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(従姉妹の)婚約破棄までの回想・1

「ち……父上になど、話さんでも了承頂けるに決まっているだろう!」


……あーあ。ニルク殿下、また自分の評価を下げちゃってる。


さて、こんなアホ王太子と、その真正面で婚約破棄を宣言された私の従姉妹・ラティーナ・ガサルクと、私の話をしようか。その前に、言っておこう。私は、転生者である。何を言っているんだ? 解る。解るよ、その気持ち。私も前世の記憶が蘇った時は、自分の脳みその異常性を考えた。


それが例え5歳の幼児だとしても。


おっと。私の名を名乗ってなかったね?


では、改めて。私の名は愛称をミッツェ。正しくは、ミッツェルカ・ドレイン。こんな語り口調だけど、幸か不幸か伯爵令嬢だよ。出来れば、男爵令嬢が良かったね。上位貴族と関わる気は無かったんだ。


現在、18歳で、ラティーナとは同い年だ。学園卒業後に、ラティーナとニルク王太子殿下は結婚する予定だった。その学園での卒業生を祝うためのパーティーで、堂々と浮気相手の伯爵令嬢の腰を抱きながら、婚約破棄を宣言しているニルク王太子殿下が、凄く残念な男に見えるのは何故か。


ちなみに、卒業生を祝うためのパーティーは、卒業式の前日に行われるので、まだ卒業前だ。……多分、ニルク殿下は、それを踏まえてこの場で言っているんだろうけど。


バカだ。としか言えない。


そして、国王陛下の了承を得ていない事に、少し沈黙したラティーナは、さて何を考えたのだろう。まぁ多分、なんで国王陛下の了承を得ておかないのよ、この役立たずのバカ! というところだろう。我が従姉妹殿は、見た目の優しげな顔立ちに似合わず、性格がキツい。


そして、彼女は婚約破棄をしたがっていたので、この状況を喜んでいる。ウキウキしている事に私以外は気づいてないだろうけど。だから国王陛下に許可を貰っておきなさいよ! と思っているだろう事はちゃんと分かってる。


「殿下。恐れながら陛下からの許可をきちんと頂いてから、もう一度仰って頂いてもよろしいでしょうか」


……さすが我が従姉妹殿。婚約破棄のダメ出しの上にやり直しを要求するとは。うん。私、ラティのそんなところが本当に好きだわ。そして、ニルク殿下、目を白黒させているけど、もう無理だからね。こうなったラティは止められないよ? だから、私に視線を寄越して助けを求めて来ないでね? やらかしたのは、自分の責任。自分で後始末をつけなよ。


それに。現在進行形で、アンタやらかし中だよ? その腕の中に囲ったぶりっこ女が居るのに、私に助けを求める視線を寄越しても、私は興醒めだからね?


「さぁ。殿下。陛下からの許可を直ぐ得て下さいませ」


我が従姉妹殿は輝かしいばかりの笑みを浮かべて、せっついている。

殿下が口を開閉してアタフタしているけど、もうここまでやらかしたんだから、仕方ないよねぇ。私は一つ溜め息を吐き出すと、ラティを背に庇ってニルク殿下に申し立てた。


「殿下。恐れながら、このような大勢の人々の前で婚約破棄を突き付けた以上、陛下の耳に入るのも時間の問題でございましょう。ご自分から陛下にお話されるのと、他から陛下の耳に入るのとでは、印象が違う、と愚考致します。さぁ、そちらの……愛する女性とやらでしたね……愛するアンジュリー伯爵令嬢と共に国王陛下に許可を頂きに上がって下さい」


ニルク殿下は、私の申し立てに渋々といった態でアンジュリー伯爵令嬢と共に引き下がった。私の助けが無い事を理解したか?


さて。あのバカ王子。とうとう人生最大のバカをやらかしたなぁ。たっぷり国王陛下にお灸を据えられるといいよ。そして、その後は嘆き悲しむのがいいさ。

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