第二百七十七話 中級ダンジョン 上位状態異常
累計PV数484万突破しました!
これも皆さまからのご愛顧の賜物です。
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
「さーてと、ちょっと頑張っちゃおっかなー」
「おお、南雲君ってばなんか本格的です……!」
現在秋彦達は秋彦の家にある小屋を改造した工房に集まっていた。
工房の中はごちゃごちゃしているから本当はあまり見せたくないのだが、クラスメイトチームの面々やビューティフルドリーマーと言うある意味身内の様なモンスターキラーズを除いた最大の同盟相手であるチームにせがまれて仕方なく工房に招待することになった。
さっそく作業着に着替えた秋彦を見てモンスターキラーズのメンバーである言葉 文佳が感心したように声を出した。
「そうでしょうそうでしょう、私の旦那様はいつだってかっこいいんだから!」
そして得意げに鼻を高々にするジュディ。
「でも状態異常に対する耐性って言えば今もそれなりに物は流通しているよね? 普通に考えたらそれでも別にいいんじゃないの?」
そこでもっともらしい正論を投げかける同じくモンスターキラーズの奏 祭。
確かに今時耐性に関する装備と言うのは武器防具、装飾品にいたるまで耐性を付与する物は多く存在する。わざわざ今から手作りしなくても既存の物を組み合わせていけばいいのではないかと奏は思ったのである。
「んー、まあそれで済めばそれでいいんだけどさ。そうじゃない可能性も最近見つけたんだよ。ほれ、深緑の付箋貼ってあるとこ見てみろ」
そういって秋彦は自身が集めたレシピ本を収納している本棚から一冊の本を渡す。
「あ、これって……!」
「おお、真崎は一度見たことあったっけ。そうそう、あの本だよ」
真崎が驚いた声を出すのにニヤリとした顔で答える。そう、今秋彦が事も無げに渡した本は、狂怨呪骨-狂呪骨を超える呪骨の神秘。かつて立松古書店で注文した商品であり、一冊につき400万もする驚きのレシピ本である。
「え、ちょっと待ってマーちゃんってばいつの間に?」
「い、いや僕もたまたまその本を買った時の秋彦と会ったってだけで内容は見てないんだけど……」
「ほほう……これは……抜け駆けね?」
「真崎君、流石にそういうのはちゃんと報告してほしいと言いますか……」
「だ、だって僕も中身見た訳じゃないし!」
「まーまー、被告の弁解は兎も角、それって中身どうなってるのー?」
モンスターキラーズの仲間から詰め寄られていたが取り合えず石崎が先に進めれくれた。尤も、とりあえず止めた奴からさえ被告呼ばわりされる当たりまだ許され切ってはいない限り真崎に関してはドンマイである。
「それ自体は【狂怨呪骨】っていう呪骨っていう素材の二段階上にある上位素材の取り扱いが、本人の骨加工スキル次第だけど出来るようになるレシピ本さ。でだ、面白いのはその深緑の付箋がしてある所なんだよ」
秋彦が促すままにレシピ本のとある部分を見る。促されるままに秋彦以外に工房にいる全員が深緑の付箋がしてあるページを見る。
「……【上位状態異常】?」
「ああ、どうやら中級ダンジョンやまだ見ぬダンジョン、それに一部の特殊ダンジョンには上位状態異常と言う今まで俺らが喰らったものとは更に別の状態異常ってもんがあるらしい」
レシピ本を見て首をひねった茜に秋彦が答える。
状態異常と言う物には一部上位状態異常という今まで体験してきた状態異常の上位的な存在があるらしい。
例えば【延焼】だ。これらは一定確率で延焼状態にある者に火傷状態を付与し、火傷状態で受けるダメージなどを上昇させる。また炎属性の攻撃に対して弱くなってしまうと言うという状態まで付与する状態異常である。
他にも似たような状態異常に氷属性版の延焼である【凍結】風版である【帯電】それに土版である【化石】といった具合である。正直これらの状態異常になると常にそれぞれの下位である状態異常に常になってしまう危険性がある上にそれぞれの属性ダメージに対して威力が増してしまうと言う状態まで付与されてしまう。
はっきり言ってその存在すら浸透しているか怪しい上に、初見で喰らったらまず大ダメージは避けられない状態である。
「もしこれらをまともに受ければ正直只じゃすまないわね……」
「まあな。正直これらの状態異常になったっていう人も見かけはしないけど、存在が示唆されている以上捨て置けないじゃん? だからそういうのも含めた状態異常対策をしたくてな……あれ?」
「ど、どうしたの?」
話しながら元々の自宅から持って来たものが大量に入る宝箱を漁っていた秋彦が怪訝そうな声を上げる。
「いや……もっとあったと思うんだけど……素材の量が足りねぇ……」
「え?」
「いや、ホント言うとレインボーウィザーズ分の装備位は今作っちまおうと思ってたんだけど、あれ、作ろうとしていた物の素材が足りない……あれ?」
ごそごそと宝箱の中を探す秋彦。だがいくら探しても秋彦が作成しようとしている素材の材料は一人分にしかならない。
確かに6人分位の素材はあったはずなのだが。
「おっかしいな……どうしたんだ? ……まあとりあえず今は置いておくか。まずは今やろうと思っていたことをするとするか」
そういって秋彦はいくつかの素材、骨を取り出す。
「さーて、職人としての腕がなるぜ、レシピ本を返してくれ。こっから先はそれが無いと不安だからな。じゃあ、始めるとするか!」
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次の投稿は3月24日午前0時予定です。
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