とにかく人間怖い。
不定期更新で続くかもわからない。初めての執筆。
好きなもの詰めてるだけで、行き当たりばったりでプロットも未完成の見切り発車。
でも見られてるって思わないとやる気が続かない病にかかってます。
暖かく見守ってくれたら幸いなのだ。
感想とか(誤字発見とか)していただけだらうれしいのだ。
大人気国内ホラーゲームのなかの一つである本作。
いくつかある広大なマップのうちの一つ、この街の隅っこに私は配置されている。
家は一応侵入可能で、すぐ近くのゾンビの群れをかわせば探索することができる。
家の中も拾えるものがないし、私がドロップするものも、大したうま味がない。
ほとんどのプレイヤーはこの家を見逃すけど、コレクターや周回してる人なんかはたまに侵入してくる。
先日動画サイトに私の観察動画がアップされて知名度が上がったみたい。照れちゃうな。
私の設定。
年は10代前半。黒髪黒目の日本人の少女。
見た目は腐敗や損傷のないゾンビに作られている。
装備している秋物のサロペットとふわふわカーディガンはお気に入りだ。
他のゾンビと違う点。それが私を特殊と認識させるもの。
エネミーじゃなくて、NPC。まずそこがひとつめ。
私は人を襲わない。もちろん倒すことができるけど、逃げるようにプログラムされている。ふたつめ。
家の中の徘徊、これは私の気が向くままに動いていいように設定してもらってる。みっつめ。
プレイヤーに対して、思ったことを言っていいようにプログラムされている。おわり。
今日もご飯食べたり、ラジオいじったり、日記書いてたりお家の中をうろうろしてた。
ふと、姿見が目に入る。私はその前に立つ。
「どうして、こうなっちゃったかなあ」
外のゾンビとかわらない皮膚の色、死者特有の目の濁り。
自分の記憶は設定に過ぎないけど、ここに立つと思い出してしまう。
親、友人に怖がられたこと、殺されかけたこと。
親は信じてくれたけど結局私が寝てる間に逃げちゃった。
「娘が親を殺す苦しみを与えたくない」
それって私を一人にしていい理由?っていうか、ころさないもん。
いつも通りプレイヤーを発見したら組み込まれた行動を起こすだけ。逃げる。
怖い、死にたくない、そんな気持ちは何度繰り返されても消えることはなくて。
そんなある意味日常を過ごしていたら、いつもと違うプレイヤーさんがきた。
プレイヤーさんだー!ってちゃんと認識する前に異常事態が起きた。
いつもは私の視界外でこっそりじーっと私を何時間も観察してくるひとが大半で、視界に入ってこられたときには強い恐怖を感じて逃げるか、それが失敗して攻撃され殺されるかなのに。
なのに拘束されてしまった。プレイヤーさんに。
今までなかったことだ。怖い。何されるんだろう。私はどうなっちゃうんだろう。
そういえばどうしてつかまっちゃったんだろう。
プレイヤーさんは私に右手を突き出してて、それが光って、まぶしくてびっくりしてる間にぼんやり赤く発光してる縄みたいなのでぐるぐるにされてしまった。
手段はどうでもいい。そうじゃなくて。
この場所は物語にぜんぜん関与してなくて、探索しても全くうま味がないし、侵入してくること自体が珍しいことなのに。
これがみんなが言うアプデってやつ?だって私を傷つけないまま行動不能にさせられたのは今までにない。
余計こわい。どうやってころされるの?ゾンビのおとりにされちゃうのかな。あとは、こわい実験とか。
「こ、ろさないで、逃して」
どうにか振り絞って震える声でお願いした。
でもこの赤い縄は緩まないし、プレイヤーさんも逃がしてくれそうにない。
やだ。やだ。
震える私を見かねてか、プレイヤーさんが口を開いた。
「すまないが、君をここから連れ出させてもらう。身柄の保証は手厚くしているので安心してほしい。」
場違いだけど、とても透き通った男性の声だなって思ってしまった。
プレイヤーさんってしゃべるとこんな声してたんだ。
でも、なんて言った?
つれだす。連れ出す。
外にはゾンビがいるのに。動けない、おとりにされるんだ。やだ。やめて。しにたくない。
「ひぃああ、外やらっやめてぇ!!あああ!」
錯乱した私はどうにか縄からぬけようとしていた隙に、プレイヤーさんはなにか唱えた。
「テレポルタード」
私は視界がぐにゃりとなったと認識した時には、大勢の大人たちに囲まれていた。
にんげん、いっぱい。
恐怖とかパニックなんかは超えてしまって、私は意識を遮断した。
魔法はエスペラント語を使用したいとおもいます。なんかかっこいいし。