第三十八話 解体
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「えっと、じゃあ解体場に行きまーす」
「うおお……こう言う事もするんだ……」
報告が終わり、活動実績報告書に記入をした次は、魔物素材を手に入れるために、解体場へ行き、解体を行うことにした。
優太が解体場行きを告げるとエミーがどんよりとした表情をした。
「心配せんでも解体は頼むことができるらしいから。当然料金取られるから俺は自分でやった方が安上がりだし、そうするけど」
「私は鶏とか絞めたこともあるし、捌いたこともあるよ」
「あ、あたしも田舎のおばあちゃんから教わった事あります……実際にやった事は無いけど」
安心させるために情報出したら女子陣からまさかのカミングアウト。奏は高校から上京してきていて、実家はどこぞの片田舎とは聞いていたからあまり驚きはないが、言葉までそう言ったことに耐性があるとは驚いた。
「えー、祭はともかく文佳さんもー? なんか意外だなー」
「僕は知識も経験もないから、女子が頼もしいよ」
石崎と真崎もやはりだめなようだ。まあ仕方ないだろう。
「てかなんでアキは出来るの? 田舎暮らししてたわけじゃなさそうだけど?」
「俺はスキルを取得したからだよ」
「やはり話には聞きますが便利ですねスキルって」
「前衛張るなら持っといたほうがいいぞ、戦闘でも急所に攻撃当てやすくなって、うまく相手にダメージ与えられるから。後、魔物学あると相乗効果付くし良いと思う。じゃ、行くか」
「「「「「はーい」」」」」
といっても解体場は、探索者ギルドの地下にあるのでそれほど時間もかからない。
解体場は既に数人使用している先客がいる。こちらは入門ダンジョンからも魔物の解体をするときがあるからだろう。例えばコケダマを肥料に混ぜ込めるように処理をしたり、蟻からは普通の蟻のようにキチンやキトサンが含まれており、きちんと処理をすると、通常の蟻以上に効果があるのだとか。
そういう訳で、解体場は入門ダンジョンで倒した魔物を収入に変えようとする新米たちでそこそこ賑わっていた。
解体場にも発券機があるので、整理券を取ってしばらく待つと自分の持っている番号が呼ばれるので、呼ばれた番号の解体机に向かう。
すると係の人が待っており、簡単な説明が始まった。
「お待たせいたしました。この解体場は、探索者様に一時間千円でスペースの貸し出しをさせていただいております。料金は後払いです。解体に必要な道具はこちらで用意させていただいておりますので、基本的に解体する魔物を持ってきていただければ大丈夫です。また、自分での解体ができないという方は、解体を依頼する形になり、別料金が発生します」
「みたことのない魔物とかの解体料金の相場ってどうなってます?」
「その場合は、魔物学持ちの探索者の意見を元に、適正価格の検討を適宜行わせていただいております」
「買取も?」
「買取は何分、どれにどのような効果があるか等を研究するところから始めなければいけない段階なので、今は研究サンプルを研究機関に売るという形になります。肉などは既存の動物を参考に、キログラムいくらという形になりますね」
「成程、了解です。じゃあもう始めますね」
「分かりました。ごゆっくりどうぞ」
そういって担当者が机の上のタイマーを押してその場を離れる。
「うっし、じゃあ始めるか。親友も手伝ってくれい」
「はーい」
「私とアヤは見学させてもらうね。解体のやり方見せてもらうよ!」
「よろしくお願いいたします!」
「……人がDP使って会得した物を目で見て盗もうってか……お前ら意外と図々しいのな」
「固い事言いっこなしだよアキ」
「ごめんなさい……でもなるべくならDPを節約したいんです」
「……まあわかるけどな。じゃ、イクゾー」
ちなみに男子陣は青い顔をしながら無言で突っ立ってた。気をしっかり持て。きついのはここからだぞ。
………………………………
「ちょっとガンガン持ってきすぎたな……」
「結構時間かかったねー」
「とりあえず肉はちょっと食べてみようかなって思うけど、ホーンラビットのこの角の部分とブレードラビットの耳は武器にもなったりもするから売れると思うから取っておいたとはいえ、結構手間なうえに力仕事だからくたびれたぜ……」
「にしてもゴメンね、皆手伝ってもらっちゃって」
「いいってことよ、いい経験になったしね!」
「……解体術ってすごいんですね……」
死体そのままを売る分もあるとはいえ、結構後先考えずに持ってきすぎた。ウサギ系の魔物は一匹が食用ウサギ並みにデカい。一匹2.5キロもある。今回はそれを40匹解体した。
報酬としてウサギ肉を渡すことで手伝ってもらったが、ほとんどは秋彦がやった。解体術Lv3がなかったら半日の作業だっただろうが、一時間半で終わった。
グレイウルフとバルカンはそのまま売るので解体は無しである。
なお、男子陣にも必要だろうとやらせたが、一匹ずつでギブアップし、現在グロッキー状態になっている。こんな事でこの先大丈夫なのだろうか。スキルを得れば問題なくなると思いたいところである。
「うーし、じゃあ解体所の使用料金払って、買い取ってもらおう。すみませーん!」
さっそく、買い取りを行うべく、まずは使用料金を払うべく、係の人を呼ぶ。
「お待たせしました。ご用件をお伺いします」
「解体終わったんで、料金の支払いをしようかと。買取カウンターは1階でしたよね?」
「はい、そうですね。しかし、最初から1階で済ませられるのはダンジョン産の道具などの話で、魔物の素材はここで見せていただいて、呼び出し番号をお渡しし、1階の買取カウンターで査定結果と合計金額の提示、ご納得いただけたら、売買の手続きをし、指定の口座にご入金の流れとなります」
言われてみれば当たり前だ。こんな血なまぐさい魔物の素材や魔物の死体を1階で広げるわけにはいかない。
「分かりました。じゃあ死体のまま売り出したいものとかもあるんで、ここで出していいんですね?」
「かしこまりました。ではお出しになってください」
さっそく、秋彦達はウサギ系の魔物をどんどん出していく。ウサギ系の魔物が全部出せたところで、グレイウルフとバルカンの死体をバッグから引っ張り出す。
死体を見た新米探索者のクラスメイト五名が悲鳴を上げる。他で作業している新米探索者達も驚きに声を上げた。
「じゃあ、これの買取をお願いします」
「は、はあ……あ、あのすみません。この魔物は一体……?」
係の人も声が震えている。
「えっとですね、こっちは初級ダンジョン奥の雑魚敵である、グレイウルフですね。こっちの凶悪そうなのがバルカンっていう初級ダンジョン一階層のボスです」
「……しょ、初級のボス……は、はぁ……では査定させていただきます……こちらの番号でお待ちください……」
係の人はそう言って慌ただしく、その場を離れた。
「これがボス……俺らもいずれはこんなのと戦うのか……」
「まだ先の話だよ。お前らはもっと簡単なのできっちり修行して挑めばいいって。ほら行こうぜ。ある意味、お前らに取っちゃここからがお楽しみだろ?」
そういうとさっきまでグロッキーだったり悲鳴を上げてげんなりしていた5人の顔が正気に戻った。現金なものだ。
やはりこれだけやったときの収入は気になるものらしい。
皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。
ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!




