第八十一話 アクティブスキル
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これも皆さまからのご愛顧の賜物です。
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
「「「「「新スキルアンロック……?」」」」」
秋彦達が真っ先に食いついたのはそっちだった。
スキルは今でさえ、重要な部分にある。直感的に危険を察知したり、持ったこともなかった武器を自在に振るえる様になったり、魔法の扱いを向上させたりと恩恵は計り知れない。
それがさらに多くのスキルを習得できるようになるとは、自身たちのできる事の幅がさらに広がり、これから中級に挑む際にかなりの手助けになることは明白だ。興味が出るのも当然と言える。
「うむ、これからは武器や防具などはダンジョンにある物よりも生産スキルを持った人々が作り上げた物を使った方がいいだろう。上手くいけば名のある魔剣や魔法の武器よりも強い物が生まれる可能性があるからね」
「えっと、つまり……生産スキルって言うのは武器や防具などを作成するためのスキルって言う事ですか?」
「いやいや、勿論それだけではない。消耗品や、レベルが上がれば一部の素材をも作る事が出来るようになるよ!」
消耗品で例を挙げるとポーション類だ。【調合】スキルを習得することで使えるようになるらしい。だが、これらも魔法による道具や装備を作ろうと思ったら、【レシピ集】と呼ばれる本が必要になるらしい。
「いくらモノづくりの達人であっても、レシピもなしに作れるほど甘くはない。今後はダンジョンに落ちるようになるから、よーく探してみ給え」
レシピ本があれば、スキルが無くても一応物は作れるようになるようだが、スキルのある人と質を比べれば当然落ちる。何度も作ることでDP消費なしでスキルを習得も出来るかもしれないので、持っておくに越したことはないらしい。
なお、素材アイテムで入手できるのは【布】と【糸】と言った素材。これらも今後増える可能性があるらしい。
「これらも、その一部ってことか?」
秋彦は二階層目のボスを撃破したことで手に入れた素材を見せる。
「うむ、その通りだ。しかし第二階層の宝箱にはそれぞれ二つの種類の素材アイテムが入っているのだが、なかなか引きがいい。布に鉱物とは」
「でよ、もっと気になるのはこの【アクティブ】って項目なんだが、こりゃなんだ?」
「では、せっかくDPを手に入れたのだ。DPショップの、スキル習得を開いてみ給え」
言われるがままにDPショップのスキル習得を見てみると、カテゴリー分けがしてあった。今まで乱雑にスキルが適当に並べてあって見にくかったのに。
そしてカテゴリーの中に【アクティブ】があるので見てみる。ほとんどの表示が【???】となっている中で、いくつか言葉になっている物がある。
「これがアクティブスキルって奴か?」
「そうだね。今まで習得してきたスキルは、そのほとんどが【パッシブ】という常時発動型のスキルだったが、このアクティブというのは自分がやろうと思って行う事で発動する、ゲームで言う特技とかのようなものだ。君達も魔物が使用してきて苦戦したものとかあるんじゃないかい?」
そういわれて思い返してみると、例えばゴブリンロードの攻撃指令に代表される指令系の物は、アナライズしたときにアクティブと書いてあったような覚えがある。
成程。ああいうタイプの技の事か。
「ああ、割と覚えがある」
「今度は君たちがそれを使い、戦いを有利に進めていくんだ。例えばこれなんておすすめだよ」
そういってライゾンが秋彦のディスプレイを操作し、一つのスキルを選択する。
「なんだこれ【吸収槍】?」
概要を見てみるとこう書いてある。
≪吸収槍(アクティブ)≫
≪槍での攻撃の際に相手に与えたダメージの一部を吸収することで、スタミナや傷を癒し、魔法力を回復させる。習得条件、槍術Lv5、体術Lv5≫
「うむ、槍で戦う君にふさわしい物だろう? 前線での継戦能力が更に高まるよ」
「ふーん……って、ちょ! おま! なんだこりゃ?! 習得10万DP!?」
「「「「はぁー?!!?」」」」
習得するのも悪くないと思ってみていたら、とんでもない量のDPを要求されて思わず大声が出てしまう。
残りのメンバーが集まって秋彦のディスプレイをのぞき込む。
そしてそれが真実であることを知って顔を青くする。
「た、高い、高すぎるわ!」
「暴利もいいとこじゃんこんなの!」
「あり得ねーだろこれ! いくら有用って言ったってどんだけダンジョンの周回させるつもりなんだよ?!」
「……無理、交換できない……」
これにはメンバーも非難轟々だ。
しかしライゾン、やっぱり涼しい顔である。
「まあまあ、確かにこの量のDPを入門で得ようと思ったら途方もないだろう。だが気が付かなかったかね? ダンジョンを駆け抜けろ等のリザルトでもらえるDPが圧倒的に増えていることに」
そういわれてみれば、入門ダンジョンの、ダンジョンを駆け抜けろ、は100DPだったが、今回の、ダンジョンを駆け抜けろ、は5000DPになっていた。五十倍である。
「そう、入門ダンジョンと初級ダンジョンのDP効率を一緒にしてはいけない。10万DPは特に何も考えずに行っても5回もダンジョンに潜れば溜まるのさ。だから安心し給え」
要するに、これらの有用なスキルをゲットするために、初級ダンジョンを踏破しろと言っている訳か。
「成程ね……」
「そうそう、君たちは今潤沢にDPがあるのだから、こういうのもお勧めしちゃうよ」
そういって、ライゾンがさらにディスプレイを操作する。そして、一つのスキルを指し示す。
「【モンスターテイマー】か……」
「……薄々わかるけど、これは?」
「当然! そのままさ! ダンジョンの魔物を仲間にできる!」
≪モンスターテイマー(パッシブ)≫
≪倒したモンスターが、一定確率で蘇生し、自らのしもべとなる。しもべにできる魔物は、自分が止めを刺した魔物、あるいは自らが孵した卵の中から出てきた魔物に限る。しもべが戦って得た経験値の一部は主が手に入れる事が出来る。しもべのレベルは主以上にはならない。所持出来るしもべの数は、主の戦闘力に依存する。習得条件、LV20以上≫
概要を聞いて思わず歓声が沸く。
「おおー! 良いんじゃね? 手が足りないときとか、手伝ってもらったり、留守番してもらったり、いろいろ出来そうだ」
「それもそうだけど、しもべが戦って得た経験値は主が一部貰えるってことは、自分達が戦わなくても強くなれるって事にもなるわ!」
「いいなー、かっこいい魔物をしもべ、いや、仲間にしたいなぁ」
「……ロマンがあるのはいい、強力なスキルであるのもわかる。けど……20万DPとはお高い……」
そう、モンスターテイマーのスキルは習得になんと20万DPもかかる。もちろん、自らの味方を増やし、自分が戦わなくて済んだり、経験値も上前はねられる強力なスキルなのはわかるが、やはりお高い。
「はっはっは、大丈夫だよ。今の君達なら20万や30万はあっという間さ。今のうちにケチケチせずにドドンと使う事を覚えたほうがいい」
「……とりあえずスキルは帰ってから検討する」
「うむ、そうし給え。後他に何か聞きたいことはあるかい?」
「あ、じゃあちょっといいか?」
最後のライゾンへの質問に手をあげたのは秋彦だ。
「うむ、何だい?」
「出会った時から、なんとなく感づいてたし、さっきから今までの口ぶりも相まって、これだけはちょっとどうしても聞いとかなきゃいかんと思ったことがあるんだが……」
「……ふむ、何だね?」
「……この、ダンジョンっていう存在を作ったのは、お前らなのか?」
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