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第六十話 ユニークアイテム

累計PV60万突破、総合評価5500pt突破、評価者数200人突破、ブックマーク数1900件突破しました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「お? おー、本当だ。レベルアップしてる。まあ頑張ったもんな」

「ちょっと秋彦! ひとりで喜んでないで説明してよ! レベルアップって何さ!?」

「だー、分かった分かった。わかったからそんな大声で叫ぶなよモモ」


 大声を出されて思わず耳を塞ぎながら答える秋彦。しかし、その場では優太以外の全員が興味津々といった様子だ。

 ジュディや茜どころか、茜の両親でさえ期待に目が輝いている。


「せっかくだ。次は俺らの持っているそれぞれの道具や武器とかについて触れて行こうぜ。装備の段階になったら話してやる。心配せんでも逃げやしねぇよ」

「うー……分かったよ」


 という訳で次は道具の整理になった。

 と言ってもそれぞれ持っているものと言えば、今まで手に入れていた物が大半であり、せいぜいポーションの量を確認した程度だった。それも、妖精商店でも買えるヒーリングポーションやウィザードポーションといったものだけだった。

 もっとも、これはすべてダンジョンの中で拾ったものなのだが。


「こんなもんか。ヒーリングポーション25個。ウィザードポーション10個。魔石が13個と、敵寄せの笛に魚人のマスク6つと祝福の水差しか。意外と魔法っぽい物ってねーな」

「秋彦。感覚が大分おかしくなってるわよ。魚人のマスクとか祝福の水差しとか十分魔法っぽい代物よ?」

「さあ、これらはチームの共有財産で、魚人のマスクは一つ残しで一人づつ配布、これでアイテム整理は終わりだ! 秋彦、今度こそ教えてくれよ、血染めの衣装の事!」

「モモ、さっきから興奮しすぎだって」

「落ち着いていられないっての! 自分専用の成長する武器、あるいは防具なんて欲しすぎるだろ!」


 まあ気持ちは分かる。秋彦だって、自分が持っていなかったとして、そんなもんあったらぜひ欲しい。


「よしよし、分かった分かった。じゃあまずはこいつを見てみろ」


 そういうと秋彦はダンジョンウォッチのライブラリから、一つの項目を見せる。【ユニーク】と書かれた項目に唯一載っているそれは、血染めの衣装の説明文だ。

【血染めの衣装】

≪ユニークモンスターであるフィールドキメラゴブリンから、自らと殴り合い、大ダメージを負わせた攻撃力を認められ、その血を被ったことで、特殊な魔力を得た衣装。

元は赤い衣装だったが、フィールドキメラゴブリンの力を手に入れたときに青くなった。この衣装にはフィールドキメラゴブリンの魂が宿っており、認めたものが成長する毎に成長し、力を増していく。

今後どのようになるかは装備者の成長次第。肉体力+180魔法力+20 特殊効果:???

 特記事項:ユニークアイテム 使用者制限:南雲秋彦のみ 特殊能力:成長(Lv2)≫


「こ、これは……!」

「……新情報!」

「ちょっと待って、ユニークなんて項目、ライブラリにあった?!」

「特殊効果の部分が???となっているな……これは成長次第で新たな能力を獲得することもあると言う事かね?」

「魂が宿っている……? 成長する……?」


 大混乱だ。茜の両親でさえ一緒になっている。まあ、しばらく待とう。そうでないと話ができない。


………………………………


「落ち着いたか?」

「え、ええ。ごめんなさい。ちょっと取り乱してしまったわ」

「でも、いいなぁ。ユニークアイテム、そういうのもあるんだな!」


 とりあえず落ち着かせるが、桃子はまだ落ち着き切っていない。

 今見せているライブラリの項目は、秋彦のダンジョンウォッチにしかない。それは優太にも確認したし間違いない。

 どうやらユニークアイテムを持っている者にしか追加されず、見ることができない項目らしい。

 そういうアイテムを持っていることに桃子は羨望の念を抱いているようだ。


「で、だ。この衣装がさ。こんな力を得たってのは、間違いなくあのフィールドキメラゴブリンと殴り合って血を被ったからなんだよな」

「……でもそれは結果だけ」

「うむ、その話はこちらの耳にも届いているよ。単純に装備に血をつけてもこの衣装の様にならないのだとか。研究機関も首をひねっているらしい」

「あ、やっぱりそうなんですね。というかお父さん詳しいですね」

「私には伝手があってだね。いろいろ話も聞くのさ」


 予想はしていたが、やはり単純にフィールドキメラゴブリンの血で服を染めてもこの衣装の様にはならないらしい。

 やはりフィールドキメラゴブリンと殴り合ったというところが大きいようだ。


「この≪ユニークモンスターである≫っていう一文だけ切り出してみると、他の魔物じゃ駄目なんでしょうね」

「認められたっていう部分。これは重要そうよね」

「それと、ユニークモンスターであるっていう部分、これも大事っぽいよなぁ」

 

 そういって優太は改めてフィールドキメラゴブリンの説明文を開き見てみる。


≪地上に現れた魔物がダンジョンの生態系外の魔物を喰らい、取り込んだことで生まれた魔物。その見た目、実力に雑魚魔物の面影を感じることはできないだろう。

 ユニークモンスターであり、同じ魔物は二度と出現しない≫


 やはりユニークモンスターであるときは説明文の中にユニークモンスターである旨が記されるらしい。

 今後は相手がユニークモンスターであるかどうかというのもきちんと確認するべきだろう。


「とりあえず、ユニークモンスターに致命傷を与えた奴の装備に血をつければいいのか」

「……そうとは限らないかも?」

「え? 茜、どういう事?」

「……この説明文には、秋彦の何がどう認められたかが明記されている」


 そう言われて改めて説明文を見ると、確かに≪自らと殴り合い、大ダメージを負わせた【攻撃力】を認められ≫と書いてある。もしも、ただ単純に致命傷を与えていればなんでもいいならそんなことをわざわざ書いておくだろうか?

 もしかしたら今回がたまたま攻撃力だっただけで、次のユニークモンスターはもしかしたら違う条件でこちらを認めるのかもしれない。


「な、成程なぁ……よく考えが至るもんだよ」

「……今後はアナライズはもっと重要になる。説明文に気を配ることになるかもしれない」

「そうだねぇ……秋彦、よろしくね」

「おうさ。まあそれ見て使う魔法決めるのは親友たちだけどな。俺は基本殴りに行くだけだし」


 どうやらユニークモンスターであることの見極めと。その上でどうすれば相手に認められるのかなどもきちんと考えて戦うべきであることが判明したようだ。


「ねぇ、次ユニークモンスターとやりあう時はあたしに譲ってよね!」

「あのなぁ。そりゃそういう余裕がある時にしとけよ……」

「そうよモモ。命あっての物種なんだし、何より相手が認める条件があなたの向き不向きに合致するかという問題もあるわ」

「うぐ……そ、そうだよな。そういう問題もあるもんな……」


 なおも興奮しながら話す桃子だが、秋彦とジュディの言葉に撃沈する。

 確かにこの事を知っていても、物理で殴り行くなど、桃子ができるわけがない。認められる条件がたとえ判明したとしてもチームメンバーの向き不向きも加味していかねばいけないだろう。

 これでユニークアイテム、装備の話に一区切りがついた。


「うし、じゃあ今度はスキルとか、まだ分けてない装備とかの話するか」


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は6月21日午前0時予定です。

よろしくお願いします!

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