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15話 レベルアップしました②

新作もはじめました! (F級の投稿も続けます)


良かったら読んでみてください!↓


この身勝手な異世界に復讐を~異世界転移したら失敗作として捨てられた俺が《災厄の魔王》と呼ばれ、復讐を果たすその日まで~

https://ncode.syosetu.com/n2955in/


また、いつも評価やブックマークありがとうございます!

大変励みになっております


「ふぅ……やっとあと1個だ! あれ? なんかこの卵……ほかの卵と違ってちょっと黒い?」


響の言う通り他の卵は真っ白だったのに、最後の1つだけ少しだけ黒ずんでいる。


──どうせ幼体だし関係ないか。


容赦なく長剣を叩きつけ殻を割ると、中には殻とは正反対の真っ白で目が赤いブラックサーペントの幼体がうねうねと動いていた。


「うわ、なんだこいつ。目目連!」


予想外すぎる幼体に反射的に目目連を使い、正体を探る。


【ブラックサーペント希少種 幼体Lv99】

・弱点 全身

・特性 幸運の印。ブラックサーペント希少種。産後1日で進化するためレベルは上限に達している。幼体の戦闘能力はかなり低いが、成体は戦闘能力が高く極めて危険。


「産後1日で進化とかどうなってんだよ……でも、幼体なら関係ねぇな。俺の糧になってくれ! 南無三ッ」


と、即座に剣を振り下ろすと希少種は真っ二つになり絶命。


【レベルアップしました】

【レベルアップしました】

【レベルアップしました】

【レベルアップしました】

【レベルアップしました】


「うおおおい! なんで急に!? あっ、コイツがレベル99だからか? 幼体の癖してとんでもねぇなこいつ」


視界いっぱいにレベルアップの告知。よく見るとその中に紛れて別の文字も浮かんでいた。


【スキル:臨界点を獲得しました】

【臨界点Lv2:一定レベルで発動】


「なんだこれ、意味わかんねぇな……でもかなりレベルアップしたはず!」


新たなスキルだと言うのに、内容が曖昧でよく分からない。それに、どうやら今すぐ使える類でも無さそうだ。

とりあえず今はそれに構ってる時間はないので、ステータスの確認を優先した。


ゴクリと生唾を飲み込みステータスと脳内で唱える。



【ステータス】


Fランク覚醒者 佐藤響 Lv23

HP:210 MP:30


力16

防御力14

知能15

速度15

精神力20


スキル

・不屈の精神Lv2

・目目連Lv2

・臨界点Lv2


表示されたステータスは今までとは比べ物にならない程のものだった。

武田や我妻に比べればまだまだだが、E級程度のステータスにはなったはずだ。


「おお!! 強くなってる!! これなら多少はやれるな」


当初の軟弱極まるステータスでは、全力で攻撃したとしてもビクともしなかっただろう。だがそれが多少なり強化された今、ほんの少しくらいはダメージになるかもしれない。


──最終的にはアイツを倒さないといけない。それにはブラックサーペントの討伐は必須だ! 絶対失敗は出来ない。


響は高鳴る気持ちを抑え、冷静に我妻の戦いを観察した。

その端で武田が他の探索者を避難させ、何かを受け取りそれを握りしめた。


「くふふ、思ったよりも粘りましたがこの蛇もそろそろ終わりですかねェ」


ブラックサーペントの顔面を斬りつける。

紫色の体液が飛び散った。

よく見ればブラックサーペントの身体は多くの刀傷があり、動きも鈍い。つまりは満身創痍なのだ。

あの硬い鱗を短剣で斬り裂くとは、B級探索者は伊達ではなかった。


対する我妻も無傷とは言えない。だがボロボロかと言うとそうでもない。

多少の傷はあるが殆ど直撃はしていないのだろう。

まだまだ余裕があるのか、ニヤリと笑った。


──多分あと1回か2回でブラックサーペントは死ぬ。

「急がねぇと!」


大地を蹴りつけると、まるで羽が生えたかのように身体が軽く感じた。

ステータス上昇による恩恵だ。


「すっげぇ、これが俺!? これならやれるぞ!」


そのままグングンと距離を詰める。

我妻は今にもトドメを刺そうと短剣を振り上げている。

ブラックサーペントにはもう抗う余力もない。

全力で駆け、そして十分な距離に達すると跳躍し、


「弱点は……口か目玉あああああッ!!!!」


己を鼓舞するために叫び、必死に剣を振るう。


ザシュッ。


──浅い!?

「くふふ、横取りとは下品です、ねェッ!」


響の奇策に遅れを取った我妻だったが、短剣を構え恐ろしい速度で迫る。そしてブラックサーペントの顔面に着地したその時だった。


「ぐっ、熱ッ! あああああッ!!!!」

「チッ、面倒ですね……」


ブラックサーペントが小刻みに震えたかと思うと、身体が淡く光だした。それと同時に表面温度が一気に上昇。

我妻は危険と判断し瞬時に離れるが、響は剣を握った手を離そうとはしなかった。


──熱い熱い熱い熱い熱いッ!! くそ、なんだよこれ!


熱に感情が支配される。火あぶりでもされているようだ。

靴は溶け始め、チリチリと体毛が焼けて異臭を放つ。

しかしそれでも響は剣を手放さなかった。


「あぐっ!! くそォ! 負けてたまるか。あと少しなんだ……逃げてたまるかよォッ!」


身体が焼け始めているのをお構い無しで、剣を両手で掴み一気に体重を掛ける。


「おらああああああああァッ!!!!!」


裂帛の気合と共に剣を差し込む。


ズブリ。


嫌な感触だが確かな手応えを感じた。

柄の部分まで深く差し込まれ、ドロリと体液が流れている。

ブラックサーペントは一瞬痙攣し、その場に崩れ落ちた。

響は半ば投げ出されるように地べたへと転がった。


【レベルアップしました】

【レベルアップしました】

【レベルアップしました】

【スキル:弱点特攻を獲得しました】

【弱点特攻Lv1:弱点部位攻撃時に与えるダメージが35%上昇】

【功績:ジャイアントキリングを達成しました】

【ジャイアントキリング:格上との戦闘時全ステータスが20%上昇】


目の前にはブラックサーペントを討伐した恩恵がずらり。


「がはッ! う、うぅ……痛ってぇ。でも、成果はあった」


目目連がどこまで見通していたかは定かではない。

だがその通りスキルを獲得し、功績まで達成した。

そしてそれらは、遙か格上のB級探索者を相手取るのに最適な内容。


──すげえ、本当にスキルが手に入った。俺、どんどん強くなってる……!


浮かれそうな自分にハッとして、パンパンと両頬を叩き気を引き締め、


「反撃開始だ」


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