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(従姉妹の)婚約破棄までの回想・2

毎日更新!

と言いたいところですが、難しいです。

とりあえず明日の更新は難しそうなので、土曜日か日曜日に必ず更新したいです。

バカ王太子ことニルク殿下は、小さな頃からバカだった。小さな頃は、それでもまだ可愛かったんだけどね。どれくらいバカだったのか、少し聞いていってくれないか?


先ず、5歳の時。殿下とラティと私は、殿下の誕生日祝い兼婚約者候補探しのお茶会で出会った。まぁ私とラティが出会ったのはその前だが、その辺の話は先送りにしよう。先ずは殿下との話が先さ。

このお茶会で、一目惚れをしたんだ。誰が? 殿下さ。殿下はラティに一目惚れしたんだ。5歳のラティはまるで天使のようだった。嘘じゃないよ。銀色の髪は陽の光を浴びて美しく輝き、薄いグリーンの目でにっこり笑うと儚げでね。

消えてしまいそうな雰囲気で、殿下はうっかりその姿に一目惚れ。


でもねぇ、外見はソレだが、ラティの性格は活発……というか、ぶっちゃけた話、竹を割ったようなキッパリした性格なんだ。嫌いなものは、どっち付かずの日和見と、筋を通さないアホ。5歳にしてその性格なんだ。筋金入りってやつだね。

殿下は、ラティの見た目に騙されたタイプなんだ。……で。その外見でラティを婚約者候補筆頭に付けたんだ。もちろん、ラティはニルク殿下にだって、その性格を隠してなどいなかったよ? 殿下の目が腐っていただけで。


殿下はねぇ、5歳にして既に、見たいモノしか見ず、聞きたいコトしか聞かない、そんな都合の良い性格になりつつ有った。

ほら、もう、おバカな性格の片鱗が見えて来ただろう?

そう。この話を聞いている貴方が考えている通り、殿下はラティの見た目だけで判断して、その性格を全く見なかった。それどころか、ラティのその性格を否定したのさ。


曰く。

君がそんな事を言うはずはない。

君がそんな事を行うはずはない。

君が僕に対してアレコレと指摘などするわけがない。

君は僕をそのまま受け入れてくれるはずだ。

……というような事を5歳児なりの表現で、ラティを貶めた。ラティを見ないという事は、ラティを貶めているのと同じだからね。

こんな殿下をラティが好きになると思うかい? 無論、嫌ったよ。だけど、嫌いというのもある意味、相手に興味がある証拠。ラティはニルク殿下を嫌いつつも、少しでもまともになるように、殿下を諫める事を辞めなかった。


そんなラティの苦労を国王陛下と王妃殿下は気付いていてね。ラティならば、ニルク殿下をまともにしてくれるはずだ、と期待して、7歳の時に、2人は正式に婚約した。本当はガサルク公爵もラティも断りたかったんだ。……断れるものならね。相手が王家だから断れるわけがない。それから10年間。

ラティは、王太子妃教育の傍ら、ニルク殿下の矯正も頑張ってたよ。そりゃあもう、従姉妹の私でさえ、何度ラティに嫌だ、と逃げていい。婚約など破棄してしまえ! と言ったことか分からない程。


それくらいラティは頑張っていた。


ラティから婚約破棄なんて出来ない。


その一点だけでラティは死に物狂いで頑張っていたよ。

だけど、あのバカ王太子は全く分かってなかったんだ。ラティの苦労を。

王太子妃という事は後々王妃だからね。自国の事だけじゃなく、他国の事も知らないなんて許されない。我がライネルヴァ王国だけじゃなくて、オキュワ帝国やフレーティア王国などの歴史や文化に言語等、様々に覚えていく。

そういうの、本当はニルク殿下も勉強しなくちゃいけないのに、10歳まで遊びほうけていて、全くやっていない。勉強時間、見事に家庭教師を煙に巻いて脱走していたそうだからね。ラティだけが勉強をしていたそうだよ。こういうのもやらかしの一つだね。


そうして10歳になったら、プレデビュタントが行われてね。そこで、バカは自分が女の子達にチヤホヤされる快感を見つけてしまったのさ。そりゃあそうだろう。腐っても王太子だし、このバカの見た目は、金髪に晴れた空のような青い目で、しかも整った顔立ち。女の子達が放って置くわけがない。

という事で、今度は婚約者がいながら、女の子にチヤホヤされて鼻の下を伸ばす、というやらかしだ。


ね? 随分とやらかすバカ王太子だろう?

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