で一突き。


「グゲエエエエエ」


断末魔とも呼べる悲痛な叫びは洞窟に響き渡り、己の死を知らしめた。


「……すげえ声だな。鼓膜が破れるかと思った」

「あれは……仲間を呼ぶ……声。だから、油断……しちゃ駄目……!」

「仲間を……?」


──だとしたら、逆にラッキーじゃねぇか? 不意打ちだから強さなんかあんまり分からなかったけど、結構簡単に倒せた。って事はリザードマン先輩は俺の経験値って訳で……


「……響、悪い顔……してる」


どうやら思考が顔に出ていたようだ。

いかんいかんと表情を引き締める。


「そんなことない。断じてない。リザードマンが経験値だなんてこれっぽっちも思ってない──あれなんか、思ってた3倍位多いんですけど……」


そんな事を言っている内に奥の通路からワラワラとリザードマンの集団が姿を現した。


剣を持つ戦士タイプ、槍を持つ槍術士タイプ、弓や杖などバリエーション豊かな集団だ。

軽く20以上はいるだろう。


「こんなもん……じゃない。……早く、倒さないと……大変」


ミアはこれすらも経験済みだと言う。やはりベテラン探索者となると場数が違うのだろうか。


「うわぁ……そういう事なら、さっさと倒さないとな!」


悪い顔をして白光を構えると、水を得た魚のように嬉々として集団に突っ込んで行った。



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