第二十九話 初級ダンジョンお宝
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「よーし帰ってきたぜ我が家に!」
「ちょっと開けただけでも色々入ってたからね、これは期待大だよ!」
さっさと秋彦の家に帰り、秋彦の家にある地下室へ。シェルターにもなる倉庫らしく、父曰く「アメリカでは一つの家に一個あるのが当たり前」だそうだ。アメリカで仕事している関係か、変なところでこだわりを出してしまったらしい。机と椅子、本棚がひとつずつ。三段ベッドと冷蔵庫と保存食。シェルター化するための空気清浄機がある以外は何もなく、だだっ広い部屋だ。
今回に限っては都合がよかった。こんな重い物リビングに置いたら床が抜けかねない。ここなら下は地面。抜けようがない。
それはともかくとして、秋彦も優太もテンションが上がりっぱなしである。
初のダンジョンで汎用的に出る、アイテムボックス代わりにもなる宝箱。
テンションも上がると言う物だ。
「ではでは改めて中身見てみよう! 適宜アナライズしてくからな」
「はいはいはーい! では改めてもう一回……御開帳~!」
中を開けると、ぱっと見た感じ金銀財宝が入っているわけではないようだが、改めて見分していく。
まずは服だ。服というかローブである。ゲームの魔術師が着ていそうな感じ。
アナライズしてみる。
【魔術師のローブ】
≪魔術を使うものが愛用するローブ。魔法に優れたものが着ると防護魔法が掛かり、防御力が高まる。≫
「おおー、いいじゃんか! 親友の防具だな」
「だね! はは、やった!」
「で、次は何がある?」
「次は……これ!」
次につかんだものを引っ張り出す。
指輪だ。シルバーでいかついデザインの物が6つ。
ただの指輪と言う事もないだろう。アナライズをする。
【ドレスアップリング】
≪登録した服や装備をしまい込み、合言葉を唱えると登録した装備にすぐに着替えることができる。合言葉は『チェンジ、ドレスアップ』≫
「ほー。じゃあこれめっちゃ便利じゃん。わざわざ武器持ち歩いたり、俺のみたいに派手な衣装に着替える手間を省けるってこった」
「いいねいいね! これはこのローブも武器もあるし、僕にも必要! 僕にも一つ頂戴!」
「いやいや、別に独り占めしないから安心しろって。次だ次」
「はーい」
次に出てきたのは数々の綺麗な色をした石。当然アナライズをする。
【魔石】
≪様々な魔力のこもった魔石。魔法の触媒になったり、自然エネルギーとなったり、用途は様々≫
「……俺らもこれ使ったりできんのかね? なんか用途が広すぎんのか何なのか知らんけど、用途は様々としか出なかった」
「うーん……これは後で、雨宮さんに見てもらおう。雨宮さんから研究機関に買ってもらえばいいだろうし」
「そーだな。で、後は?」
「後はねぇ……」
更にごそごそと漁って出てきたのは、色鮮やかなフラスコ入りの液体の数々だ。形も色もバラバラだ。ひとつづつアナライズをかけていく
【ヒーリングポーション】
≪大怪我を治す。体の欠損は治すことはできないが、マジックポーションよりも回復量は上。魔力の回復は出来ない≫
【ウィザードポーション】
≪魔力の枯渇を治すポーション、魔法使いなら一つは持っておきたい品。怪我の治療は出来ない≫
【キュアポイズンポーション】
≪魔法による毒を治療するポーション、通常の毒でも、死んでいなければ治療可能≫
【マジックポーションⅡ】
≪怪我と魔力の治療を行う。マジックポーションよりも効果が高い≫
【パワーアップポーション】
≪一時的に飲んだ者のすべての力を上昇させる。持続時間は短いため、過信は禁物≫
【アンチシックポーション】
≪免疫力を上げ、病を治りやすくし、また病にかかりづらくするポーション≫
「そういえばこの間マジックポーションの飲みすぎで腹壊したもんな。今後はこういうのに切り替えていかなきゃならないか」
「だねぇ……えっと、次々」
次に出てきたのは手箒だ。ちょっとした埃をササっと払うのに便利そうだ。だがアナライズをするとこう出た。
【シルフの手箒】
≪振るうと風魔法【ブロウ】と同じ効果が得られる手箒。通常の手箒としても使用可。耐久性が乏しく、しばらく使うと壊れる≫
「ほー、魔法の一つが使えるようになるアイテムか!」
「回数制限ありか……僕が風魔法使えるからなぁ……」
「まあ風を使えない人に譲るのもやぶさかじゃねーな。次行ってみよーぜ」
「ええっと……あ、これで終わりっぽいな……って、デカい?!」
最後に出てきたのは大きめのドールハウスだ。店のような形をしている。
見た目のインパクトや、どういう物か全く想像できないので今日最後のアナライズをかける。
【妖精商店】
≪妖精商人の展開する商店。店員の妖精商人を呼べば、カネーと引き換えに様々な商品を購入できる。店員を呼ぶにはおちょこ一杯分のはちみつを用意し、レジ前の呼び鈴を鳴らす事≫
「おー、最後の最後にいいもん手に入ったなおい」
「どう考えても僕らだけじゃ持て余しそうだね……」
「所で、カネーって何だろうな?」
「ダンジョンで拾った硬貨だと思うんだけど……どうなんだろ?」
でかでかと場所を取る妖精商店。正直家に置いておくには気が引ける。秋彦に人形遊びの趣味はないし、優太も同じだ。家族の目があるだけ優太の方が家に置いておくには状況が悪い。
だが、これを手放すという選択肢もない。
「そうだ、これ、明日またあのメンツで今後の氾濫云々の対策とか、あと探索者ギルドの設立の前祝いとかもやるんだったし、ちょうどいいからこれ土産にしようぜ」
そうだと思いついたことを話す。
明日は前回の騒動の前に集まった会議室にて、迷宮探索を行う人間という身分を保証、武器や防具の売買、魔物や魔物素材の売買を行うプロの迷宮探索者である証である、【迷宮探索免許証】の配布。
そしてダンジョンの氾濫を受けて、一か月の間で新たに生まれる【迷宮探索法】。それに伴い、法に基づいて探索者たちが現在行っているダンジョンの氾濫日数をリセットする間引きを、国が依頼する依頼口となる、【探索者ギルド】の設立の前祝いを行うので来てほしいと雨宮から呼び出しを受けたのだ。
これからはダンジョンを探索する探索者同士、協力することもあるだろう。それに迷宮探索免許証は必要なものだ。そのことを考え、出席することにしている。せっかくだ。今日初級ダンジョンで手に入れたものと、この妖精商店を探索者ギルドに設置してもらおう。
「あ、そうだね。そうしようか」
「おう。じゃあ今日はここまでだな。明日は学校終わったら前回の会議室だ。それ終わったらまたダンジョン行こうぜ」
「うん!」
皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。
これからも頑張っていきますので、ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!




