第三十六話 クラスメイト
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「いよっと、さてさて、流石にあっという間だな。まずは査定の方を……」
「よう! アッキーも来たんだな!」
「秋彦……助けて……」
「おおう……エミー。それに言葉、石崎、奏、真崎もいたのか」
「はい、さっき免許証の取得を行いました」
「おーっす。話には聞いてたけど、二人とも凄い衣装だねー」
「おおー! 今度はアキが空中から出てきた!」
「やあ、学校ぶり」
テレポーテーションで東京の探索者ギルドへ行ったら、クラスメイトにばったり鉢合わせてしまった。
ドルヲタエミーを筆頭に、言葉 文佳、石崎 茂、奏 祭、真崎 剣吾の五人組。
この五人は学校のクラスメイトであると同時に、学校で秋彦達に特に熱心に話しかけて来ていた5人である。一方でかなり魔法に対し妄想を膨らませている他のクラスメイトと違い、魔物を倒す事、あるいは強くなることに興味を持つ珍しい人物たちであった。
「祭でいいってば、アキは固いなー。で空中から突然現れたのは確かアキの魔法なんだよね! うわーいいなー無属性!」
「特殊な属性って聞いてはいるけど、あたしも無属性が良いな。皆のサポートをメインにできればうれしいし」
魔法によって移動したことに対して、鼻息を荒くするのは奏だ。短髪で、小麦色の肌と脚線美が健康美を強調してくる陸上部員だ。そのテンションと短髪からよく男に間違えられるが女性で、慎ましい胸にコンプレックスを抱いている。もっと大きければ間違われないのに、と胸の大きい女子に嫉妬している姿をよく見るからだ。
そしてその嫉妬の目をよく向けられているのが言葉だ。奏とは対照的に長髪で色白。運動は出来ず、その割に肉付きは豊満で、一部女子からよく睨まれている。自分の席でよく本を読んでいる図書委員であり、性格もおとなしい。にもかかわらず奏と仲が良いのは秋彦と優太のような関係性なのだろうか。
「俺はもちろん、地属性だな! 力をつけて、アイドルを守れるようになるんだーい!」
「エミーはぶれないなー。魔法は欲しいけどー」
「……魔法に興味ないのは僕だけか。戦いは自分の腕でやるものと思ってたけど」
……エミーが魔法や強くなることに興味を持っていたのはそういう訳だったか。ぶれないやつだ。なんというかせっかくの今風イケメンが台無しである。
のんびりとした口調で突っ込みを入れたのは石崎だ。坊主頭と糸目が特徴的。坊主頭で勘違いされるが、別に高校球児でも、実家が寺という訳でもない。単純に髪を切るのが面倒で、なるべく髪を切りに行かなくていいように坊主頭にしてしまうのだとか。
最後に魔法に興味はないといったのは真崎だ。エミーとは方向性が違うがこちらもイケメン。エミーはチャラい感じが入っているが、こっちは和風の美男子といった風な感じがある。口数はあまり多くないが、実家が剣術道場をやっていると聞いたことがある。
こうしてみると全員見た目も中身もだいぶバラバラだ。接点があるようには見えないが、なぜか強くなることに並々ならぬ気迫を感じるが……まあそこら辺の事情には下手に首を突っ込むこともないだろう。
などと思っていたら、奏が急に提案してきた。
「ねぇねぇ、初めて免許取ったしさぁ、しばらく先輩のお仕事見学させてよ」
「え? 俺らもやる事初めてだらけだぜ? だいぶグダると思うし、今日はもうダンジョン潜らないぜ?」
「はい、後学の為に見ておきたいんです」
言葉も話に乗ってきた。それに畳みかけるように石崎と真崎も続く。
「ていうかー、今の二人がどういうレベルなのかってのを見ておきたいなーって」
「そうだね。僕たちもちょっと一緒にいていいかい?」
どうしたもんかと思い優太を見る。
「ま、まあいいんじゃない? 別にみられて困るようなものもないし」
「「「「「ありがとう!」」」」」
空気に流されたような感じはあるが、とりあえずクラスメイトを連れて、ダンジョン相談所のスペースに行く。
ダンジョン相談所は、ダンジョンで起こった事をギルド職員に報告し、対策、あるいは相談を行う場である。
ここの情報が、ダンジョンに対する一番新しい情報であることも多く、少しでも不審な点や、気になった所でも相談所に報告するのは義務であり、ここでの報告はチームの活動内容として記録され、ギルドの貢献度にも大きくかかわってくる。
また、探索者ギルド公式のダンジョン情報誌「迷宮通信」、通称【迷通】(メーツー)の情報源にもなるらしく、情報には懸賞金が掛けられているものもあるので、探索者がギルドに来た時はまず相談所へ向かうことになる。らしい。
そういう風にあらかじめ雨宮から説明は受けていたが、何せ昨日の今日動き始めた場所だ。ギルドの職員も、今日は大体が探索者の試験、免許の発行となっており、この相談所スベースに来る人間はほとんどいない。
まずは整理券を取るために発券場へ向かい、整理券を取る。
間を持たずに呼ばれたので呼び出された番号の机に座ると、職員が秋彦と優太を見て、少々お待ちくださいと言って席を立った。
そして戻ってきたら、奥の部屋に通された。ちなみにクラスメイト達は通されなかった。
なんだなんだと思って、奥の部屋に入ると、雨宮が書類仕事をしていた。どうやらギルドマスターの部屋らしい。
「やあ二人とも。来てくれたんだね」
「お疲れ様です」
「こんにちは雨宮さん、ギルドマスターのお仕事はいかがですか?」
「まあ苦労しているよ。何せ今日は関東中から探索者志望の人たちが免許取得のためにここにきている。書類の量も半端じゃないからね。手伝ってもらっている職員たちには頭が上がらないよ」
成程。机に乗せられた山ほどありそうな書類に向かって手で物を書き、スタンプマシンのごとくハンコを押す雨宮は忙しそうだ。これ全部免許証発行の手続きの書類なのか。恐ろしい量だ。
「で、それを押して二人をここに呼んだのは、二人は初級ダンジョンに挑んでいるのを聞いてたからなんだよね。色々聞かせてほしい。魔物の事や、手に入れたアイテムとかね」
そう言って雨宮は仕事用の机を離れ、応接用の机に座って秋彦達に着席を促す。
机にはノートパソコンが置いてあり、ヒアリング用の場所であることがうかがえる。
雨宮も待ちきれないようにそわそわしているので、二人は起こった事、何を拾ったか等を報告していく。
皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。
そろそろ書き溜めの数が本当に不安にはなってきておりますが、もはや書き溜め尽きるまで止まる選択肢はありません。引き続き突っ走っていくことにします。
ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!




