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第四十一話 エレメント

累計PV28万突破、ブックマーク者数1300人突破しました!

皆様の応援を頂き、四半期間ランキングローファンタジー部門にて46位を獲得し、ランキング最高順位を更新しました!

皆様からのご愛顧、本当にありがとうございます!

 放課後になり、学校からそのままダンジョンへ行く。

 二人とも、早く第二階層の敵を見てみたくてしょうがないのだ。ウサギもなかなか美味しかったし、もっとおいしい魔物が現れてくれない物かと期待してしまう。

 三度目となる初級ダンジョンだ。同じダンジョンを未クリア状態で何度も行き来するのは、入門ダンジョンではあまりないのでちょっと新鮮だ。

 いつものように入口の青い靄に触れる。

 いつものよう青い靄が一瞬光輝いた。が、その後が今回はいつもと様子が違う。

 目を開けると辺り一面青い空間にいた。


「……え?! な、なんだここ!?」

「あ、見て秋彦! 道が!」


 言われてまえを見てみると、道が二手に分かれており、その先には白い空間が広がっている。

 何気なく道を見てみると、道の分かれ目に1、2と番号らしき数字が書いてある。


「……この数字は何なんだ?」

「あ、どういう事か分かった。じゃあ先に1の方行ってみよう。僕の予想通りなら見慣れたいつも通りの入り口だと思うよ」


 試しに1と書かれた道の先を行く。白い空間に近づくと、外の様子が見えてきた。成程、いつも自分たちが見ていた林のダンジョンだ。


「うん、いつもの林だ」

「じゃあ、引き返して今度は2の方に行ってみよう」


 今度は2と書かれた道の先の空間を見てみる。外の様子を見ると、前回最後に見たあの森のような林が広がっていた。


「成程。階層を撃破したら、次は速攻で2階層に挑戦できるって事か」

「つまり気軽に帰って来れるって訳だね!」


 これは朗報だ。帰還石さえゲット出来れば、ボス撃破することで気軽に帰ることができる。

 明日のインタビューを前にいい情報の土産が出来た。

 今回は第二階層を見に行くため、2と書かれた通路の白い空間へ進んでいく。

 すると、また閃光が走り、目を開けると前回帰還した場所へ到達していた。


「おー、こりゃ便利だ」

「凄いねこれ。これなら行き帰りが大分楽だ」

「おう、んじゃ、行ってみっか」

「「チェンジ、ドレスアップ!」」


 服を着替えて早々に出発する。

 第二階層の林は、もはや森というべきなほどに薄暗く、木々が密集し、空から光が入ってこない。なのに妙に当たりが見渡せるのは、ところどころ木の一部が光っているからだ。

 よく見ると、それは木に張り付いている苔の様だ。穴倉のタイプのダンジョンでもところどころ苔が光っていたが、これもそういうタイプの代物らしい。


「なんてーか、お化けでも出てきそうな雰囲気だな」

「アンデッドモンスターだと思いたいね。実際にそんなの出てこられても困るし」

「……自分で言ってて怖くなってきたぞ」

「あはは、小さい時にトイレに付き合ってあげたこと覚えてるよー」

「ぬぐぐ、まだいうか。今はもう大丈夫だ……って、来たぞ」


 思い出話に花が咲きかかった所でこの階層初の魔物が現れた。

 しかし、思っていたようなアンデッドモンスターという訳では無い。

 なんというか形容しがたいような見た目だ。少なくともわかるのは生き物ではない。なんというか物っぽい見た目をしている。

 より具体的に言うと、黄色の石の様な何かが、中央の大きな石を中心に黄色に発光しながら、数珠繋ぎになって、くっついたり離れたりを繰り返し、バチバチ音を立てていろいろな形をとっている。


「な、なんだありゃ? って、うわ?!」


 様子をうかがっていたら、向こうが電気を放電してきた。とっさにかわしたが、魔法の詠唱は無し、魔法ではないのだろうか?

 バルカンも魔法言語で詠唱の上で魔法を使っていたが、これはノータイムで電気をぶっ放してきた。

 とにかく、向こうがその気ならやるしかない。


「まあいい、行くぞ!」


 攻撃をされたので、秋彦も容赦なく槍で攻撃する。向こうは攻撃をよけようともしなかったので、中心にある大きい石に思い切り槍を突く!

 ……しかし、突いた石は軽く慣性のまま後ろに飛んだもののすぐに元に戻った。そして秋彦に電撃を食らわせる!


「ああああああああ!!?」


 とっさに後ろに飛んだが、派手に電撃を受けてしまった。電撃が熱を持ってしまったのか、体のあちこちから煙が上がっている。


「秋彦大丈夫?!」

「お、おう。見た目ほどひどくねぇ。それよりあいつ物理攻撃が効かねえ、親友やってくれ!」

「はいよ! 『炎よ!』ファイヤー!」


 次に優太が、ファイヤーを繰り出し、敵を焼き尽くす!

 ……と思ったら、炎の塊は敵を傷つけるどころか素通りしてしまった。そして、二人にまた電撃を放つ。

 優太はマジックシールドを構え、防護壁を展開、電撃を受け切った。


「魔法もダメ?!」

「え、ちょちょちょ、ちょっと待て、そもそもあれなんだ?! 『力よ!』アナライズ!」


 初めて戦闘中に、アナライズを使うことになったが、力によるごり押しではダメなようなので、調べてみる。


名前:サンダーエレメント

レベル15

肉体力:0

魔法力:300

戦闘力:700

スキル

放電:(【モンスタースキル】【アクティブ】自らを構成する魔法属性を放つことで、敵を攻撃する)

エレメント:(【モンスタースキル】【パッシブ】物理攻撃を無効にする。また、自らを構成する魔法属性と対立する属性と、無属性以外の魔法以外の攻撃を無効にする)

浮遊:(【モンスタースキル】【パッシブ】常に浮いている)

分裂:(【モンスタースキル】【パッシブ】自らを構成する魔法属性を受けると、二体に増える)

高まった魔力が属性を得たことで魔物として動くようになったもの。

元が魔力なので、一切の意志を持たず、ふらふらと辺りを動き回っては、敵対するものをやみくもに攻撃するだけの装置のような存在。魔法の電気で構成されているので、詠唱無しで雷を放つことができる。

物理攻撃が通じず、風属性の一部である雷で構成されたこの個体は、風属性と対をなす地属性か、無属性でないと攻撃が通らない。

倒すと風属性の魔石が手に入る。


「そんなのがいるのか! でもラッキー、だったら話は早い! 『力よ!』フォース!」


 さっそく秋彦はフォースの魔法で攻撃を放つ!

 攻撃をよけるそぶりは相変わらずしないが、数珠繋ぎになっているサンダーエレメントの大本である大きい魔石にひびが入った。


「よし、通じた! 止めだ!『力よ!』フォース!」


 もう一度フォースを放つと、サンダーエレメントの大本であろう石が砕けた。

 繋がっていた石もその場に落ち、常に放たれていた小さな電気も消えている。勝ったようだ。


「うおー……何とかなったー」

「エレメント……そういうのもいるんだ!」

「いや、びっくりしたな。こっから先は見た目だけじゃわかんねー敵ってのもいるんだな」


 そういいながら、秋彦はさっそく、エレメントにくっついていた小さな石を拾っていく。チェックで見てみると、やはりこれらは魔石の様だ。


「おっと、これもそこそこ売れるんじゃねーの?」

「そうだね、でもこれからは……秋彦、後ろを見て」

「お? なんだどうした?」


 後ろを振り返ると、すこし遠くで様々な光が見える。

 赤、青、黄色、緑、茶色、白といった具合だ。

 さっきのサンダーエレメントの要領で行けば、赤は炎、青は水、緑は風、茶は地、白は光属性に対応していると推測できる。

 つまりここは……


「全属性のエレメントが発生する階層……?」

「……やばい。親友がカバーしきれねー属性は土と水、あと闇。俺がカバーするには多すぎる」

「……これは仲間集めて、できるなら全属性網羅する様にしないと駄目だね」

「お、おう。ここは一旦引こう。見つかる前に引こう!」


 帰還石を使い、そそくさと退散する二人。

ここからは力押しだけでは通用しない場合もあるようだ。いきなり大量の属性エレメントに囲まれなくてよかった。もし囲まれていたらおそらく死んでいただろう。


 仲間を探す、あるいは仲間に加わる。二人の新たな目標が見つかった。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

まことに勝手ながら、今回より投稿間隔を変更させていただきます。

今まで毎日投稿していましたが、これを最後に3日に一回の投稿とさせていただきます。

次の投稿は4月28日午前0時です。

何卒、ご了承ください。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 初級から対応属性以外無効化とかかなり厳しい
[気になる点] サンダーエレメントについて 分裂:(【モンスタースキル】【パッシブ】自らを構成する魔法属性を受けると、二体に増える) 風属性の一部である雷で構成されたこの個体は、風属性と対をなす地属性…
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