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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
ダンジョンに適応する日本
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第二百九十話 中級ダンジョン 昼食

累計PV数518万突破、評価者数780人突破しました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

いつもいつもお待たせしていると言うのに感謝しかありません。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「さて、とりあえず警告は出来たし、ご飯終わったらまた一潜りする?」

「どうしようか、まだまだ体力的には余裕あるけどね」


 報告をしにギルドに来たらすっかり昼時になっていた。

 ここでは中世ヨーロッパ風の冒険者ギルドの装飾をしていることもあって食事も頼める。折角だからギルドで昼食を取る4人。雰囲気作りの為に出している料理だが、結構好評で、中でもおすすめの【スタミナパワーランチ】は牛系の魔物の肉を出すのだが、その肉が嘘のような巨大な肉塊を豪快に焼き上げて、塩コショウのみの味付けで食べるランチメニューだそうだ。


「とりあえず今はご飯に集中したいな、僕ここのご飯興味あったんだ。家並みに豪華な魔物食材を贅沢に使って料理するなんて、対抗心マシマシだよ!」

「おお、親友が燃えている。今なら箸近づけたら燃えるんじゃね?」

「燃えないからやめようね、リアルに火はついてないからね?」


 そうして笑い合う4人。

 思えばこうしてメンバーで食事をするなんていつぶりだっただろうか。おそらく最後に食事をしたのはグレイトアンデッドドラゴンを打ち倒し、地方都市奪還作戦を終えてから改めて行った身内のみの祝勝会以来だったはずだ。

 あれ以来、秋彦は職人として、優太は料理人として、ジュディは探索者向けの企業の次期社長として、桃子はアイドルとして、茜は政治家の卵として結構それぞれの道に進んでしまった感じはあったが、桃子を除いてメンバーは集結した。

 そう考えるとやはりメンバーを繋ぐのはやはりダンジョンであるのだなと再認識させられる。自分達を繋ぐのは絆でも友情でもなく……というのは少々語弊があるが、それ以上に強固に自分達を繋ぐのはやはりダンジョンなのだと思ってしまう。


「ん? どうしたの秋彦、何か随分ニコニコしてるわね?」

「んえ?! あ、い、いや、何でもねーぞ、何でもねー」

「……本当? 親友の優太、どう思う?」

「あれはいいことあった時の顔だったよ、絶対なんか微笑ましいこと考えてたね」

「え、本当に? 秋彦、何を考えてたの?」

「い、いいじゃねーかよそんなことは!」


 親友たる優太の指摘に秋彦は思わず自分の頬を両手で打ち付ける。そんなに変な顔をしていたのだろうか?

 話題を変えるべく、秋彦は先ほどから少し気になっていたことを話す。


「そ、それにしてもさぁ! なんだか以前と比べて探索者全般小綺麗になったもんだよな、一時期小悪党めいた様なのも割といた時期あったけど、ずいぶんクリーンになったもんだ」


 気になっていたことと言うのは客層の変化についてだった。

 地方都市奪還作戦前は割とアウトロー的な、感じの悪い連中は割と数が多い印象があったし、実際秋彦が顔を出した時にそういった連中から、関わり合いになりたくないと言わんばかりに下を向かれる事も珍しい事ではなかった。勿論これは下位の探索者の話で、地方都市奪還作戦に参加したレベル、いわゆる上位の探索者ともなれば話は別なのだが。

 だが最近はそういった連中を最近はめっきり見なくなった('最近は'を強調したくて二度言いました)。少なくとも秋彦達の拠点である仲町商店街にはそういった輩はいないし、この埼玉南部支店においてもそういったのはあまり見かけない。


「あー、それね。一時期うちにも変な人来てたからねー。最近は容赦なく追い払う事が分かったのかあんまり見なくなったけど」

「……治安維持能力の向上に伴う探索者達の自浄作用の向上。いい事だと思う」


 うんうんと頷く優太と茜。

 日本は探索者以外の一般人が魔物の脅威に怯えずに過ごせるようになった最初の国だ。一時期はそうして平和になった探索者達は、次は一般人に標的を変えてその超人的な身体能力や習得した魔法によって悪事の限りを尽くすのではないかと心配された時期もあった。

確かに一部そういった馬鹿はどこであっても大なり小なりいた。

 小さい奴らは個人による詐欺に恐喝といった一般人でも出来る範囲だったり、大きい奴らは徒党を組んで一地方の一部を根城にして、多くの探索者を取り込んでの一大勢力と化していた奴らまでいた。

 だが、そういった奴らと相対し、そのどれもを倒してきたのもまた探索者である。

 賞金首制度だって、表立って悪事を働く落伍者やそれの強化版である、やってることは落伍者であっても実力が高く、賞金首として手配書が回っている【札付き】と呼ばれる者達に対抗するために作られたシステムだ。

 仕掛ける方が守るよりも楽で、守りは難しい事もあって探索者は後手に回りがちだが、矢場チームインクレディブル・ロウの様に華々しく派手に大捕物を立ち回るヒーローの様なチームもいるのだ。

 ギルドが今の立場に甘んじることなく熱心に変わりゆく日本の安心と安全に適応し続けている結果の一つと言えるだろう。


「でも、本当にそうなのかしらね?」

「え?」


 だがこの雰囲気に水を差すように口を開くジュディ。


「なんだよ、どういうこった?」

「うーん、なんというかね、ああいった奴らって、根本から改心するって例はあんまり知らないのよね……ニュースでも落伍者や札付きはよく見かけるじゃない?」

「まあ、確かにそうかもね」

「なんというか、嫌な予感がするのよね……まるで新しい隠れ家見つけたみたいにサーッといなくなっちゃったし」

「……新しい隠れ家」

「や、やめろよ縁起でもない……」


 折角の雰囲気が少し重たくなってしまった。


「おまちどおさまです、スタミナパワーランチとなります」

「あ、来た来た!」


 だが、そんな空気をギルドの職員が持ってきてくれたものがぶち壊しにしてくれた。優太お待ちかねのスタミナパワーランチである。ささっと素早く机に並べられていく。

 そして並べられていくものの非現実っぷりに秋彦は思わず大口を開けて笑ってしまった。


「だっははは! なんだこれ! すっげー!」

「うわぁ、予想以上に嘘みたいなのが来た!」


 出てきたランチは話通り、いや、話以上に嘘のような巨大な肉塊を豪快に焼き上げられていた。

 このサイズは例えアメリカ一の大盛りステーキ職人でさえお目に掛かれないであろうデカさだ。少なくともダンジョンが世に現れる前までは其れこそゲームの世界でしか見たことが無いようなふざけた規格だ。人の顔所の大きさではない。タワー型のパソコンを横に倒して焼いたかのようなデカさである。どこぞの狩ゲーを想起する程である。

 だが見た目のインパクトが吹き飛ぶほどに鉄板で焼ける肉の発する匂いが驚くほどに豊潤で、原始的な本能を刺激するかのように秋彦達の腹を喚かせる。濃厚なステーキソースの焼ける匂いさえ歯が立たないであろうこの肉。これが塩コショウしかされていないとは到底信じられない。


「あー、これまずいわね……食べきれる自信なかったけど急に食べきれそうな気がして来ちゃったわ」

「……お腹すいた」

「うし……じゃあ、いただきます!」


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の更新も未定となりますが何卒ご理解とご協力をお願い致します。

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