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34話 洞窟の番人①


剥ぎ取ったフォレストウルフの魔石をミアのポーチにしまえたのは響にとっては有難かった。

拳ほどの大きさと言えど、リュックやポケットに入れていると邪魔になってしまうからだ。


それから数匹のフォレストウルフとトレントを倒し進んでいると、ミアの表情が曇っている事に気がついた。


「どうした? 浮かない顔して」

「響……相手が弱いと、思わない……?」

「まあそれは思ってるけど、ボスでもないしこんなもんじゃないのか? 俺あんまりDランクダンジョン来た事ないから正直わかんないんだよね。ミアは、そう感じるのか?」


コクリ、と頷いた。

今まで響がDランクダンジョンに入ったのは数える程度。戦闘らしい戦闘もないので、モンスターの強さがどれ程なのかも実はよくわかっていない。


「いつも……もう少し、手強い。気を、付けて……何か、変……」

「わかった。警戒して進もう」


モンスターが強いならば分かりやすく危険だが、逆に弱いとなるとそれはそれで怪しい。

どの道異変が起きているのなら、警戒するに越したことはない。


しかし、その後特に問題もないまま森林エリアを抜けた2人だった。

そして目の前にはぽっかりと口を開けた洞窟。


「あそこがボス部屋か? ミア、準備はできてるか」

「ん……いつでも、へーき」

「よし、援護は頼んだぞ」


いざ、ボス部屋へ。そう思い洞窟へ入ろうとしたその時だった。


「ミア! 下がれッ」


洞窟の暗闇から巨大な斧が振り下ろされ間一髪で避けたものの、巨大な斧は地面へと大きくめり込み大地に亀裂を残した。


「響……!」


大地を揺らす程の凄まじい衝撃。この一撃を放った主の圧倒的な力の証明。


「ああ、コイツがボスだ」

──でも、そうなるとあの洞窟は一体……? いや、今はボスに集中しよう。楽に勝てる相手じゃなさそうだ。


暗闇からゆっくりと姿を現したのは──


「──ミノタウロス」


漆黒の体毛に身を包み、上半身は筋肉で膨れ上がっている。下半身は動物のソレでありながらも二足でバランスを取っている。

極太の首の上は猛々しい牡牛のようであり、黄ばんで捻れた双角が伸びている。


「なんで……Dランクに……? ミノタウロスは、Cランク(・・・・)……まさか──」

「ブモオオオオオオ!」


ビリビリと肌を指すほどの咆哮。

否が応でも格上(・・)である事を認識してしまう。

ほんの一瞬考え事をしていたミアに狙いを定めたミノタウロス。

頭を下げ角を全面に突き出し大地を強く蹴った。


「ミアッ!」


咄嗟にミアを抱き横っ飛びでなんとか回避。


ミノタウロスは大木に激突したが当たり前のように大木砕け散った。

半端ではないほどの威力だ。直撃すればただでは済まない。


「……ごめん……集中、する」


ミアも一瞬が命取りになると再認識し、臨戦態勢に入る。


──ミアの言う通りならやばいな。Cランクのモンスターなんて戦ったことないぞ。とりあえず情報が欲しい!


【ミノタウロスLv28】

・弱点 魔法攻撃 角

・特性 物理耐性有り。魔法全般に弱い。通常時に角を破壊する事で弱体化することが出来る。また、瀕死時に角を折ると激昂状態に移行しステータスが大幅に上がるので要注意。


目目連により得た情報は非常にありがたいものだった。

魔法攻撃全般が弱点となるならば、ミアが大いに活躍できる。と言うよりも寧ろ生命線だ。

響もサンダーボルトを使えるが、後衛としてミアが攻撃に集中するのとでは訳が違う。


「ミア、角を狙ってくれ! あれを折れば弱体化できる!」

「ん……任せて……!」

「後は……俺がどれだけ通用するかだな」


不思議と負ける気はしなかった。体の底から力が湧き上がるような感覚がする。

功績のジャイアントキリングのおかげだろうか。


格上という曖昧な対象だが、どうやらミノタウロスはそれに該当するらしい。

通用するかどうかは別の話だが、あるのとないのでは生存率、勝率ともに大きく変わってくるだろう。


「ふぅ──かかってこい牛野郎」

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