第三十三話 初級ダンジョン探索
累計PV18万突破、評価人数90人突破しました!
皆様の応援を頂き、週間ランキングローファンタジー部門にて12位を獲得し、ランキング最高順位を更新しました!
また、月間ランキングローファンタジー部門にて25位を獲得し、ランキング最高順位を更新しました!
また、四半期間ランキングローファンタジー部門にて58位を獲得し、ランキング最高順位を更新しました!
皆様からのご愛顧、本当にありがとうございます!
今日もいつも通りの挨拶活動を終わらせ、教室に入るとエミーと優太がいつも通り話しかけてきた。
ただ、やはり最近はそれ以外のクラスメイトもずいぶん話をするようになってきたのだ。
目当てはやはりダンジョンに関する話だ。教室に入るまでの間でもあちこちでダンジョンに関する話があちこちから聞こえてきたくらいだ。
「やあやあ秋彦おはよー!」
「おはよう秋彦」
「うーっすおはよ」
「うん、おはよう南雲君、で、だよ南雲君。とうとう今日から迷宮探索法の適用来たね!」
さっそくと言わんばかりに話を持ち掛けてくる。
入門ダンジョンの場所、中にいた魔物の特徴。ダンジョンウォッチ、迷宮探索免許証を見たい等、HRが始まるまでの間、二人はクラスメイトにもみくちゃにされることとなった。
そして今日は昼休みどころか5分休憩などの間でさえ、秋彦も優太も放してもらえず、放課後は免許を取りに行くと気合いを入れていて、そこでやっと放してもらえた。
話を聞く限り、こんな危ない探索者への志願をするのは、単純に魔法という要素に引かれただけという人が結構多かった。
確かに魔法を使えるのは凄くあこがれる年ごろかもしれない。だが、それも魔物を倒し、ダンジョンを攻略し、DPを貯めて、実用に耐えることができるようになるまで練磨する必要があると、くぎを刺したのだが、ちゃんと聞いていたのかわからない。
なぜなら魔法の話をすると、自分の使用属性はなんだとか、別の系統を使える可能性などをあれこれ妄想していたからだ。まあ夢を見るのはただなのだ。そっとしておこう。
………………………………
「いやー……なんていうかみんな元気はつらつだったな」
「うん……早くもくたびれたよ」
「くたびれるには早いぜ親友。クラスメイトから解放されて、依頼もウィザードポーションのおかげで8つもこなせた。再びの初級ダンジョンだ」
秋彦達は再び【中谷町林のダンジョン】へ来ていた。目的は当然探索である。
依頼はギルドを通すことで、報酬が増えただけでなく、依頼人のもとへわざわざ行かなくても雨宮が報酬を指定の口座に振り込んでくれるので、受ける依頼を決める時はギルドへ行くが、依頼が終わったら電話で確認を取ってもらい、報酬は振り込んでもらえるようになった。正直かなりの時間短縮になっている。わざわざ依頼人の所へ行き、報酬を手で受け取るのは実は結構時間のロスになっていたのだ。
また、ウィザードポーションというたった一杯で魔力を相当に回復できる薬を手に入れられるようになったので、残りの魔力などをそれほど気にしなくてもよくなり、いつもより多くの依頼を受けられた。
ただ、そのうちこんなことしなくても新米探索者がこの手の依頼を受けるようになるだろうとも言っていたので、それまでの辛抱だ。
もしくは金がない時に緊急で稼ぐ必要がある場合位だろうか。
「よっしゃ、いくか」
「うん、じゃあ早速……」
「「チェンジ、ドレスアップ」」
二人が同時に合言葉を言うと、指輪が光り、たちまち中華武将の衣装と槍を持った秋彦と、魔術師のローブを着て、盾と杖を持った優太がいた。
ドレスアップリングに早速探索用の服を登録したのだ。
やはりこれは便利だ。これがあれば、武器を見せびらかすかのように持って歩くこともなく、おまわりさんに呼び止められることもない。
「おっしゃ! 行くぜ!」
「うん!」
………………………………
しばらく進んでいるとブレードラビットや、ホーンラビット、キックラビットといったウサギたちに何匹も遭遇するが、流石に要領を前回で掴んでいただけあって、大した障害にはならなかった。
死体は売れるので、殺したウサギは持って帰るためにマジックバッグに入れていく。
この中に入れれば、別に血で汚れるという事もない上に、長く入れても腐ると言う事もないのだ。流石魔法のバッグというだけある。
「ここら辺ももう敵じゃないな」
「うーんでも初級っていう割にずいぶんあっさりしすぎている気がするけど……」
「まあ、きっと先は長いんだろうさ。つってもあんま油断はしねーように……」
言葉を続けようとした秋彦が急に黙る。
犬の遠吠えが聞こえたからだ。いや、これは犬という感じではない。
「親友、聞こえたか?」
「うん、多分次の相手だよね」
「んだな。お、来たぞ!」
それは砂煙を上げながらこちらへ走ってきた。遠目から見てわかる。狼だ。
突撃してくる狼にまずは槍のリーチから突きを仕掛ける。
狼は体勢を低くして、潜り込む形で槍を避け、なおこちらに向かってくる。ならばそのまま狼に振り下ろす!
流石に突いた訳ではないからそこまでダメージにはならなかったが、狼は一旦後ろに飛び、槍がぎりぎり届かない間合いをうろうろし始める。
「ど、どうしたんだろう……?」
「うかつに突き刺してくるのを待ってんだよ」
そういって秋彦が一歩前に出ると、狼は即座に後ろに下がった。狼のこの行動の意味は……
「……自分の得意な間合いをキープしてるの?」
「そう言う事。今はこっちの攻撃は絶妙に届かない。でも向こうはひとっ跳びでこっちに来れる。向こうはもう持久戦の構えだな。つかず離れずで、こっちが隙見せんの待ってる」
「ど、どうしよう……あ、じゃあ届かない場所から魔法を」
「うん、正解だ。でも、今回はこんな手を使ってみようか」
といって秋彦は槍の端をもって、大きく槍を振り回した。すると狼は跳んで秋彦に襲い掛かってきた。
それを確認し、秋彦は素早く槍の真ん中に持ちかえて頭を刺す!
そしてそのまま腹の途中まで突き裂く!
鮮血を振りまきながら狼は倒れた。
「ふぅ、あんな雑な誘いに乗るかね……」
「え? なに今の?」
「あれ? 大振りしてわざと隙作って、今なら攻撃できるぞっていうアピールしたの」
といっても実際にはすぐにいつものように持てるように備えていたし、いざとなったら槍を手放し殴ってもよかった。雑に隙を作ったらすぐ乗るとは、所詮は獣か。
「そ、そんなこと考えてたんだ……」
「相手が攻撃をしている時が一番隙だらけだからね。わざと隙を作って相手に攻撃させて、その隙を突くのは、喧嘩の時から割とよくやってたから」
まあそうはいっても、本当は相手の射程外から攻撃するのが一番安全だ。
今回はやれそうだったからちょっとやってみたくてやったが、本当は良くないことだ。
「親友はこんなことしちゃだめだぞ?」
「いやいや、そもそもできないってば……」
「それもそうか。んじゃ、『力よ!』アナライズ!」
最後に倒した魔物をアナライズしておく。どうやらこういう魔物の様だ。
名前:グレイウルフ
レベル15
肉体力:250
魔法力:0
戦闘力:600
スキル
突進:(【モンスタースキル】【アクティブ】巨体と持ち前の足の速さで突進する)
噛みつく:(【モンスタースキル】【アクティブ】狼の歯で噛みつく)
ひっかき:(【モンスタースキル】【アクティブ】狼の爪でひっかく)
ダンジョンに住まう狼。群れで行動せず、単独で狩りを行う。
巨体の割に動きが素早く、巨体相応に攻撃力も高い。並の人間ではどの攻撃を喰らっても即死級の攻撃になる。頭もそれなりにいいが、いかに相手が強くとも媚びへつらったりはしない。
肉は食えないが、毛皮は防寒具にもなるし防具としても使える。
「ほー、まあいいか。一匹くらいは持ち帰っておくか」
といって雑にバッグに押し込む。
本当にこんな雑な扱いをしてよく壊れないものだ。
「よし、じゃ改めて奥行くか」
「はーい」
皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。
現在一生懸命書き溜めの補充を何とか行っております。これからも頑張っていきますので、ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!




