第三百十三話 従魔強化
累計PV数636万突破、評価者数890人突破、ユニークPV103万突破いたしました!
これも皆さまからのご愛顧の賜物です。
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
「二つ目の対抗策としては従魔だよね。護衛をつける事」
「あー、やっぱそうなるよな」
ライゾンから受けた身近な人を守るための対抗策として次に提示されたのは従魔による護衛だった。
まあこれに関しては秋彦も考えはできていた。やはり従魔を護衛につけておけば安心してダンジョンに行くことができる。一応龍之介やエリザベスを始めとしたレインボーウィザーズの従魔達は、普通にそんじょそこらの探索者よりも強く、まともにやりあえるのは最低でも中級挑戦者レベルだ。
しかも従魔達は秋彦達と違って人間の姿になる事はできても人間ではない。
つまり人間特攻武器が一切通用しないのである。レベル自体は秋彦達と同じくらいであっても人間特攻に頼り切った連中が相手ならやりようはある。逃げる事はもちろん返り討ちだって十分あり得る。従魔自体は悪き人間達相手ならとても有用な護衛となる。
ただそうなると大きな問題ができてしまう。
「でもなー、そうなると龍ちゃん達はもうダンジョン行けなくなっちまうからな〜、本人達一生懸命俺たちのためにレベルアップと素材収集頑張ってくれているのにそれはちょっと切ない気がする」
秋彦達も今従魔達が自分達のレベルを上げるべく、日々ダンジョンで探索者活動を行い、いろいろな素材を持ち帰って来てくれている。秋彦個人としては骨加工に使える素材があると素材不足でわざわざ下位のダンジョンに行かなくて済むので非常にありがたい。
それに本人達が頑張ってレベル上げしているのにその気概に水を差したく無いという気持ちもある。
「なら新しい別の魔物を従魔にすればいい。別に従魔は1匹だけしかできないわけでは無いんだ。というか君は割と持てるはずだよ?」
「え? そうなの?」
「そうだよ、ほら、見てみたまえ」
言われるがままにダンジョンウォッチを見てみると、ステータス表示がいつの間にか表記が変わっていた。
「あれ? なんかユーザーインターフェース変わった?」
「この間大規模な表記改修したんだよ。前の奴はちょっと表記がごちゃごちゃするし、もっと簡潔に表記する様にしたのだよ。装備は主だった特徴的な物だけ。スキルや使える魔法の説明は全撤廃。いちいち書いていたらキリないからね。初期の表記は初期の物。もう初期と呼べないくらいに成長した人が増えているんだから、それに合わせた表記に変えていかないとね!」
「お、そうだな」
「で、見て欲しいのはここだよここ!」
ライゾンがステータス表記の部分に指をさす。
モンスターテイマーのスキル項目だ。1/3と書いてある。
「え、これは?」
「今の従魔の数と最大で増やせる従魔の数だよ。今の君なら3匹は仲間にできるって事さ」
「え、えー! それは普通にすげーぞ!」
「そうだよ、戦闘力依存で数増やせる様にしているから結構きつめにしてるんだけど三匹って相当だよ?」
そう言われると護衛に1匹新規で雇用して、さらにもう1匹素材集めに行かせる余裕もできるということになる。
「ん〜、じゃあ新しい仲間探しに行こうかな?」
「まあそれなんだけどさ、実はまた新しいシステムを作ってみたんだよ」
「お、どんなだよ?」
「ふっふっふ、その名も【ザ・ファーミングモンスター】さ!」
「なんかすっごい聞き覚えがある気がして怒られそう! 最近スマホゲーでリメイクされてなかったっけそれ?!」
「まあまあ細かい事は気にしてはいけないよ」
秋彦からのツッコミをスルーし、説明に移る。
今まで秋彦達を始めとした全ての探索者はDPというダンジョンを攻略することで得られるポイントをダンジョンウォッチ内で消費することで自分に足りないステータスや自分が今まで手をつけた事のない技や技術をスキルという形で習得することができる。
今度はそれらを自分達の従魔に対しても適応させる様にするという物らしい。
「最初期はね、戦いのたの字も知らない人達でも戦える様に戦闘技術を習得させることを目的としていたんだけどね。ある程度戦闘技術が上がると自分でどんどんDPを使わないで成長して行っていく様になってね。レシピ本とかもその姿勢を尊重するべくそういう方向に持っていく様にしたんだけど、そうしたらDP自体が後半あっても意味ないポイントみたいになっていってるみたいでさ。で、こういう風にしたの」
「ふーん……あ、でも良いな、【ドラゴンダンス】とか【龍の暴虐】とか、使える技を増やせるのか」
「ああ、で。これなんかあると良いと思わないかい?」
ライゾンが指差す先に書いてあるスキル。
「【一族の号令】……? へえ、ゴブリンが使う仲間呼びのドラゴン版か!」
「そうそう、それにこれらを使いまくれば主人より従魔を強くすることもできるんだ」
「……え、それ良いのかよ? 前にそれやると人間がダンジョンに行かなくなるからダメとか言ってたろ?」
「はっはっは。それに関しては大丈夫さ。むしろできる物ならやってみろという感じさえするよ」
「ん? て事はなんかカラクリがあるんか?」
「カラクリというほど大層な物では無いがね、単純に必要なDP量の関係だよ」
含みのある言葉に訝しみ、とりあえず成長のためのリストをみて、一つ一つの必要DP数を見てみる。
……思わず絶句した。
「技一つ100万DPに、能力成長の必要DPも超弩級、とどめに主人以上に成長できる様にする【成長限界突破】は1億DPと来たか……」
「そう簡単にそこまでさせるつもりはないさ。ま、エンドコンテンツのようなものだと思ってくれたまえ」
「もしかしてやれる物ならやってみろっていうのは……」
「最低でも中級は制覇しているし、上級レベルであっても周回が安定していなければここまで来れないはず。そこまでの実力があるならばもう良いかなってね」
「お、おおう、とりあえず気軽にこれる所じゃ無いのはよくわかった。茜は残念がるだろうが……まあ、今後の楽しみの一つと思っておくわ」
「これらが今取れる策かな。差し当たって君はまず護衛用の従魔を探したまえ」
「おう、そうするわ」
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次回の更新は2/3(木)とさせていただきます。宜しくお願い致します。




