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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
ダンジョンに適応する日本
329/385

第三百二十一話 第二階層目ボス 後編 1

累計PV数660万突破、評価者数910人突破、いいね数200件突破いたしました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「え……?」


 突如響いた謎のひび割れ音、その音と共に感じた身体が重くなるかの様な違和感。とっさにジュディは自分の腕を見ると、腕のあちこちに小さな石の破片の様なものがくっ付いていた。

 普通ならその程度なんと思うこともないだろう。

 だが、その石の破片がパキパキと音を立ててゆっくり広がっていっているとあれば話は別だろう。


「う、こ、これは……!」

「ジュディさん、どうしたの!?」

「分からないけど……土属性魔法を持っているからわかる、体が石化していってるみたいなの!」


 ジュディからの突然の報告に全員が驚いた。


「はぁ?! だって、あのボスゴーレム相手を石化させるスキルなんて何も持ってなかったじゃないか!」

「そうよね、そのはず……でも身体が徐々に石化していってるの、それは確かよ……」


 秋彦はもう一度ボスゴーレム事ハイ・トパーズ・ゴーレムの情報を見直す。だがやはりボスゴーレム自体には石化の能力はない。

 そして情報を見直していてこの状態においてもう一つまずい事を思い出す。


「ちょっと待った、あのボスゴーレム、石化した相手を即死させるスキル持ってるぞ?!」

「ええ、そうなのよね……このままだとまずいのよね……」


 ジュディらしくない暗い声で秋彦の指摘に答える。

 もしこのまま石化が進んでジュディが完全に石化すると、あのゴーレムはジュディを全力で殺しに、壊しにくる可能性が非常に高い。そう言ったギミックがあるなら優先的に仕掛けを利用しにくるのは当然だ。

 つまり、ここのボスはどう言う訳かステータスなどでは出てこない方法でこちらを石化する方法を持っており、その石化能力と、石化した物を確実に殺す技で確実に殺し、もし石化に対して耐性を持っていれば、装備の効果なら装備を破壊する事で石化をかけて確実に殺す。

 今回のボスはそういうコンボで仕留めにかかっているらしい。思わず舌打ちしてしまうと言うものだ。余裕だと思っていたら、その実かなり危ない所だったらしい。もし先程の攻撃をジュディが全員に代わって受けていなかったら全員のアクセサリーが壊され、最悪全滅もあり得たかもしれない。

 その事実を知って、顔つきに緊張感が出てくる。


「余裕かましてたけど……こうなった以上話は別だ! 親友! 茜!」

「ハイ! ジュディさんが完全に石化する前に……」

「……ボスを破壊する。手加減はなし!」


 素早く指示を出す秋彦、受け取る側も真剣で魔法力のオーラが優太も茜も高まっている。


「頼む! ジュディは後衛組の所まで退避! 石化が進んでどこまで即死放ってくるかわからないからな、前は俺が出る!」

「そんな危ないわ! 私も……」

「ダメだ命は一つしかないんだぞ! それにアレの攻撃は1発も貰っちゃいけない以上、防御を主体にするジュディは相性が悪い!」


 再び前に出ようとするジュディを秋彦が止める。

 しかも前に出ては行けない理由もセットで言われてしまうと前に出ようとした足もつい止まってしまう。


「大丈夫だ! チリ一つ被らない回避で足止めしてみせるって!」

「……わかったわ、お願い」

「安全圏に離脱したら、その石化治せるかどうかとか色々試してみておいてくれ、頼んだぜ」

「わかったわ、死なないでよね!」

「おうさ、任しとけって!」


 自信満々な表情で言われてしまい、ジュディも諦める事になる。

 まだ動く足で全力でその場を離脱するジュディを背に、秋彦は改めてボスゴーレムに向き直る。

 幸い先程の優太の魔法攻撃で下半身は崩れており、腕だけでも移動はできるとはいえ機動力は削がれているし、いくら細いとは言っても下半身が崩れると言うことは受けたダメージも大きいだろう。

 茜も魔法攻撃に参加するのだし、茜の魔法攻撃での攻撃も考慮すれば、もう一度先程の威力の魔法を優太が撃ったら今度こそ沈むはずだ。

 だがあれ程の威力ならばまだ魔法力の増幅には時間がかかるだろう。その間は何としてでも後衛に攻撃を行かせない様に秋彦が前線に居座り続けて障害物になり続ける他ない。

 こうなった以上、物理で殴っても効果が薄いのは逆にありがたいのかも知れない。何故ならやることが単純だ、ボスゴーレムの攻撃を躱して躱して躱し抜く。それこそ先程ジュディに言ったようにチリひとつ被らない程に躱し抜かなければならない。

 万一攻撃を掠ってアクセサリーが壊れればジュディ同様死の危険が出てくる。むしろ前線にいる以上今のジュディよりも危険になるし、何よりもうボスゴーレムの攻撃を回避出来る人がいなくなる。そうなったら待つのは死だ。

 息を呑む秋彦。

 ボスゴーレムは今の指示出しの間に、砕けて残った腰を地面に思い切り突き立てて固定していた。

 なるほどあれならその場から動けなくなる代わりに片腕を支えにしなくても直立出来る。つまり両腕を戦闘に使用できるということだ。

 先程の攻撃の範囲から見ても、距離的には先程の場所からさらに下がった後衛にはギリギリ届かないが、秋彦はバッチリ圏内だ。

 どうやら相手は秋彦を殺してから残りの後衛を殺す算段らしい。


「は! きっちり仕留めてから次に行くってか。上等! オラ来い! 時間切れまで遊んでやらぁ!」


 そして、優太と茜がボスゴーレムを倒すまでの長い様で短い耐久戦が始まった。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次回の更新は3/3(木)とさせていただきます。宜しくお願い致します。

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