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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
ダンジョンに適応する日本
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第三百三十六話 クリスマスパーティー 準備編

累計PV数691万突破、イイネ数600件突破、評価者数930人突破いたしました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

 終業式から二日後。この日は12月25日。クリスマスである。

 去年までは家族と一緒にケーキを食べる口実がある日であり、夕食の食卓には普段は中々お目にかかれない若鶏の丸焼きが出てくる日であり、要するに秋彦にとっては夕飯が豪華になるだけの日だった。

 だが今年は違う。今回は秋彦が買い取った大きめの家で、秋彦とジュディが主催で、パーティーを行う事になっている。

 勿論男性はスーツを、女性はドレスを着て。宝石を着飾ってメイクもバッチリして社交ダンスを踊り、クラシックをBGMにワインを飲むような感じのパーティーでは無いが、家に客を呼んで、食事を囲んで今日と言う日を祝うのであれば、それはパーティーと呼ぶには十分と言えるだろう。

 そんな主催者二人の朝は一段と早かった。


「仕込みは大事よ、いくら夜にやるって言ったって、私たちが主催者である以上は私達が作るんだし」

「そうは言っても朝の5時は早すぎるだろ! お日様だってまだ眠い目擦ってるわ!」

「まあ身も蓋も無い事言うと、いつもこのくらいに起きて準備してるからつい起きちゃったのよ、折角だし後は仕上げだけの所まで持って行って、お昼は街へ出て恋人同士のクリスマスを楽しみましょう?」

「え、あ、はい。分かった」


 まさかの5時起きである。

 まさかの早起きに文句の声もでるが、クリスマスデートの提案に思わず今までの文句を引っ込めて頷いてしまった。

 とはいえいくら大量に作る必要があると言っても朝の5時過ぎから18時開催のパーティーで食べる食事を作り出してもしょうがない。

 今やるべきなのは掃除である。クリスマスが近づいて飾った物だが、だからこそ飾り付けに埃が溜まっているなどあってはならないし、客が来ると言うなら尚更である。

 たっぷり時間をかけて天井から窓、机や飾り付けに至るまでしっかり埃を落として水拭きを行う。途中からは龍之介とエリザベスも加わって、お客が使うであろうトイレや、次の日クタクタになる事、もしくはトラブルによって汚れた際に使用することも想定して風呂もきっちりピカピカにしておく。

 それが終わったら当日でなければ買えないタイプの食材の確認だ。主に刺身用の鮮魚である。

 他の肉類や煮物用の冷凍魚に野菜類、ケーキに使用するケーキのスポンジ部分に果物類も、前日までにはすでに用意しきっている。

 本当はスポンジを焼いてみる選択肢もあったが、客を招いている以上失敗したものは出せないので今回は市販のもので妥協した。


「にしても日本人って本当にお刺身好きよね。生魚がどうと言う話じゃなくて、日本の企業が主催しているパーティーだとどこへ行っても出て来る物だし、まさかホームパーティーでまで出てくるとは思わなかったわ」

「日本で行事の祝い事に寿司とか刺身が無いってのはちょっと寂しいからなぁ」

「私のクリスマスのターキーみたいな物?」

「うーん、まあ、そんな感じかな」


 メモをチェックしながら軽い雑談。確かに日本人が行事の際に恵方巻きだのちらし寿司だのと、何かと色々な形で寿司だの刺身だの生魚食べている気がする。

 尚、秋彦とジュディがで話している間、龍之介とエリザベスは今日仲のいい人たちで行われるパーティーが行われる事を知っており、夜に行われるクリスマスプレゼントとパーティーで出てくるご馳走に早くもはしゃいでいた。


………………………………


「うん、良いロケーションね」

「やっぱりクリスマスに来ると、夜じゃなくてもなんかこう、特別感あっていいな」


 昼頃、商店街で目当ての刺身を買って、約束のクリスマスデートである。秋彦としては本来今の時間に掃除などをやっている想定だったので、予想外に空いた時間をジュディと一緒に過ごせることは正直嬉しかった。

 不用意にクリスマスパーティーと言い出したせいで今年は二人きりで過ごすクリスマスはお預けと思っていたこともあり、二重に嬉しかった。

 明るい事もあって、イルミネーションは付いていないが、クリスマスの飾り付けはされているのでクリスマスの雰囲気はしっかり楽しめる。


「それにしてもすごいわねぇ」

「え? 何が?」

「この人通りよ。クリスマスなのにこんなに賑やかじゃない」

「クリスマスったらこんなもんだと思うけど、イギリスじゃ違うんか?」

「全然違うわ、イギリスだとスーパーやコンビニどころか電車やバスだって動いてないんだから」

「嘘!?」

「嘘じゃないわ、学校だって勿論お休みだし、お買い物している時は言わなかったけど、私クリスマスの当日に買い物を行うって言う行為に凄く新鮮さを感じているもの」

「そ、そうなのか……」

「クリスマスまでは日本みたいに賑やかなんだけど、当日まで街並みがこんなに賑やかだなんて初めての経験よ」


 どうやら日本にとっては当たり前の光景でも、本場からすれば今までの常識からは考えられない様な光景らしい。


「そうだ、写真撮っちゃいましょ。お父様とお母様にこの光景を見せたらどんな反応するのか楽しみだわ」

「そういえば今日お義父さん達は来るんだよな? 俺達のホームパーティーに」

「ええ。私が日本に行くってなってから、今年から暫く家族でのクリスマスは無くなる事を寂しく思ってたから、日本式でもなんでもクリスマスに家族が揃うのが嬉しいみたいよ」

「そうかそうか。魔法石渡しておいて本当に良かったな」


 思わず丸眼鏡とカイゼル髭が特徴的な紳士が、にこやかに微笑んでいる様を想像してしまう。

 ジュディの父であるクリストファーとは地方都市奪還作戦中に一度会ってから、仕事の関係で日本にくる時は決まって秋彦の家に泊まっていくのでそこそこの頻度で会っている。

 穏やかそうな人な英国紳士であり、あの英国紳士の喜ぶ様は容易に想像ができる。


「それに加えて、南雲君の家族を含めて今代のマクベス家の娘夫婦の一族が揃うって大分張り切っていたってお母様が教えてくれたの」

「そ、そうだったのか……そう言えば俺の父さんと母さんとちゃんとした話するのは初めてになるだろうし、このパーティーって結構期待されている?」

「サヴィル・ロウのビスポークテーラーの中でも特にお気に入りである、ギープス&ホークスのスリーピースをクリーニングに出してきたって言ってたし、バッチリキメにかかかってるわ。本気も本気よ」

「オーダーメイドスーツで来るって事か。スーツで来るようなパーティーじゃ無いんだけど」

「お母様もそう言ったみたいなんだけど、ここは紳士のキメどころだって聞かないんだって」


 ため息と共に肩をすくめるジュディ。まあ見栄の張りどころの様な気持ちもあるのかもしれない。とりあえずそっとしておいてあげよう。


「さてっと、名残惜しいけどそろそろ帰るか」

「あらやだもうこんな時間? そろそろ帰らないと盛り付けが間に合わないわね」

「そうだな……来年は、二人だけで祝おうな。クリスマス」

「ええ、期待してるわね」


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります

これからも評価、ブックマーク、感想、いいねなど、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次回の更新は4/25(月)とさせていただきます。宜しくお願い致します。

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