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第二十八話 初級ダンジョン

日計PV9000突破、累計PV10万突破、評価者数70人突破、ブックマーク数600突破しました!

皆様からのご愛顧、本当にありがとうございます!

そして投稿が遅れたことをここにお詫びいたします。大変申し訳ございませんでした。

「これでとりあえず依頼分は終わったな」

「うん、これで4日は大丈夫。それにしても大して疲れもしていないし、強くなったねぇ」

「ああ、全くだ」


 今日の依頼である三件をすべてこなし、依頼主から金銭を受け取った。二人しかいないといっても二人とも成長したこともあって入門ダンジョン程度ならば楽な作業ではある。

 これで合計六万円。一人当たり三万円だ。二人ならそれなりに稼げる。


「さてと、親友。お互いそれなりに強くなったよな」

「うんうん」

「でも、俺らはまだあそこは行ってないよな。初級ダンジョン」

「【中谷町林のダンジョン】の事?」

「応さ。初級ダンジョンの氾濫までそろそろ時間がない。だから、一度見ておいた方がいいと思うんだよな」


 そういいながら、秋彦はマップを開き、最寄りの初級ダンジョンのデータを見る。


 中谷町林のダンジョン

 難易度:初級

 目標攻略レベル:25

 目標攻略時間:10日

 氾濫発生日数:11日


 ちなみに氾濫発生日数に関しては約一か月前にみた時は45日だったはずだ。つまり、初級は入門級と違い、一度踏破すれば後がかなり楽になる。

 秋彦の言う事は一理ある。ここで今の実力で初級ダンジョンに通じるかどうかを確かめ、あわよくば氾濫発生日数をリセット。


「……そうだね。よし、行ってみようか」

「おっしゃ! じゃあ早速……『力よ!』テレポテーション!」


………………………………


 中谷町林のダンジョン、そこは彼らの住まう中谷町の外れにある空き地にある小さな林だった場所がダンジョンの入り口となった場所である。入り口は洞窟のようになってはおらず、林の中に青く靄がかかった場所があり、そこに入るとダンジョンの中にワープする仕組みの様だ。

 場所としては秋彦達の家からは少し離れるが、十分歩いていける距離であるので、ここの氾濫は確実に秋彦達の被害にもつながる。

 慎重にダンジョンの入り口に触れると、青い靄が一瞬光輝いた。

 思わず目を閉じる、そして、目を開けるともうダンジョンの中の様だった。一見ただの林だが、充満する魔力がそれを教えてくる。


「おお、これは結構……」

「ピリピリするね」

「よし……じゃあ行ってみるか。あ、その前に武器と防具な。ずっとバッグに入れっパだったけど、これも久しぶりに着よう」

「ありがと、でもいつみてもその格好コスプレだよねぇ」

「しゃーねーべ、この衣装ガチで防御力が上がっちまうんだもん。本当にどう言う事なのさ、こんなぺらっぺらなのに元の布地はおろか、鉄とかより硬度があるんだと。さっさと着替えるからちっと待っててな」

「はいはいっと」


 秋彦がマジックバッグから取り出したのは優太の杖と盾、そして秋彦の槍と、日本魔物大氾濫で秋彦がファッションショーで着ていた衣装だった。ただし、赤が基調だった服が、蒼く染まってしまっている。フィールドキメラゴブリンの青い血を思い切り被ってしまったからだ。

 だがこの衣装、どういう訳なのか秋彦以外が持つと鉛のように重くなるうえに、秋彦が着るとただの衣装とは思えない、下手をすると鉄の鎧よりも硬く、しなやかな防具となるのだ。更に、破けた腕の部分がいつの間にか元通りになっていたことから、自己再生機能もあるらしい。いずれにせよ、秋彦以外は着られない上に、持っていても意味がないと言う事で、この衣装は秋彦がもらい受けたのだ。

 研究機関が、どうしてもというので切れ端を渡したが、切った部分も綺麗に再生しているので、防具としては全く問題ない。


「盾が装備できねーからこういうとこ大事」

「でもラッキーだったね。変に防具買い換えないで済むし」

「全くだぜ……よし終わり。じゃあ行くか」


 久方ぶりのパイクを持ち、出発。

 林のような見た目だが、木の密集部に進もうとすると結界のような透明、というか薄青い壁が道を阻む。やはり洞窟のダンジョンの様に進むほかなさそうだ。

 しばらく歩くと、広間があり、魔物が3匹、見た目はウサギのような形をしているが、額に大きく、鋭利な角を生やしていた。

 呑気に部屋をうろうろしている辺り、こちらには気づいていないようだ。


「おお、早速来たな。さて、まずはボンバーをぶっ放して見てくれ」

「分かった。『炎よ!』ファイアボンバー!」


 強化無しの一撃。まずは自分たちがここでどれだけ通用するかの確認だ。

 火球は三匹に直撃、したと思ったが、うち一匹がすんでで気付いて跳ぶ。残り二匹にはクリーンヒットしたが、どうやら全然戦えるようだ。


「あらら。これはストロングでの強化をもらっても倒しきれるかわからないね」

「そだな。おっと、来たぞ!」


 跳んでファイアボンバーを交わしたウサギがこちらに角を向けて跳んできた。


「お、こりゃ中々」

「うわっと!? え、早い?!」


 秋彦は余裕で攻撃をかわしたものの優太はウサギの軌道がほとんど見えていなかった。

 優太が狙われたときがちょっとまずいかもしれない。

 だが、まだ序盤だというのに、強化魔法を使っていたらおそらく先は無いだろう。


「盾をうまく使いなよ?」

「分かってる!」


 秋彦は手負いを一匹と、万全な方を引き受け、優太はもう一体の手負い一匹の相手をすることにした。

 ウサギはピョンピョンと周りを飛び回り、隙があればこちらを攻撃する戦法を取る。

 一匹だけでやるならまだしも、二匹同時に行われると結構面倒だ。さっさと一匹始末してしまおう。

 確かにこのスピードは追い付けない、目で追えない者には脅威だろう。背後から攻撃されてはたまらない。だが、しっかり目で追えるならこれはそんなに難しい相手ではない。

 相手がどこに居るかを確認し、突っ込んで来た所でカウンターを狙う。

 だってどんなに飛び回ろうとも、ターゲットが自分であり、相手が飛び道具を持っていない以上はどうあっても、こっちに接近して攻撃してこなければいけない。

 しかも、相手はその素早さを生かすためにこちらに攻撃してくるときは直線的な動きを取らざるを得ない。

 ならばやるべきは、しっかり相手の軌道を見極め、相手の軌道上に槍を置いておけばいい。

 元々武器の長さは秋彦の方が長いのだ。それだけで向こうが勝手に串刺しになりに来るようなもの。

 早々突っ込んで来たウサギ二匹を槍から外して優太を見ると、すでに優太はウサギを倒していた。あちこちに切り傷がある上に追加で焼いた様子がない。


「終わったのか。ってかこれ何したんだ?」

「ん? これはね、向こうがピョンピョン跳んでたから、風魔法の【ブロウ】で突風を起こして体勢を崩して、倒れたところをそのまま【ウインドカッター】で攻撃した」

「おお、そういや風魔法は初めて見たな」

「炎ばっかり使ってるけど、やっぱり善し悪しだね。炎は範囲広いけど速いやつ相手だと当てづらい。風魔法だと、範囲は炎よりは狭いけど、速いから敵に当てやすいよ」

「そこら辺は俺よくわかんねーが、とりあえず魔力はどうだ?」

「全然大したことないよ。もう魔法使いとして一角にはなったかな?」

「そうだな。よし、じゃあこいつらは後で解体すっからバッグの中に入れちまおう」

「後、さっきから気になってたんだけど、あれも拾おう」


 そういって優太が指を差す先には、宝箱のような大きめの箱がおいてあった。

 最初からあったのだろうが、戦闘を優先したのだ。中身を知る前に死んでは元も子もない。

 まずはウサギの魔物にアナライズをかける。

 ライブラリにこのように出た。


名前:ホーンラビット

レベル12

肉体力:150

魔法力:0

戦闘力:400

スキル

角突進:(【モンスタースキル】【アクティブ】額の角を突き出し突進する)

噛みつく:(【モンスタースキル】【アクティブ】ウサギの歯で噛みつく)

額に大きな角の生えたウサギ。角と自慢の脚力から繰り出される突進は強力。亜種に耳が鋭利な刃物になっているブレードラビットと、特に脚力に優れ、敵を蹴り殺すキックラビットがいる。

それぞれ角、耳は武器として使え、毛皮は強力な防具となる。肉はウサギ肉としておいしく食べられる。


 スキルも大した事は無いが、戦闘力はそれなりに高い。驚いたのは肉体力だ。150ある。

 現在優太の肉体力は160であることを考えると、その驚異的差がわかる。辛うじて肉体力が10だけ上回っていた事と、魔法の有無で勝ったようなものだ。秋彦は380肉体力があったから余裕でさばけたのだろう。

 とりあえず、ウサギは帰ったら解体し、一体は研究機関に買い取ってもらうとしてバッグに突っ込み、お楽しみの宝箱の御開帳である。


「さて、何が出るかな?」

「開けるよ!」


 ガチャリと宝箱を開けると、中には色々入っている。

 というよりもこれはおそらく……


「中がマジックバッグみたいになってるみたい!」


 マジックバッグは手を突っ込むと、中の空間の違いが、空気の温度でわかる。この宝箱もそれと同じ感じがする。おそらくはこれも見た目以上に物が大量にある。


「ねえ。とりあえず敵の強さとかもわかったことだし、これ持って帰ろう!」

「え~……と言いたいところだが、中も確認したいし、そうすっか」

「うんうん! ……ん? うーん……! これ、重い!」

「あ? そういうのは俺に任せとけって、重量挙げもあるし……ふんぬらばぁ!!」


 優太では持ち上がらなかったが、秋彦が何とか持ち上げられた。


「こ、これおっもい! は、早くマジックバッグ!」

「うん!」


 慌ててマジックバッグの中にねじ込む。マジックバッグなら重さを感じる事は無いからだ。

 しかしこれではマジックバッグのような扱いはできないだろう。家で大切なものを保管するときにはいいかもしれないが。

 いずれにせよ、中身が気になるのでお開きにする。ダンジョンの魔物の一斉駆除は無理でも普通に倒せることが分かった以上焦る必要はない。元々後11日あるのだ。また明日辺りに来よう。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも頑張っていきますので、ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 氾濫発生日数については、間引いても日数猶予が増えない設定なんですね。
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