第二百九十五話 中級ダンジョン 一階層目ボス 後編 2
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秋彦はスペシャルスキルによって暴走した時、それによって起こった戦闘。それらはチームメイトもしっかり目撃していた。
「あーあ、また暴走しちゃってるよ秋彦ってば……まあ攻撃した相手は倒したから収まるだろうけど」
「……話には聞いてたけど、予想以上のキレっぷり。さっきに限っては好都合かも? でも優が心配したのが分かる、あれじゃどっちが魔物だかわかりゃしない」
「あらあら、秋彦の暴走、ちゃんと見たのは初めてだわ……普段は気のいい人なのに。私の知らない一面を見れて、ちょっとラッキーかも」
そんな仲間たちの感想をよそに自分を攻撃した相手が倒れた事で理性が戻ってきた秋彦。そして今更ながらに暴走中の自分がとった向こう見ずすぎる行動に頭を痛める。
「……秋彦! ぼーっとしてないで他を早く仕留めて!」
「そろそろスリープ・シープの数が怖いから、早く!」
優太と茜の言葉で我に返る。まだ戦いは継続しているのだ。慌ててやりを構え直し声を掛ける。
「そ、そうだった! 片っぽやったら向こうの駆除頼む!」
「急いで!」
「はいよぉ!」
そのやり取りのままに優太が魔法攻撃で抑えている銃持ちメイド羊に攻撃を仕掛ける。メイド羊も近づかれまいと銃で応戦する物の、優太の遠距離攻撃を撃ち落としながらでは攻撃精度が明らかに落ちていた。難なくたどり着き、秋彦は先ほどの様に体勢を崩すように素手で攻撃をし、そのまま銃を奪い取り、一撃で葬る。
尤も今度は奪い取った銃で発砲するのではなく地面に突き立てた槍を取って槍で首を撥ねる形だが。
そして銃持ちメイド羊を抑える必要がなくなった優太に声を掛ける
「やったぞ! スリープ・シープ駆除頼む!」
「はいよ!」
割と気を揉んでいたスリープ・シープの駆除に戻れた事で、声に答えた優太の声には安堵がにじんでいた。
「さて、もう二匹落ちた。後は消化試合だが……油断はしねぇ。このまま押し切るぞ!」
そして茜が抑える最後の銃持ちをメイド羊倒しにかかる。今の時点で頭数が二匹減っているのでこの時点で勝敗は決したような物なのだが、油断するとすぐにひっくり返されるのが世の常だ。油断はしないようにしなければいけない。
そしてその予感は正しかったらしい。
二匹の銃持ちメイド羊が倒された事で大剣持ちメイド羊がジュディに応戦するメイド羊の数を減らしてでもこれ以上の銃持ちメイド羊の数を減らさせまいと秋彦に向かってきた。
だがそれを見越して優太が牽制に炎の矢を大剣持ちメイド羊に打ち込む。スリープ・シープという雑魚魔物掃討の片手間ではあるが効果は抜群だ。メイド羊は優太の遠距離攻撃を気にせざるを得なくなってしまい、動きが明らかに鈍っている。
そしてその隙を、秋彦は見逃す事無くメイド羊に攻撃を加え、速やかに倒してしまう。
こうやって敵の戦術を自分達が行うとそれがどれほど有用かよくわかる。足止めの為の長距離攻撃による牽制攻撃というのは当たる当たらないにかかわらず、向こうが攻撃してくるかもしれないと言う状況状態こそが本当に攻撃を受ける側の足を止め、行動を大幅に制限するのだ。
攻撃する側からしてみれば片手間であっても牽制相手を常に見ながらの攻撃であっても受ける側からすればそんなことは分からないし関係ない。なにせ相手がいつどういう基準でこちらの攻撃を見て攻撃しているのかがわからないからだ。
これが軍単位の大規模な戦いならまだ判断基準を推測し、推測の元動くことも出来ただろう。だがこれは個人やチームレベルでの戦いであり、個人の裁量が攻撃に大きく働くとなったら、攻撃を読み切るには相手の一挙手一投足に気を配って相手の攻撃を見切るか、攻撃してくる相手の頭の中身を見るかしない限りは予測がつかない。
これはやられる方は相当にいやらしく感じるだろう、そう確信してしまう。実際秋彦とジュディもかなりひどい目にあっていた。
などと優太が考えていたらもう最後の銃持ちメイド羊も倒されており、相手の遠距離攻撃部隊は全滅していた。
その時点で残るは前衛の大剣持ち二体とボス羊のみである。
そこでようやく勝負ありだと宣言できる状態になったと言えるだろう。
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