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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
ダンジョンに適応する日本
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第二百八十四話 中級ダンジョン デーモンベビー

累計PV数497万突破しました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「おお……これが中級ダンジョンか……」

「見た目は……まあ当たり前だけど既存のダンジョンと大差ないよね」

「まあそうは言ってもいかにも自然にできた洞窟内にこんなのは予想できないわよね」

「……流石ダンジョン」


 ドレスアップリングで戦闘準備を終え、慎重にダンジョンの中に入る。

 ダンジョンの縦穴に入るまでは秋彦と優太が最初に入ったいかにもなダンジョンの様子だったが、入ってすぐにその印象は覆った。

 なんというか、まるでおもちゃ箱の中に迷い込んでしまったかのような錯覚を覚えてしまった。

 道の端にはクマのぬいぐるみに積み木といったおもちゃがあちこちに置かれていた。そして天井には普通のベビーベッドの真上に吊るしてあるようなおもちゃがあちこちに吊るしてある。

 地面は柔らかくフカフカでここでなら転んでも大したけがはしないように思える。

 事前に調べた情報からして「おもちゃ箱の中に迷い込んでしまったかのよう」というレビューサイトに多かったレビュー通りともいえるし、それにしては少し違和感を覚える。


「なんだろう、おもちゃ箱の中に入ってきたような気がしてたんだけど、おもちゃ箱の中っていうよりこれ……ええっと、なんていうんだ? なんか違う気がする」

「そうね、なんというかベビールームみたいだわ」


 その言葉に全員が納得した。

 日本ではあまり馴染みはないが、確かに言われてみれば海外のドラマなどでよく目にするベビールームに似た雰囲気がある。

 そして事前情報でここにいる魔物を知っているが、そいつらといかにもコンセプトがよくあっていることが分かってしまう。

 そしてそのタイミングを見計らったのかのようにカランコロンと道の先から音がし始めた。


「戦闘準備、いらっしゃったぞ敵さんが」

「うわ……知ってたけど本当にあんな姿してるんだ……」


 武器を構え、敵を見据える。事前に得ていた情報通りとはいえ、その敵の姿は信じられないと言うべきか、驚くべき姿ではあった。

 地を這うように動くその魔物は、まるで人間の赤ん坊の様な見た目をしていた。塩梅としてはハイハイをして移動していたので生後一年未満程度。右手には先ほどカランコロンと音を立てていた物の正体であるガラガラを持ち、口にはおしゃぶりを付けている。赤ちゃん用の服に帽子、おしめといい見た目は完全に赤ん坊だ。

 だがこの容姿に油断する探索者はいないだろう。何せ肉体力は脆弱なことは容易に想像がつくが、この赤ん坊の放つ魔法力はただ事ではない。その魔法力からこの赤ん坊は人間ではないと判断できるほどである。

 【デーモンベビー】というこの悪魔の赤ん坊は、肉体力こそ脆弱だが、それを補って余りある魔法力と多彩なスキルで対抗してくる立派な魔物なのである。

 デーモンベビーは手に持ったガラガラを激しくかき鳴らしおぎゃあおぎゃあと激しく泣き始める。するとそれに呼応するようにデーモンベビーの周りにはおもちゃが落ちてくる。

 だがそれは決しておもちゃなどではない。このデーモンベビーの手下たちである。手にマスケット銃を持ったおもちゃの兵隊、にやにやとした笑顔の書かれた赤いボール、一見ただのクマのぬいぐるみの様に見えるが腹から鋭利な刃物をいくつも生やした不気味なクマのぬいぐるみ。宙に浮くおもちゃの木琴。そしてグロテスクな表紙絵が描いてある絵本。

 そしてこれら配下を呼び出したころには赤ん坊自身も変貌していた。頭からかぶっていた帽子を突き破って二本の角が生え、背中には蝙蝠の翼が出ており、それを使って宙を舞っている。


「おおう、これも情報通りだな。なんつー可愛げのないガキだ」

「子供のように見えるってだけで戦うの躊躇しそうだったけど、あの姿なら遠慮はいらないわね!」

「じゃあ力は抑え目にね。まずは相手の出方を窺うように戦おう」

「……了解、まずは中級ダンジョンにいる魔物と、今までの敵の差異を見極める」


 敵が準備を終えた事を見計らって互いに声を掛け合う。今回の戦いはあくまで中級ダンジョンにいる敵が具体的にどのように戦うのかを見極める戦いだ。

 今の秋彦達ならば力づくで瞬殺することはたやすい。が、それでは何の経験にもならないし意味が無い。

 まずはしっかりと今まで戦ってきた敵とどう違い、何故中級ダンジョンに入って多くの探索者が命を落とすようになったのか、その勘所を理解しておかないと、今後の探索者活動に続かないだろう。

 今回は自分達の力量でごり押しせず、相手に力を出させ切り、その上でこちらが勝つのが目標である。


「よーしいいぜ、かかって来なクソガキ! 格の違いを教えてやるぜ!」


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は4月14日午前0時予定です。

よろしくお願いします

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