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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
ダンジョンに適応する日本
372/385

第三百六十四話 中級ダンジョン後半 効率

累計PV数820万突破、総合評価19,400突破、評価者数1,010人突破いたしました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「……それでそんなにご立腹なの」

「そうだよ、あーヤダヤダ、嫌なもん貰っちまったぜ、なんかさっきから良い事ねーよったくもう」


 らしくもない位にグチグチと愚痴をこぼす秋彦と、相変わらずの無表情で愚痴を聞く茜。さっきは随分言っていた茜だが、今は大人しく聞いている。


「……そういえば構造解析している時に気付いたけど」

「あ?」

「……秋、貴方の直感で進んだルートは最速で初期位置に戻されるように進んでいた」

「え、あ、は? どういうこった?」


 突然の報告に秋彦は理解が追い付かない。茜は変わらず淡々と把握した事だけを報告していく。


「さっき説明したけど、このフロアは構造把握で把握した限り、一定のルートを通らないと所定の位置に戻される仕組みになっている」

「ああ、それはさっきも聞いた」

「その上で今言った通り貴方の直感で進んだルートは最速で初期位置に戻されるように進んでいた」

「あ、ああ……?」


 大きく首を傾げる秋彦。だが何かを感づいたらしくジュディは手を叩いた。


「まさか、秋彦の直感は救済措置の宝箱を手に入れる事を最適解だと導いたって事?」

「……可能性は十分にある」

「え、でも秋は直感をフル回転で出口へのルート検索に使ったんじゃなかったっけ?」

「……そう、私達の思う直感なら出口へのルート検索とはそのままの通り出口に向かうだけだった。でも秋彦の直感は出口へ向かう最短ルートとして救済措置である宝箱を出現させ、構造把握のスキルを習得させた」

「え、えっーと、つまり?」


 ますますよく分からなくなる茜の話に秋彦は顔を顰める。


「……秋の直感は秋の直感なりに最適解を示していたのかもしれないと言う話」

「あ、あー、いわれてみれば確かにそれも最適解の内にはいるのかも? 構造把握があった方が後の攻略も楽になるし、救済措置なんてものがあるならさっさと手に入れて有効に使おうって直感が判断したって事?」

「……恐らく」


要領を得ない秋彦に対し、ジュディは納得し、優太も自分なりの答えを言葉として出し、その言葉に茜は頷いた。

 スキルアンロッカーにしてもそうだったが、この救済措置として入っていた宝箱のアイテム、有用性は相当大きいと言えるだろう。

たとえその代償に本来得られたはずのDPが削られるとしても、そもそもDPを目的としないならばリザルト時にDPが大幅に削られる不名誉なんていくらでも被ったっていいともいえる。

直接的に死に直結するダンジョン内での罠に比べたら。救済措置を使用することで被る不利益なんてDPのみだ。ここまでダンジョンの中を入ってこれる様な探索者なら他のダンジョンで稼ごうと思えばいくらでも稼げるだろう。

本当にダンジョン攻略を主眼に入れるなら迷宮から「いつまでもグダグダ足踏みしていないでさっさと次の階にいけ」と言われる屈辱をも甘受するならこれ以上ない程有用な道具を手に入れるまたとない機会と言えるのかもしれない。


「……事実私の情報網でさえスキルアンロッカーなんていう道具は見た事も聞いたこともない道具だった。恐らくまともに手に入れようと思ったら相当なレアアイテムの部類だったはず。今時所持している人の方が珍しい【レアスキル】の解放条件をお金で売る【スキル屋】と言う物さえ存在するとも聞く」

「確かに、それを踏まえると、私達が軽率に使ったこのスキルアンロッカーってその存在がもっと広く知られていたら巨額で取引されていてもおかしくないわね……」

「も、もしかして僕らとんでもなくお金になるようなもの使っちゃったのかな」

「うーん、確かにそういうレベルの金と天秤にかけても尚有用だよなこれ」

「……そう。だからこそ秋彦の直感は将来得られるはずだったDPを犠牲にしてでもこのスキルアンロッカーを得るのを最適解と考えたのかもしれない」


 改めて考えれば考える程に軽率に道具を使ってしまった感が否めない。正直言って一つでもスキルアンロッカーを残しておき、同業者の探索者に売れば一体いくらになったのだろうかと考えてしまえば使用した時は失敗率が分からなかったので平等に使用した結果全員スキルの習得が出来た事を踏まえると一つくらい残して置けば良かったのかと思えてしまう。

 勿論結果論だから言えることではあるのだが、正直勿体なかったかもしれない。


「でもそういう考えってソシャゲのガチャと似たようなもんだよな、1万課金してほしかったキャラや武器が最初の10連で出たみたいな?」

「あー、残りのジェム的な奴どうしようって考えちゃう感じ?」

「勢いで課金したら盛大に余って、なんか結局使っちまう的な感じだよな」


 微妙に俗というかしょうもない喩えをし出す秋彦と優太。


「……まあこの辺は過ぎた事として考えるしかない。それにそろそろループ地帯を抜ける。ループ地帯から先は普通に魔物が出て来るから、準備はしておいて」

「お、おおそうだな。何というか、このあたりのモヤモヤを八つ当たりでも吹き飛ばせればいいんだがな」



皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります

これからも評価、ブックマーク、感想、いいねなど、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次回の更新は未定とさせていただきます。宜しくお願い致します。

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