表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/385

第四十九話 東京ダンジョンのお宝

累計PV43万突破しました!

皆様からのご愛顧、本当にありがとうございます!

 引き続き一階層の探索を続ける5人。

 すると今度は前方から大量の足音が聞こえてきた。見てみると、ハイゴブリンが2匹と8匹のゴブリンが群れになっていた。

 ハイゴブリンは、こちらを視認するとすぐさまプギー! と声を張り上げる。

 すると手下のゴブリンたちは隊列を組み、こちらに向かって突っ込んで来た。


「モモ!」

「はいよ! 『炎よ、我が命にて敵を燃やせ』フレイム!」


 まとめて突っ込んで来たので、モモにフレイムで迎撃させる。

 が、ゴブリン達はLv10の炎魔法を受けてなお止まらず向かってくる。入門ダンジョンのゴブリンなら倒れるくらいの火力だったのだが、これがハイゴブリンの持つスキル、攻撃指令の効果なのか?


「ちぃ! 『力よ!』パワー! 『力よ!』バリアー!」

「これが強化魔法……ありがとう! 前に出るわ!」


 秋彦から防御力を上げる魔法を受け、ジュディは前で盾を構える!

 8匹のゴブリンからの同時攻撃を喰らったが、バリアーの効果で後ずさりはしたもののなんとか耐えきれた。


「きついけど、耐えられるわ!」

「よし!」


 8匹のゴブリンによる波状攻撃とはいえ、レベル15でバリアーをかけたジュディならなんとか耐えられるらしい。


「『炎よ、我が命ににて敵を燃やせ』フレイム!」


 桃子の再度のフレイムで、今度こそ倒しきるゴブリン達。だが安心してはいけない。ハイゴブリンは配下を呼ぶことができるのだ。一度は耐えたが、何度も耐えられる保証はない。

 ゴブリン達が倒れたことでハイゴブリン達への道が開けた。その機を見逃さず一気に距離を詰め、一撃でハイゴブリンを倒しきった。

 戦闘終了だ。


「お疲れ! いや、意外だった。ハイゴブリンの手下のゴブリンが一撃でやられなかったとはな……」

「いやいや! あたしちゃんとやったよ?!」

「分かってるよモモちゃん。秋彦は別に責めてるんじゃないって」

「……攻撃指令」


 そう、攻撃指令だ。

 これから先は相手側も強化や補助を行ってくるのは分かった。前回ハイゴブリンをアナライズしてこういうスキルがあることは分かっていた。だがまさか敵があそこまで強化できるとは思っていなかった。本来一撃で倒せる敵が倒せないどころかこっちに攻撃を仕掛けてきた。

 これは想像以上に衝撃的だった。


「これ、ここの氾濫は絶対に抑えねーと駄目だ。こんなもん一匹でも外に出せねー、冗談抜きで魔物の側が人海戦術とバフ連打でごり押してくるとかシャレになってねーよ」


 全員が赤べこの様に全力で首を縦に振る。

 というより今でさえ、手下のゴブリンが8匹だったからまだましだったようなものだ。これが十数匹とかになっていたら正直敗北も視野に入っていたはずだ。警戒も今以上に慎重にならないといけないだろう。気合いを入れなおさなくてはならない。


………………………………


 その後、しばらくはゴブリンとハイゴブリンという中々厄介な集団の相手をしてレベル上げを行う。最も、作戦を立ててしっかり行動すればなんと言う事はないのだが。

 と言っても作戦は単純明快。先にハイゴブリンを始末するだけだ。簡単に言う物の、ハイゴブリンはゴブリンと一緒にいると、ゴブリン達が邪魔になり、ハイゴブリンのもとに行くのは難しい。

 ここで茜の弓が結構活きてくる。茜の役割としては範囲攻撃で仕留めきれなかった敵の始末だったのだが、単体への物理攻撃、しかも結構強力ということもあり、確殺圏内なのだ。なので速攻で茜の弓矢で落としてしまえば、あとはただの烏合の衆なのだ。

 そうなったらもはやただの掃除にしかならない。ゴブリンやハイゴブリンの死体もマジックバッグの中に数体突っ込みながら先を進む。食えそうにないが、研究者の役に立ってもらうとしよう。

 そして何度目かのハイゴブリンとゴブリンの集団を倒し、部屋を捜索すると、宝箱を発見できた。


「お! 宝箱めっけ!」

「あらあらまあまあ! 初級ダンジョン初めての宝箱ね! これは嬉しいわね!」

「おっほー! テンション上がるな!」

「……ワクワク」


 宝箱はいつ、誰が、何度みてもテンションが上がる物の様だ。


「じゃあ早速中身出してってくれー、俺がアナライズすんぞー」

「「「はーい」」」


 さっそく宝箱を開ける。中は当然の様にマジックバックと同様の仕様になっているらしい。

 それはともかく第一に取り出したのはポーション一式だ。これはチェックで確認したところ、以前手に入れたポーションの一式の様だ。

 そろそろ誰が何をどれだけ持っているかの確認や整理が必要かもしれない。


 次に取り出したのはネックレスに小さいホイッスルが付いたものだ。アナライズするとこう出た。

【敵寄せの笛】

≪笛の音を聞くと近くにいる敵がやってくる。笛を吹いている間は笛を吹いている者に魔物は襲い掛からない≫


「ほっほう……これはいろいろ使い道がありそうだな」

「だねぇ。邪魔な魔物をどかしたり、集めるだけ集めて一網打尽や逃げるって選択肢も取れそうだ」

「面白いわね……次行きましょう」


 次はマイクが出てきた何の変哲もなさそうなマイクだが、まさかダンジョンにある物でそんなものがある訳ないだろう。アナライズをしてみると予感は確信へと変わる

(まじない)歌姫(うたひめ)マイク】

呪歌(まじないうた)を歌う物の為に作られたマイク。マイクのサイズなのでロッドとしての攻撃力は低いが、魔法の威力を高めることができる。通常のマイクの様に、アンプにつなげてマイクとしても使える。肉体力+10魔法力+160≫


「武器かよこれ?!」

「しかも魔法力の上がり幅凄い!」

「あらー……こんなものもあるのね……」

「うわあああ! 頂戴! 頂戴! お願い頂戴!」

「……呪歌ってなに?」


 魔法力の上がり幅に驚き、全員、特に桃子は取り乱していたが、とりあえず出た物の割り振りは後でととりなして、何とか平静を取り戻す。そして次の物を出す。

 次の物は靴だ。完全に真っ黒な運動靴に見える。アナライズをかける。

【サイレントシューズ】

≪履いて歩くと、物音が一切しなくなる靴。隠れて動く時に便利な他、通常の靴に比べて動きやすく身体能力の向上になる。肉体力+70魔法力+10≫


「またいいのが出たな」

「うーん、でもこれは前衛向けだね」

「鎧とは合いそうにないわね……肉体力70はいいんだけど、合う合わないってものがあるから今回は無しかしら」

「あたしもかわいさのかけらもないし、ちょっとね。それよりマイクー」

「……隠れて矢を放つには最適かも?」


 更に物を引っ張り出す。

 鎧だが、妙に布地が多い。ひらひらした部分や緑と白の色合いを見ていると衣装のようにも見える。アナライズ。

【ドレスアーマー】

≪魔法により防御力も高い上、見た目にも華やかな鎧。全身を鉄で覆う鎧よりも防御力が高い。使用者制限:女性のみ。肉体力+180魔法力+20≫


「うおお……すっげぇ」

「あー、これはジュディさん用だね。間違いないよ」

「そうね、これは私が貰うわ。モモ、構わないわよね?」

「うん、あたしにはもっと似合うものが出ると信じる。マイクが貰えれば満足だよ」

「……私は防御より攻撃だから」


 今回の宝箱は次で最後の様だ。ものを引っ張り出すと妙なものが出てきた。

 筒状の物だ。肩に背負うためのひもが付いている。よくわからないがとりあえずアナライズを行う。

【無限えびら】

≪魔力を持つものが装備すると無限に矢が補充されるえびら。矢は肉体力+20相当の矢で固定≫


「おー……アーチャー垂涎の代物だな。てかこれ矢を入れる道具だったのか」

「茜ちゃん用だね」

「弓を使うのは茜しかいないからそうなるわね」

「だなぁ。なんかかわいい衣装でも入ってりゃよかったのに」

「……残りの矢の本数にはいつも頭を悩まされていた。これはありがたい」


 その後、5人はそれぞれ誰がどれを持つかを相談する。

 最終的に靴は秋彦が。

 ドレスアーマーはジュディが。

 マイクは桃子が。

 えびらと笛は茜が持つことになった。

 なお、今回も宝箱はきっちり回収する。そして5人は再び探索を再開する。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は5月22日午前0時予定です。

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] どうやらPTメンバーに関連した装備品が宝箱から入手できる仕様のようですね。 あと宝箱に罠は出てこないのかな。
[気になる点] 優太だけなんも貰えてないのかわいそう。 他はともかくとして笛はあげても良かったんじゃないですか? 茜が2個持つよりずっとマシだと思うんですけど。 面白いです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ