状況把握って、めんどくさい
まぶたが重い、身体か動かない。
何よりベッドが硬いから、節々が痛い。
あれ?
私、さっき刺された?
え?でも刺された所、痛くない…
え?
え?夢?
確認する為、重いまぶたを押し上げると、最初に見えたのは大きな樹木。大人10人でも回りを囲えない位の大樹が真上に見える。その大きな樹の根元に仰向けに寝ていた。何が白い服を掛け布団にしている。
ここどこ?
森?
回りをよく観察するのに、起き上がろうとしても、腕にも上半身にも力が入らない。というか、指一本すら動かない。
また、発熱してるのか、頭がボーとするし、喉がカラカラ過ぎて、声すらまともに出ない…。
これ、明らかに病院ではないよね?
こんな前衛的な病院知らないしな。
どうしょう?
うーん…
まあ、いっか。
考えても仕方ないし、取り敢えず刺されたけど生きてるみたいだから、もう一回寝よう!
起きたら考えてもいいでしょう。
発熱と全身の倦怠感で現実逃避を決め込んで、再び夢の中に落ちて行った。
もはや、何が夢で、何が現実なのか、わからないのに、持ち前のズボラさが最大限に発揮されてしまった。
っていうか、かけてある白いコートに付いた血飛沫も、周りの大量の血の海もなんとなく視界に入れたはずなのに、都合の悪い部分は見なかったことにしたようだ。
気にならないところか、その状況で寝れる図太さは、無意識とはいえ、さすがとしか言い様が無い。