第三百二十五話 灼熱層の魔物達
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これも皆さまからのご愛顧の賜物です。
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
「あ、あちぃ……ホント、何てダンジョンだよここ……」
中級ダンジョン第三階層目。フロア効果という新しいシステムが早くも牙を剥いてきた。灼熱層と銘打たれたこの階層は炎属性を得意とする者にとっては天国のような環境なのかもしれないが、炎が苦手な者どころか、可もなく不可もない者にも容赦がない。
「次からは飲み水とかももっと持ってくるようにしましょうね……あとミネラル分を補給出来る物とかも……」
「……こんな環境、私でなくても熱中症になる」
うんざりといった表情で汗を拭う動作をするジュディと茜。実際は流した汗すらあっという間にフロアが持つ熱が蒸発させてしまっている。
フロアが暑いということは、探索においても多くの水分が必要になるということだ。多くのアイテムを持ち込むことのできるマジックバッグだが、今回はそういった飲み物などの備えはなかった。マジックバッグに手を突っ込んでも飲める物がポーション以外にない事に、今回ばかりは己の用意が不十分であった事を痛感し、その事を深く呪った。
今は、何かないかとバッグをひっくり返して探し当てた、入れた水が聖水になり、多くの水を溜めておけるダンジョンの道具の、聖なる水差し、にあらかじめ入れておいた水を三人で飲みながら騙し騙し探索している状態だ。
飲み水以外にも別の使い道がある聖なる水差しの聖水だが、飲む事もできるので、今回は長居をするわけでも無いので、この水を飲む事にした。
「けどまあフロア効果にはこう言う副次的な効果もあることがわかったのは収穫だな。次からはたとえ一フロアだけだろうと侮らずに水分とか防寒着とか、色々備えするわ俺……」
「そうして頂戴。勿論私もやるわよ。絶対に」
「……私の場合ファイヤーエンチャントがあっても喉の渇きとかが辛い。灼熱層に対しては念入りに対策がいると思い知った」
「僕も逆に極寒層みたいなフロアあったら多分今の茜ちゃんみたいになっちゃうから寒さ対策はしておかないとなー」
他の3人が深刻な顔で話していても、このフロアにおいてむしろ恩恵を受けている優太だけはどこか実感が湧かなさそうな顔をしていた。
まあそれも仕方ない事なのかもしれないが。
そうしてひいひい言いながらの探索だったがやっとお目当てのものに遭遇する。
「お、やっとの遭遇だぜ皆。3匹だ。それぞれ別の魔物っぽいぞ」
「本当? 今日はもうこの一当てで終わりにしましょうね」
「……賛成。このままじゃ干上がってしまう」
「そうだね、コカトリスとかも食べて見たいし、戻りどきといえば戻りどきだもんね」
「よし、じゃあまずは例によって……っと」
恒例のアナライズとペネトレイトを合わせてまだ遠くにいる魔物にかける。
まずは普通のトカゲと比べれば大きなトカゲの様な魔物からだ。全身が赤銅色の綺麗な色をしており、口から火を噴いている。
名前:サラマンダー
戦闘力:〈30,000〉
有利属性:炎
不利属性:水
使用魔法属性:炎Lv25
スキル
〈火炎ブレス:(対象を中確率で状態異常:火傷にする広範囲ブレス)
焔の体:(通常物理攻撃全てに低確率で火傷の状態異常を付与する)
焔喰い:(火傷状態にある対象を一飲みにして耐性を無視して即死させる)〉
続いて炎の形をした女性、いや、むしろ女性の姿をした炎とでも言うべき魔物だ。
名前:ファイヤー・ジン
戦闘力:〈25,000〉
有利属性:炎
不利属性:水
使用魔法属性:炎Lv30
スキル
〈ダンシング・フレイム:(対象をしつこく追尾し、命中すれば暫く対象にまとわりついて、対象を火傷状態にする速度の遅い炎弾)
バウンド・フレイム:(ゴム球の様に当たれば跳ねる火球をばら撒く)
炭化炎:(火傷状態にある対象を焼き尽くし、耐性を無視して即死させる青い炎)〉
最後は動く人骨、スケルトンだ。勿論ただのスケルトンではない。普通のスケルトンが目や口から炎を噴き出させている訳がない。
名前:・ヘルフレイム・アンデッド
戦闘力:〈28,000〉
有利属性:炎
不利属性:水
使用魔法属性:炎Lv30
スキル
〈ストレート・ショット:(地獄の炎を熱光線に変え、一直線に放つ。命中した相手を中確率で火傷状態にする)
ウォール・クラッシュ:(炎の壁を作り出し、対象を押しつぶすように前に押し出す。命中した相手を中確率で火傷状態にする)
炭化炎:(火傷状態にある対象を焼き尽くし、耐性を無視して即死させる青い炎)〉
それぞれ炎魔法のレベルの高く、戦闘力も高いこともそうだがスキルに一番驚いた。もはや当たり前のように火傷付与の効果と火傷に対しての耐性無視の即死技が入っている。
前の階でフロア効果や特定の状態異常にかかっている時に通じる耐性無視の即死技の存在を知っておけてよかったと言えるだろう。いきなりこんなものが来ても面食らってしまって退却していたかもしれない。
「もう当たり前のように耐性無視即死あるよこれ……」
「これはもうあれね、攻撃を一切受けない事、火傷になったら一も二もなく逃げて火傷を治すことを徹底しないと普通に死ぬわね……」
「……地獄」
「うわぁ……流石にこれは怖いなぁ……」
少し腰が引ける優太、だが魔物はこちらに気付いたようで戦闘態勢をとる。
「逃さねーってよ親友」
「わかってる、逃げないよ」
「これは少し腹を括らないといけないわね」
「……通常の戦闘にも死がちらつき始めてきた。でも怖気付いていられない」
「だな、よっしゃ行くぞ、戦闘開始だ!」
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次回の更新は3/17(木)とさせていただきます。宜しくお願い致します。




