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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
ダンジョンに適応する日本
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第二百七十一話 迫るその時 賞金首

累計PV数472万突破しました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「レインボーウィザーズの南雲秋彦さんに会えるなんて光栄です! これからも同じ地域で活動する探索者として宜しくお願い致します!」

「はい、こちらこそよろしくお願いします。我々では手が届かない場所ももちろんありますのでね。ぜひとも仲良くしてください」

「はい! ありがとうございます!」


 もう何度繰り返したかわからない探索者チームの挨拶。今の時間帯だけで数十回繰り返したし、テレビ局のカメラもばっちり回っていた。

 秋彦達の知名度からしたら、正直自らの行動がいちいちニュースになるのはもう仕方ない。増してここには自ら広告塔になりに来ているのだ。そうでないといけないまであるのだが……正直秋彦は自分に困惑していた。


「俺ってばいつの間にこんな相手に対しての応対上手くなったんだ……?」

「まあこういうのは慣れよ。秋彦もいろいろな人相手に応対してるんだもの。寧ろなるべくしてなったまであるわよ」

「そうか? まあ、そうなのかもな。最近知らん人ともずいぶん話したりしてるしな」


 考えてみれば秋彦には今まで人と話す機会なんて優太以外にはいなかった。今までは其れでもよかったし、優太と家族以外で話すのに苦慮しなければ後は別にどうでもよかった。

 それが最近になって有名になった事で、いやでも優太や家族以外の人々以外にも、自分を知っているが自分は知らない人と話すことが多くなったと思う。嫌々ながらでも話す機会が増えれば嫌でも場慣れすると言う物である。


「にしてもここは本当に異世界転生小説でよく見る様な中世ヨーロッパ的な装飾やギルドの出し方してていい雰囲気だな」

「ええ、お酒や食事も出しているみたい。雰囲気づくりとはいえ頭が下がるわね。それだけじゃないわ、壁に貼られてるの見た?」

「え? なんかあるか?」

「ほら、あそこよ」


 要領を得ない秋彦にジュディが促すように壁、正確には壁に貼られている物を指差す。

 そこには多くの顔写真がついた紙が貼られていた。顔写真の下には円マークのついた数字、更にその下にはONLY ALIVE(生け捕りのみ)と言う文字が並んでいる。

 もはや言うまでもないかもしれないが、これはギルドが指定している賞金首(ブラックリスト)である。

 現代のダンジョンがこの世にあらわれる前の時代でも、指名手配犯の目撃情報に賞金が付けられていたことはあった。

 だがそれらの人はあくまで目撃情報であり、その人物の捕縛、増してや殺しには賞金はかかっていない。だがこれらの賞金首とされている人物は探索者ギルドの方で生死問わず無力化することを公認している。

 現代においてそれは野蛮なのではないかと思うかもしれない。しかし彼らが行った罪を知ればだれしもそんな余裕はなくなるだろう。

 例えば【人喰い】の二つ名を持つ賞金首、近坂こんざか 実近さねちかはゴールドランク探索者を計五人殺害し行方を晦ましている。賞金一千万の首だ。

 また、【ハッピーマン】の二つ名を持つ賞金首である設楽木したらぎ 正和まさかずは【第二種危険迷宮収集物】である【ハッピーガム】等のブローカーとしてその首に賞金がかかっている。こちらは賞金一億の首。

 こういう輩が現在必要とされている探索者の信用を大きく落とし、探索者のイメージダウンをさせてしまっていることもあり、探索者一同はこういった存在に対し頭を痛めている。

 故にこうして探索者の首に賞金が掛けられており、基本的にはONLY ALIVE(生け捕りのみ)となっている。

 だが実際それでは捕らえる側は相手を殺してしまわないかに気を遣うあまり取り逃がしたり、逆に倒されてしまわないかと言う声もある。

 特に人喰いの近坂については分かりやすいだろう。

 ついこの間までその存在実力が影も形もなかったような存在が地方都市奪還作戦において最後のグレイトアンデッドドラゴンとの戦いを生き残った猛者五人を殺害したうえで今も尚生き残っているのだ。

 勿論手練れの探索者相手に勝てる理由はそれだけではないのだが、いずれにせよジャイアントキリングが可能であることが証明された以上きれいごとばかり言ってはいられない。

 だが何事にも建前は必要なのだ。その結果、ONLY ALIVE(生け捕りのみ)とはある物の、実際には捕縛対象とのレベル差などに応じて捕縛の難易度が考慮されるなど、仮に殺してしまった場合の情状酌量の余地を大幅に増やしている。

 いずれにせよ賞金首が増えると言うのは社会情勢上非常によろしくないし、何より自分達の生活の基盤を脅かされると言うのは業腹である。


「全く、物騒な世の中になっちまったもんだぜ……」

「本当よね、ついこの間まで日本なんて結構平和ボケしがちって言われていたのに、ここ最近ハイレベルな屑が跋扈しているもの。日本の安全神話はどこ行っちゃったのかしらね」

「……いやそれはちょっと過信っていうか盲信し過ぎだとも思うけどな、ダンジョンが出来る前からそこそこ犯罪の話だって聞いてたし」

「あら、そうなの?」

「当たり前だろ、犯罪が無いわけじゃないってば」


 ギルドマスターの呼び出しがかかるまでの間、二人は話しこむ。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は3月6日午前0時予定です。

よろしくお願いします

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