第二百九十三話 中級ダンジョン 一階層目ボス 中編 2
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「よっしいくぞ!!」
最初に距離を詰めるべく動いた秋彦。だが威勢のいい言葉は銃声によってかき消された。
距離を詰めようと跳んだら狙い撃たれたのである。間一髪で躱したが、敵の足を止める射撃攻撃を喰らいかけて少し狼狽えてしまう。
「っとと! あっぶねーな……俺の危険感知が避けさせるってんならやっぱりただの銃弾じゃねーんだろうな……」
あのメイド羊の銃を持ったタイプ、こちらを直接狙って撃つだけでなく、こちらの動きを見て飛び掛かってくるタイミングで的確に牽制で撃ってくる場合もあるらしく、むやみに近寄り辛い。秋彦の危険感知が回避を選ぶくらいにはあの銃は威力があるようで、思うように動けない。
更にこちらがまごついているのを見越して大剣を持ったメイド羊がこちらに突っ込んでくる。
鍔のない刃と柄しかない無骨で太い大剣だ。流石は魔物、並の人間では振っただけで肩が外れかねないような代物。それを持った上で素早くこちらに突っ込んできているのだ。見た目共々尋常ではない。
秋彦の目の前に来るまでに振り上げ、秋彦の目の前に来たと同時に振り下ろす。たったそれだけの行為に死の危険を感じるのは流石の中級ダンジョンのボスが出す手下と言ったところか。
だが秋彦とて伊達に修羅場をくぐり続けてきた訳ではない。秋彦はその振り下ろしを槍で受け止めきる。
メイド羊の振るう大剣と比べてしまえば一見細く、頼りなく見えるかもしれないが、そこはグレイトアンデッドドラゴンにとどめを刺すに至った逸品だ。しかも秋彦にはそれを扱うだけの力量があるのだ。細く見える槍でもへし折れたりなどしない。
受け止めた大剣を弾き飛ばし、お返しに突きを浴びせようと槍を向ける秋彦。だがここで銃を持ったメイド羊が銃弾を放って来た。当然当たる事は無いのだが、回避を行った事で追撃のチャンスを逃してしまった。
「ふーむ、良い連携してんじゃねーか。いやーなタイミングで仕掛けてきやがって……てめーらぜってージンギスカンにして食ってやるからな、このクソメイド!」
思わず悪態をつく秋彦。
どうも始まってからこの戦いの流れを持っていかれている感じがして、秋彦にはそれが腹立たしく感じられてきてしまっていた。
実際、突撃を牽制され、逆に相手の突撃を許し、追撃を阻止され、今もまた銃をこちらに向けられている。
こんな思いをするくらいならいっそ雷光突きを解禁すれば、恐らく銃弾をかわしつつも攻撃を加えることも出来るだろう。
だがこんなところでダンジョンにとっても仕掛け人側にとっても予想外の出来事で手に入れた武器のスキルに頼っては、今の自分のたかが知れると言う物だ。正直せめて中級とはいえ一階層のボスはイレギュラーに手に入れたスキル無しで突破したい所だ。
逸る心をぐっとこらえて再びメイド羊に向かって跳ぶ構えを見せる。
銃を持つメイド羊はその動きに対して秋彦だけでなくジュディにも油断なく銃を構える。どちらが、或いはどちらが突撃してもいい様に動きを阻害するつもりらしい。
優太と茜も遠距離同士弓矢と魔法で応戦してはいるものの、相手は的確に銃で撃ち落としてくる。
逆にメイド羊側はこちらの動きに合わせて行う射撃は撃ち落とされずに通ってしまう。
優太と茜の力量の問題ではない。これは単純に銃という武器の特性から来るものだ。
「これは困ったな……狙い自体は射線に入らなければ当たらんだろうが一旦発射されたら銃弾小っちゃ過ぎて弾速の速さと相まって見切れねーぞ」
これは多少銃に撃たれても銃弾の牽制をかいくぐって攻撃しなければ時間ばかり過ぎてしまう。そしてもたもたしているとあの親玉羊がレインボーウィザーズ全員を眠らせるための準備を整えてしまうだろう。それはまずい。ジュディは意を決したような表情をすると剣をしまい、盾を構える。
「なめんじゃないわよ、私だって御霊具を持って中級ダンジョンに挑んでるのよ。この程度の銃弾なんて……受け切ってやるわ」
「ジュディ……行くのか?」
「ええ、ほとんど思い付きの様なものだけど、私だってちょっとは向う見ずになれるって所、見せてあげるわ」
「OK、今日は俺がついていくぜ」
その言葉に満足げに頷きジュディは自らの身体から噴き出す魔法力のオーラを放出し、全身から力を引き出す! あふれるオーラは盾をに集まり、新たな魔法の系統を習得して色が変化したジュディの魔法力のオーラを纏い、鮮やかな金色の壁の様になっていた。
「ええ……行・く・わ・よ!」
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