第二百八十三話 中級ダンジョン 突入!
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これも皆さまからのご愛顧の賜物です。
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
「さて、今日行くのは中級ダンジョンな訳だけど……秋彦、具体的にはどこに行くの?」
「今日は埼玉の中で一番近い中級ダンジョンである【大宮公園白鳥池のダンジョン】だ。一応俺らは埼玉南部にいる探索者なんだし、出来るだけ埼玉の中で活動するよう言われたじゃん?」
「そうなのよね。茜は東京に住んでるけど、私が埼玉に来ちゃったから。そうなると一番中級ダンジョンで近いのがここになっちゃうのよね」
「……ジュディが埼玉に移り住んだ時点で負けが決まっていた。正直遠い」
「そこは本当にごめんね茜ちゃん」
秋彦達は今日中級ダンジョンに挑むべく秋彦の家に集合していた。4人になったとはいえレインボーウィザーズはレインボーウィザーズだ。桃子も正確には脱退したわけではない。
「まあどこだろうと最初の一回行けば後はテレポテーションあんだからブーブーいうなって。で、ちなみにだけど忘れ物とかないよな? ちゃんと【不眠のネックレス】はいきわたってるよな?」
「うん、貰ったよ」
「今日行くダンジョンの第一階層は眠りに対策を取っていないと大変なことになるダンジョンですものね。まあ私は昨日作ってもらったお守りがあるから大丈夫だけど」
「……判明している以上は持っておくのがいいに決まっている。いくらジュディが攻撃は受けるとはいえ万一のことがあって死んだらシャレにならない」
茜の言葉に全員が大きく頷いた。
次のダンジョンは状態異常にかかった者を集中攻撃してくるダンジョン。特定の状態異常にかかったら危険である。逆に言えば状態異常にかかりさえしなければ何の問題もないと言えるだろうが、もし敵の攻撃以外の方法、例えば罠などの自分達の予想だにしない方法で状態異常にかかってしまったら大変なことになるだろう。
次のダンジョンは中級、敵の戦闘力は1万には届かない物のそれに近い戦闘力を持っているのだ。今の秋彦達なら正面から戦ってもどうにかなるものではあるが油断した結果死にましたなんてシャレにならない。
命がかかっている以上慎重になるのは当然だ。この位でちょうどいいだろう。
「今日の為にまた違う組み合わせの装備も手に入れたし、装備は万全だよ」
「……私も違うシリーズの装備を新調した。実用が楽しみ」
「え、この前の装備も初めて見たけどまた違う装備を買ったの?」
優太と茜は今日の為にまた新しい装備を用意していたらしく、実用を楽しみにしていた。が、ジュディとしてはついこの間装備を新調したのにまた更に新調したのが引っかかったらしい。
「ジュディ、今装備を複数セット持つのはあんまり珍しい事じゃないんだぜ?」
「え、そうなの?」
「俺やジュディみたいな御霊具が防具だとあんまりころころ装備は変えられねーけど、御霊具が武器の人って装備を一シリーズで統一することでスペシャルスキルを獲得することがあるからな」
「一般的に【装備ボーナススキル】って言われているんだけど、これが装備を統一しないと発動しないスキルだけあって結構強力なんだ。最近は装備を作れる職人さんが増えた事でこういう効果があるって知られてきたスキルなんだけど」
「……盾も統一する必要のある物もあるから強くは言わないけど、今後は意識した方がいい」
「そ、そうなのね……秋彦の職人スキルのように付与することって出来るのかしら。もしかしたらスキルそのものを作ることも夢じゃないのかも?」
「あー、それいいねー、夢があるなぁ!」
ここで装備に関して考察談議が始まってしまいそうな程に盛り上がろうとしていたので思わず秋彦は手を叩く。
「よーし、なかなか面白そうな話に突入しそうになってるけどそろそろダンジョン行こうぜ、マジで今日はダンジョン潜る日だからなー?」
「そ、そうだった」
「お、面白い話だったからつい」
「……うっかり」
「ほらほら行くぞ~」
装備もしっかり準備していることが分かったのでさっさと家から自分も含めて全員追い出すように外に出る。龍之介達は今日も初級ダンジョンに挑んでいるらしく家にはいないが、鍵はしっかり掛ける。
………………………………
東京と埼玉を繋ぐ秋彦がよく使う電車線の内の一つの終着駅である大宮駅から通常の人でも歩いて20分の距離。秋彦達探索者の足なら意識して歩けば10分、走れば5分も掛からない距離にある大宮公園。公園と言うにはかなり広く競輪場に野球場、テニスコート等いろいろあることで知られている。
そしてこの大宮公園には白鳥池という大きな池がある。ボートを貸しているところがある程度には大きい池であり地域住民の憩いの場として知られている。
そしてその一角に……あった。不自然に大きく開いた階段のついた大穴。それをぐるっと塀で囲み、一部のみ駅のホームでよく見る自動改札機。最近では【迷宮入場証】という定期券の様な物を使ってダンジョンの出入りがギルドの履歴に残るようになっているらしい。探索者がどのダンジョンに入ったか、また、そのダンジョンが入っていい実力があるかなどがすぐにわかるのだ。
そんな改札機がある大穴。間違いなくダンジョンである。
「さてさて、ようやくレインボーウィザーズとしての探索者稼業再開だな」
「久しぶりよねぇ、ちょっと緊張しちゃうわ」
「僕はちょっとわくわくしているかな、楽しみかも」
「……正直私も」
秋彦達は何の迷いもなく迷宮入場証を改札にかざし、扉を開く。
「よっしゃ、いくぜ!」
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次の投稿は4月11日午前0時予定です。
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