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第二十七話 新しい日常

ここから新しく第二章となります。

まだまだ走り続けますので、どうかよろしくお願いいたします!

 4月の肌寒さが残る陽気が、本格的な夏への入り口となる暑さへと移り変わる5月。

 【日本魔物大氾濫】と後に呼ばれることになる、日本全土に魔物がダンジョンより氾濫した一件から一か月が経過しようとしていた。

 秋彦達も入学したての頃から一月経過した。日本魔物大氾濫のすぐ後はだいぶごたついた物の、一月もたてば大分おとなしくなる。

 変わった事と言えば、二人はすっかり学校内で有名人となっていた事だった。


………………………………


「おはようございます!」

「「「「おはようございます!」」」」


 久しぶりの挨拶活動の為、秋彦は校門の前に立っていた。

 前回同様に生徒に向かい挨拶をする。しかし、前回と違い、挨拶がろくに帰ってこないなどと言う事はなく、挨拶にはしっかりとした挨拶が返ってくるようになった。

 それは当然秋彦自身が有名になったということもあるだろう。だが、最近はそれだけにとどまらない。


「秋彦、今日はうちの近くのダンジョンの駆除を……」

「あ、ずるい! うちの近くのダンジョンだってそろそろ危ないんだから、こっちの駆除を先に」

「あの、話は後で伺いますんで、とりあえず先へ進んでください、先輩方」

「あ、ああ。じゃあまた後で」


 そういってそそくさと学校へと入っていく。

 そう。秋彦達はダンジョンへと入り、魔物の氾濫を食い止めていた。当然、秋彦達が自分たちの生活圏内ではないと放置していたダンジョンもある。

 しかし、秋彦達の生活圏内ではなくとも、学校内の誰かの生活圏内ではある時がある。せっかくこんなに強い人間がいるのだからと、たびたびダンジョンの氾濫を抑えてもらおうとお願いされるのだ。

 成功報酬は、生活圏内の町内会や、ダンジョンのすぐ近くに住んでいる人が個人で報酬を支払う事が多い。一度のダンジョン氾濫を抑えれば、大体2万円をもらうようにしている。

 報酬がないとひたすらにただ働きを繰り返し、そのうち擦り切れて、精神を病む可能性もあったので、せめて成功報酬という対価を受け取ることで、モチベーションとしていたのだ。

 一方で個人にやらせず、自衛隊にやらせればいいという意見もあった。自衛隊なら、国民を守るのは義務なのだ。成功報酬だなんだという話にはならないはずだ。

 確かに自衛隊も前回のダンジョン騒動の中でダンジョンに潜り、レベルを上げ、強くなった。そしてそれが、ダンジョンからくる魔物に有効なのはわかった。

 だが、ダンジョンは一度攻略したら終わりという訳では無い。氾濫には日数があり、入門ダンジョンだと、大体4日で氾濫が起こってしまう。

 今の自衛隊に今現在日本にあるすべてのダンジョンを4日に一度は氾濫を防ぐために魔物の間引きをさせるのは到底不可能。数が圧倒的に足りないのだ。

 これがダンジョンを一回制覇して終わりだったならよかったのだが、そういう訳にもいかない。なので、今は非公式的に秋彦達のような探索者が、ダンジョンに出向いて魔物の間引きを行い、ダンジョンウォッチにて氾濫日数がリセットされたのを確認後、成功報酬をうけとるという形になっている。

 成功報酬にこじれがあれば、もうその地域での間引きを行わないとなれば、成功報酬に文句を言う輩もいないし、何より、定期的に会う関係になるのだ、仲良くしておくに越した事は無い。

 とはいえあちらもこちらもとやっていれば、当然優勢順位をつけざるを得なくなる。

 自分達の身の安全のため、秋彦も優太も、全力でご機嫌取りを行われている状態なのだ。


「大変だなぁ、南雲」

「全くだよ。皆もダンジョンに入ってみればいいのに……」

「冗談言うなって! あんなおっかねぇとこにまともな神経で入れねぇよ!」

「俺らは入ったよ? んでもって強くなったよ? 俺おかしいの? どうなのよサトちゃん?」

「たぶんおかしいと思うぞ。普通お前みたいに戦うことに順応できねーかんな?」

「おーおー、耳の痛い話だ。でもそんな言いづらいことを言ってくれるお前が好き」

「プロポーズ?」

「馬鹿野郎」


 顔を見合わせて大笑いする。

 この忌憚のない言い分を容赦なくぶつけてくるのは、同じ風紀委員の佐藤さとう 雅之まさゆき。愛称はサトちゃん。ゲーム好きで、よくゲームを夜遅くまでやってはしょっちゅう寝不足の状態になってるやつだ。最初の挨拶活動で組まされて以来、結構仲良くなっている、風紀委員でのパートナーのような存在だ。

 結構言いづらい事でもずけずけというので、中立的な言い分が聞きたい時に頼りにしている。


「今日もあちこちダンジョン潰して回らないといけねーんだろ?」

「ああ。委員長からは話行ってると思うけど……」

「南雲のそれって風紀委員の活動の一環として処理されてるんだよな? じゃあ俺が文句言える訳ねーじゃんかよ」

「いつも済まねぇ。仕事押し付けるようだけどさ」

「なーに、俺ができないことをやらせてんだからさ。事務仕事位任せとけっての」


 要するに放課後以降は、自分はダンジョンの間引きを行っている間、つまり自分がいない間の風紀委員の仕事を肩代わりしてもらう断りを入れていたのだ。


「すまねーなホント」

「なーに、任せとけって。それより放課後はしくじるなよ? 生きて帰ってこい」

「分かってるよ。明日も挨拶活動しに来るっての」


………………………………


「今日の依頼は3か所だね」

「おうさ。とはいえ今の俺らにはただの消化試合なんだけどさ。初級にも挑みたいし、さっさと済ませよーぜ」


 依頼で回る入門ダンジョンを前に余裕見せる秋彦。だが、それも仕方ない事なのかもしれない。

 ここであの戦いを繰り広げ成長した二人のステータスを見てみよう。

 まずは秋彦から。


名前:南雲 秋彦

レベル12→18

肉体力:180→380

魔法力:120→200

戦闘力:800→1620

獲得DP:49,115

使用魔法属性:無(力)Lv3→5

入手スキル

【戦術】

槍術Lv3+1=4(600DP+自力の強化)槍術を習得し、習熟する。

格闘術Lv1+3=4(100DP+自力の強化)格闘術を習得し、習熟する。秋彦の場合は空手。

体術Lv3+1=4(600DP+自力の強化)体術を習得し、習熟する。

【魔法補助】

高速詠唱Lv3+1=4(7000DP+自力の強化)魔法の詠唱を早める。

魔法効率化Lv1(2000DP)、魔法を効率的に使用することで、消費魔力を抑え、威力を上昇させる。

魔力制御Lv1(2000DP)範囲攻撃魔法を行う時、味方を巻き添えにしない。

【補助】

解体術Lv2+1=3(1500DP+自力の強化)モンスターをうまく解体出来るようになり、相手の急所を突きやすくなる。

魔物学Lv2+1=3(1500DP+自力の強化)モンスターの弱点を知り、相手の急所を突きやすくなる。

重量挙げLv3+1=4(3000+自力の強化)重い物を持つ腕力と重い物を効率に持ち上げる技術。力もつくが、わずかな力で重い物を持てるようになる。

【感知】

危機感知Lv2+1=3(3000DP+自力の強化)罠を察知し、不意打ちを受けにくくなる等、自分に降りかかる危機を感知できるようになる。

直感Lv2+1=3(3000DP+自力の強化)感知系スキルを強化する。


 続いて優太。


名前:石動 優太

レベル12→18

肉体力:80→160

魔法力:200→450

戦闘力:940→1500

獲得DP:49,815

使用魔法属性:炎Lv6→10、風Lv3→5、光Lv5→7

入手スキル

【戦術】

杖術Lv3(600DP)杖術を習得し、習熟する。

盾術Lv3+1=4(600DP+自力の強化)盾術を習得し、習熟する。

体術Lv3(600DP)体術を習得し、習熟する。

【魔法補助】

高速詠唱Lv3+1=4(7000DP+自力の強化)魔法の詠唱を早める。

魔法効率化Lv2+2=4(6000DP+自力の強化)、魔法を効率的に使用することで、消費魔力を抑え、威力を上昇させる。

魔力制御Lv2+1=3(6000DP+自力の強化)範囲攻撃魔法を行う時、味方を巻き添えにしない。

【補助】

解体術Lv1(500DP)モンスターをうまく解体出来るようになり、相手の急所を突きやすくなる。

魔物学Lv1(500DP)モンスターの弱点を知り、相手の急所を突きやすくなる。

【感知】

危機感知Lv1(1000DP)罠を察知し、不意打ちを受けにくくなる等、自分に降りかかる危機を感知できるようになる。

直感Lv1(1000DP)感知系スキルを強化する。

 

 はっきり言おう。もはや入門ダンジョンではたとえ何匹に囲まれようとももはや二人の敵ではないのだ。

 なので、ダンジョンの駆除も、あっという間に終わるのだ。


「じゃあ行くぞ親友。『力よ!』パワー! 『力よ!』ストロング! じゃあ後頼む」

「はいはい、じゃあ行くよ。『炎よ!』ファイアボンバー!」


 高速詠唱Lv4によって更に詠唱の早まった魔法と、レベルが上がり、更に威力の増したファイアボンバーを、ダンジョンの奥に向かって放つ。

 しばらくすると、奥で爆発したファイアボンバーの炎がこちらに向かってくるが、魔力制御のおかげもあって、ダメージは無しだ。

 しばらくしてダンジョンウォッチのマップで確認すると、ダンジョンの氾濫日数が元に戻っていた。ここでの任務完了だ。


「いや~、レベルが上がると早くていいな」

「だね……これで報酬2万だからね。正直お手軽ってレベルを超えてるかも……」

「そうなる前に散々苦労してんだからいいんだよ。じゃあ次の現場行くぜ」

「あ、魔法使うの?」

「たりめーよ。ってか俺が無属性Lv5で習得した魔法便利すぎるだろ……」


 そうなのだ。秋彦は【日本魔物大氾濫】を潜り抜け、たくさん魔法を使ったことで無属性魔法のLvが3から5に上がり、その上でたくさんの魔法を使えるようになった。

 その中で飛び切り便利な魔法をLv5になって覚えたのだ。

 無属性魔法の中ではフォースに続いてのパワーを原動力としない魔法。その名は【テレポテーション】

 もうどういう魔法かわかるだろう。自分の知っている場所へ瞬間移動できる魔法だ。


「『力よ!』テレポテーション!」


 優太を指さしながら魔法を唱えると、優太が、スポンという音を立ててその場から消えた。おそらく依頼を受けたダンジョンの前にいるはずだ。

 続いて自分も瞬間移動する。


「『力よ!』テレポテーション!」



皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも頑張っていきますので、ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 依頼者の近くにあるダンジョン討伐をするのはいいとしても、その人だけ金を払ってたら他のダンジョン付近にいる人はせこいですな。 せめて近隣数十軒の人たちが1軒で1万円出せばすぐに数十万円になり…
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