表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
ダンジョンに適応する日本
316/385

第三百八話 クリスマスの準備

累計PV数615万突破、総合評価17,200pt突破いたしました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「うー、徹夜明けの日光が眩しいぜ……すっかり寒いってのに」


 大あくびをしながら工房から空を見上げる。冬休みに入って早々魔法石の注文をこなすべく工房に篭っていたのである。

 なんとか今日中にノルマを終えてしまいたかった。なにせ今日はやるべきことがある。こんな事に手間取っている場合ではないのだ。


「さて、さっさとシャワー浴びてシャキッとするか。寝惚け眼でデートにゃ行けねーしな」


………………………………


「はー楽しい! やっぱり買い物って心が洗われるわね!」

「お、そうだな」


ジュディが嬉しそうに戦利品をこれでもかと言うほどに詰め込んだマジックバッグを持って意気揚々とデパートを歩く。

 デートという体ではあるものの今日の目的は大半が買い物だ。勿論私物のみと言うわけではない。

 今年は秋彦の家でクリスマスパーティーをする事になったのでその準備をする事になったのだ。話題を逸らすために咄嗟に出した話題だったが思いの外食いつきが良かった事もあり、せっかくだから家の建て替え前にやる最後の宴会の様な感じで盛大に行う事にしたのだ。

 今までだったら両親もまだアメリカにいて一人で生活していただろうし、ケンダのフライドチキンバーレルとカットされたケーキの一切れでも買って、家でクリスマス特番でも流しながら一人でさっさと食べて終わりでも良かったかもしれない、

 だが今年は将来妻になることがほぼ確定している女性、しかもイギリス出身の外国人女性がいるのだ。

 キリスト教圏ではクリスマスといえば、年に一度の一大イベントだ。日本でいう正月に近いものがある。

 クリスマスに仕事で子供を一人にでもしたら、育児放棄で訴えられるレベルには重く考えられている行事だ。はっきり言って手は抜けない。

 一応ジュディもこちらの流儀に合わせるとして、厳かなクリスマスでは無くお祭りの様な雰囲気を楽しむと言ってだいぶ張り切っている。 


「それにしても秋彦ったらクリスマスを彩る飾りどころかクリスマスツリーさえ家に無かったじゃない! あれで良くパーティーしようなんて言えたわね?」

「い、いやー、はっはっは……」


 だが秋彦の家にはクリスマスを彩るリースや電飾と言ったものが何もなかったのである。急遽クリスマスガチ勢であるジュディが急遽買い物と飾り付けの日として今日の探索者活動を中止したのである。有無を言わさない迫力があった。

 ジュディのこだわりは本場出身だけあって、ツリーはプラスチックのものではなくきちんと飾り付け用の幼木を買い、電飾も秋彦が思わず、これ全部飾る気かよとツッコミを入れてしまうほどの量を買い込んでいた。


「今年は実家でクリスマスを過ごさないから、飾り付けの楽しみがなくて張り合いがなかったんだけど、やっぱりクリスマスに向けての飾りつけを選んで買って、飾り付けては冬の風物詩、いえ、もう義務みたいなところがあるわよね!」

「うーん、取り敢えずジュディが楽しそうで何よりだぜ!」


 熱量多いジュディだが、秋彦としてはとりえずこんなジュディの一面を見れただけでも提案した甲斐があったと言う気がしないでもない。まさかここまでハイテンションになるとは思っていなかった。


「さあ、次はプレゼントを買うわよ! まだまだ今日は始まったばかりなんだから!」

「お、おー! こうなったら徹底的に付き合ったらぁ!」


………………………………


 日も傾き、ようやく友人家族に送るクリスマスプレゼントの選定と購入が終わり、後は家に帰って飾り付けを行うだけとなった。


「いやー、買ったわねー! 実は家にはいつも最初から飾りがあったから飾りを自分で一から買ったのって今日が初めてだったのよね。いい経験をさせてもらったわ!」

「俺もこんなにすげぇ量の飾り付け買ったの人生で初めてだわ」


 ちらっと今回の買い物における戦利品の入ったバッグを見る。多分こんなにクリスマスに対して用意を行ったのは今回が初めてだ。両親もアメリカに出張に入っていたし、飾りやパーティーを家で楽しむ事はあったがここまで大規模ではない。未知なるクリスマスの体験に最初は引き気味だったが途中からワクワクし出すくらいには色々買ったし準備も出来る。

 今までと比べると超規模のクリスマスになる予感がする。

 そしてそうなった時に急にやることを思い出した。


「あ、そういや七面鳥の話してなかったな」


 七面鳥。クリスマスパーティーの主菜においてこれ以上のものはないクリスマスパーティーの食の主役である。

 日本では珍しく、あまり取り扱う店が少ないので某チェーン店のフライドチキンのバーレルなんかで代用する家庭も多いだろう。

 だがジュディ、それを断固拒否。「クリスマスにターキーを食べないなんて!」と両手で顔を覆ってしまったのである。いくら文化の違いだからと言っても許せる範囲と許せない範囲はあったらしい。

 そんな訳で今年は何がなんでも七面鳥を手に入れようと考えていた。


「予約できるお店あったの!?」

「おおう、食いつく食いつく。さっき蔵屋敷のおっちゃんとこから連絡があった。アメリカ産の七面鳥の取り寄せできるみたい」

「やった! すぐに予約をお願い! ああ良かった……ターキーの無いクリスマスなんて切なすぎるわ……!」

「めっちゃ安心してる……とりあえず予約だと予約票書かなきゃいけないって話だしちょっと行って書いてくるわ」

「わかったわ、じゃあ私飾り付け先に始めてるわね」

「ん、よろしくー」


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次回の更新は1/17(月)とさせていただきます。宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ