第三百五十三話 妖精の耐熱コート
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「よし、準備出来たか?」
「うん、妖精の耐熱コート全員着たよ」
ダンジョン第三階層へ向かう転送の魔法陣前、秋彦は改めて準備が出来たかの確認を行う。向かうは第三階層、灼熱のフロア効果のある階層だ。勿論入ってから準備していては遅いので突入前に準備をしていた。妖精の耐熱コートを着込み、マジックバッグには妖精の水筒を入れ、塩分補給用のタブレットなんかも配った。
「……1階で弾の補充したかった」
「しょうがないわよ、あのボス部屋前での列見たら並ぶ気失せたわ」
一人で未練がましく第一階層のボスがいるであろう方角を見る。
初めは秋彦達も折角なので銃の弾を補充するつもりで第一階層のボスを撃破しに向かっていたのだが、ダンジョンの入り口で見かけた探索者達はどうやら氷山の一角だったらしく、ボス部屋の前でずらっと順番待ちの列が出来上がっていたのだ。
いくらなんでもあれに律儀に並んでいたら今日はそれだけで終わってしまうので、茜を説得して第三階層へ向かうことになったのである。
「……あの階層一番つらいのは私」
「ああ、うんまあ行きたくない気持ちは分かるわ……」
自身の得意属性が水だけあって火属性が大幅に強化され、水属性が大幅に弱体化されるフロアには正直行きたくないらしい。勿論銃弾の補充がしたかったのも本音ではあるだろうが。
「そうは言っても避けては通れねぇ。せめて戦闘は最小限、探索時間も出来るだけ短縮はするから、な?」
「……分かってる、そこまで聞き分け悪くない」
「うん、ありがとう。じゃあ行こうか」
「親友は反対に生き生きしてんな。まあ、あそこは親友にとっては相性良い所だしな……」
反対に活き活きしている優太は意気揚々とこのダンジョンの階層を移動する物である魔法陣の上に乗って先に行ってしまった。苦笑いしつつも秋彦達もそれに続く。
………………………………
早々と降り立った第三階層。
灼熱層の放つ、相変わらず強力な熱波に出迎えられたが、前回程の威力はない。やはり妖精の耐熱コートが随分効いているらしくまだファイヤーエンチャントが掛かっていないにもかかわらず、前回と比較するとファイヤーエンチャントが掛かっているかのように楽にはなっている。
「いいね、この耐熱コートあると、僕としてはますますこの階層が楽に動けるようになる」
「いいから早くファイヤーエンチャント掛けてくれよ、効果時間があるからここで掛けるって話だったろ!」
「うん、大丈夫分かってるよ!」
とりあえずファイヤーエンチャントを掛けてもらってようやく一つ落ち着いた。
改めてコートを着ている上でファイヤーエンチャントがかかると熱波の影響はほぼなくなっており、秋彦とジュディは通常のフロアと変わらない感覚になっている。この熱波にさらされながらも汗がひき始めている。
だが、茜は汗をかいているので、やはり得意苦手の差というのはなかなか埋められないらしい。
「うん、俺らはもうこのコートとファイヤーエンチャントがあればこの階層でも通常通りに動けそうだな」
「ええ、このコート凄いわね、流石は妖精商店、今デパートなんだっけ。今度見に行かなきゃ」
「……前回に比べるとだいぶマシだけど、やっぱり熱い……真夏の昼みたい」
「前回は俺らでさえ服着たままのサウナみたいな体験してるから……まだまあマシ……か?」
「言葉だけではどっちの方がましなのかちょっとわかりづらいわね……?」
「……早く、行こう……早くこの階層を潜り抜けないと……」
「ああそうだな、いこいこ」
早速一回妖精の水筒の中身を飲み干して、一刻も早い階層突破を促す茜。前回よりもマシといっても辛い事には変わりない以上、ここでの探索は最低限に収めた方がいいだろう。極端な話、敵との戦闘も避けられる物は避けた方がいいだろう。今回のボス部屋も恐らくこのような調子だとするなら、戦闘も最後のボスだけにした方がいいはずだ。
「とはいえ前回の探索で階層半分調べられたのかどうかも未知数だからな。そこは覚悟しろよ?」
「……分かってる」
「おし、じゃあ改めて行きますかね……」
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