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第三十四話 初級ボス

累計PV19万突破、評価者数100人突破、ブックマーク者数1000人突破しました!


皆様の応援を頂き、月間ランキングローファンタジー部門にて24位を獲得し、ランキング最高順位を更新しました!

また、四半期間ランキングローファンタジー部門にて55位を獲得し、ランキング最高順位を更新しました!

皆様からのご愛顧、本当にありがとうございます!

「ふぅ……結構あちこち行ってみたけど、落ちてる物のメインはポーションばっかだな」

「カネーも結構あったね。五万カネー位だったね」

「おう、やっぱ入門とは拾える量が違うぜ」


 それからしばらくフロアを探索していたが、後半になるとグレイウルフが主な魔物として現れてきた。

 始めは槍で対処してきたが、途中からは安全に風魔法で倒すようになった。わざわざ隙を晒して向こうに攻撃させるよりも、やはり相手の攻撃が届かない範囲から一方的に攻撃するほうが確実だ。なお、その場合は風魔法で攻撃しないと相手が高確率で攻撃をかわす。

 どうやらこのダンジョンはスピードがかなり速い相手で構成されているようだ。

 ウサギも速い。狼もなかなか速い。

 しかし今の二人ならば全然対応できる範囲内だ。それなりに狼やウサギを倒し、探索を続ける。

 そうしてみると、このダンジョンにもアイテムやカネーが置いてあるので、それも回収する。

 入門ではいくつかのダンジョンを回っても大体一万カネーだったが、初級ダンジョンだと、五万カネーも拾う事が出来た。この分なら妖精商店で装飾品を買える日も近いだろう。

 余裕があれば、日本円に両替してもいいかもしれない。カネー硬貨不足らしいし。

 等と考えながら探索を続けていると、扉の付いた岩壁を発見した。

 どうやらここがボス部屋らしい。


「おっと、これボス部屋じゃね?」

「えっと……あ、ちゃんと表示もされてる。ボス部屋だね」


 秋彦の問いに、優太が、ダンジョンウォッチのマップを開く。

 ダンジョンウォッチのマップはダンジョン内で使用すると、自分たちが探索した範囲内でダンジョンの地図が作られる機能が追加されたようだ。

 通常のマップと切り替えも可能で、氾濫日数のリセット具合も今まで通り見ることができる。

 これもダンジョンを歩いていたら急にアップデートされたのだが、まあありがたいことには変わりない。

 ちなみに今まで結構な数を討伐してきたはずだが、いまだにダンジョンの氾濫日数のリセットには至っていない。


「さあて、鬼が出るか蛇が出るか……」

「えー、なんか早いな……」

「まあまあ、そういうなって。ほら、行こうぜ」


 文句を言う優太を促し、ボス部屋へ入る。

 入ると細い通路になっており、中は暗いが、物が見えないほどではない。

 慎重に前に進むと大きい広間になっている場所に出た。広間はかなり広く、天井もはるかに遠い。壁には松明に火がついており、視界には困らない。ここでボスバトルと言う事か。

 広間に入り切ると、どこからか羽音が聞こえてきた。何かが羽ばたいているのか。そして入ってきた通路が大きな壁でふさがれた。撤退不可と言う事だろう。

 敵は目の前にいた。凶悪そうな見た目の敵が。秋彦達はその姿を見て、恐ろしくもようやく見た目にもわかる本格的な魔物が現れたと思えた。

 まず目につくのは赤黒い皮膚だ。体自体は人間のそれに近いが、かなり鍛えこまれているのか筋骨隆々としており、秋彦よりも一回り大きく見える。次に目に付くのは背中の翼だ。鳥のようなものではなく、ワイバーン、あるいは龍のような形をしている。さっきからの羽音は、こいつがその場で飛んでいるからの様だ。

 そして最後に頭の角だ。雄牛を思わせる立派な角に、髑髏に皮がくっ付いているかのような恐ろし気な顔に目だけが青く光っている。


 放たれる気迫も外にいた魔物とは比べ物にならない。だが何故か負ける気はしなかった。


「強化魔法を解禁すれば行けそうだな」

「油断しちゃだめだよ」

「うし、じゃあ……『力よ!』パワー! 『力よ!』パワー! これで様子見だ。じゃあ行ってくる」


 そういってまずは先制攻撃を仕掛けることにした。

 一足飛びで相手との距離を一気に詰める。


「まずは挨拶だ!」


 そう言って槍での一撃を繰り出す。

 しかし相手はそれを上空に飛ぶことで回避する。


「おお?!」


 飛べるのは見てわかるが、やはり実際に戦う相手に飛ばれるというのは初の経験だ。少し面食らった。

 そして魔物はそのまま天井の近くまで飛ぶ。


「何をする気だ?」

『炎よ、我が命に従い、我が敵へ向かい、燃やせ』


 そして下にいる秋彦達に向かって魔法を撃ってきた。これは炎魔法のフレイムと一緒に習得される【ファイヤー】だ。炎の単体攻撃魔法。優太のよく使う【フレイム】とは範囲が狭く、単体にしか効果がないが、その分フレイムより威力が高いのが特徴だ。


「おお! 敵が魔法使って来やがった! ……よ、ほ、あらよ」

「距離取って攻撃か。飛べる分追いすがれないから面倒だね! ……おっと、ひょっと、しょっと」


 しかし、二人はそれをやすやす回避する。優太は得意属性であることもあり、おそらくよける必要もないだろうが、一応回避する。

 そもそも炎魔法は闇雲に放っても当たらない。炎魔法は遠距離で攻撃するには挙動が遅いからだ。

 遠距離攻撃をするなら風魔法位に素早くないと、遠距離攻撃として成立しない。

 しかしこちらは追いすがる術がないので、成す術もなく攻撃をかわすか受けるしかない。

 だが手がないという訳でもない。


「そっちが炎ならこっちは風だ! 『風よ!』ウインドウカッター!」


 優太が、魔法を唱え魔物に放つ!

 ウインドウカッターはファイヤーより速度が圧倒的に優れており、相手が地面に接していないと、風の影響を受け、攻撃が当たりやすくなる。

 魔物も腕で守るが、優太が狙ったのは翼だ。これさえなければ、空中で飛ぶことはできないだろう。

 だが敵も然る者、優太の攻撃を受けても一回では翼を切断は出来なかった。血が出ていることからダメージは受けているようだが。

 そしてこれを受け、相手の様子が変わった。遠距離戦は不利と判断したのだろう。

 天井近くにいた魔物は優太に向かって飛んできた。遠距離の要を潰しに来たのだ。


「させねーよ!」


 しかし秋彦、当然のようにそれに割り込む。が、魔物は軌道修正しようとせず、そのまま秋彦に向かって爪を振り下ろす!

 秋彦はそれを槍で受け止めて、地に足ついていない敵をその勢いのままに地面にたたきつける!

 魔物も素早く起き上がるが、起き上がった所で更に魔物の翼を突く!

 だがそれは流石に深追いが過ぎた。ついた場所も骨ではなく皮の部分だったことで、魔物がそのまま前進し、秋彦を思い切り引っかく!


「うおお?!」


 左肩から右の脇腹にかけて深々と切られてしまった。

 だが秋彦はそれで逆に火がついてしまった。


「この……うおおおおおおお!!」


 秋彦は片手で突いた状態の槍を両手で持ち、思い切り上に切り上げる!

 渾身の力で引き揚げた槍は、見事に魔物の片翼を切断した。痛みに悲鳴を上げるが、秋彦は更に槍で連続攻撃を加える!


「うおらあああ!!」

「『炎よ!』ファイアボンバー! 『炎よ!』ファイアボンバー! 『炎よ!』ファイアボンバー!」


 好機到来に、優太も秋彦ごと魔法攻撃を行う。魔力制御がなかったら、どっちの味方かわからないような構図だ。

 敵もこのままでは終わらない。爪でひっかき、角で突き、足で蹴りと、接近戦で応戦する!

 受け、避けを繰り返し、合間に攻撃を仕掛け、派手に魔物との消耗戦を繰り広げる!


「『光よ!』 ヒール!」


 優太は魔法による炎での攻撃と、怪我の回復を行いながら秋彦をサポートしていく。

 一度火がついて攻勢に入ると、秋彦は止まらないので、せめて気持ちよく戦えるようにサポートする。ある意味いつも通りなのだ。

 そして、消耗戦も、ついに終わりの時がやってきた。


 もう何度目かの攻撃で、秋彦が魔物を蹴り飛ばすと、魔物が膝をついた。

 今こそ最大の好機! それを確信し、最大の一撃を見舞うべく、強化を行う。

 

「『力よ!』パワー! 『力よ!』ストロング! これでおしまいだああああああ!!」


 攻撃強化を自分にかけ、膝をついた魔物に渾身の一撃を叩き込んだ!

 響いたのは断末魔の悲鳴。魔物はその一撃に敢え無く撃沈した。秋彦達の勝利だ。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも頑張っていきますので、ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[一言] この2人かなり金持ちなのでは……
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